2023年12月31日日曜日

2023 大晦日

年内、スピンオフをいくつか書きたかったのですが、書けぬままに大晦日。

お陰様で、充ち満ちた一年でした。




12月の《有元利夫版画展》は、その単独での満足感も大きいものでしたが、
ギャラリーとしては、9月以降《有元展》までの流れをイメージして組み立てた企画展が、
想像を超えた内容で開催できたこと、その素晴らしき会期を思い返しながら、
特別な感慨の湧く年の瀬です。


9月の《COREs/ep.1》
10月の《Progress》
11月の《有元利夫 オマージュ展》

年明けの展覧会の予告をアップしながら、
今年の1月の展覧会《On Your Mark》の印象的だったことも思い返しています。

4月は5周年の《BLUE》展
5月は《第8回 Pegasusの会展》
6月の《野田英世 スケッチ作品展》
7月は《長谷川由香 染付のうつわ展》

それぞれに印象的な出会いをいただいた日々です。
出展作家の皆さま、ご来訪くださいました皆様、

関わって下さった全ての皆様に

改めて感謝申し上げます。

ありがとうございました。



様々な心情で迎える年越しだと思います。


それぞれの立場で、積み重ねてきたことに、ねぎらいと祝福を。


また元気に再会できますように。

よいお年をお迎えください。






来たる年も、よろしくお願いいたします。

2023.12.31
maison de たびのそら屋



2023年12月26日火曜日

【次回】ふゆはつとめて

2024 NEW YEAR EXHIBITION -ふゆはつとめて

1.17(水)~28(日)

Open   11:00~17:00 ※最終日は16時まで
Closed   1/19(金)、24(水) 





【出展者】 @はインスタアカウント


鷲尾顕一(写真) WASHIO Kenichi
   @was_photograph


小川沙織(ガラス・キルンキャスト)OGAWA Saori 
   @saori.glass 


財田翔悟(日本画) TAKARADA Shogo
   @takaradashogo
 https://konekonokeito.wixsite.com/t-shogo

本田貴哉(日本画・水彩画)HONDA Takaya 
   @hontaka45

8BLANKS/引馬英人(雪板)HIKIUMA Hideto
   @8blanks
 http://8blanks.com/


たびのそら屋 @tabino_soraya





新年の展覧会は、お正月のいろいろがひと段落した頃合い、
1月17日(水)開幕です。


雪の具合にハラハラして過ごすこの季節。

仕事日も休日も雪かきに追われ、身体を傷めた日を思い出すにつけ、
今年は穏やかでありますように… と願いながら過ごすひとは少なくないと思います。

私も雪景色や雪道を歩くのは大好きなのですが、年々衰える筋力や、
昨年のようなドカ雪を思うと、冬の展覧会の組み立ては悩ましく、

憂鬱でさえあるのは正直なところ。


でも、そんな冬を、やっぱりたのしみたい!

だってそれは毎年やって来るのだから。

ここに暮らしているのだから。




2023.12.18 初雪



清少納言は「枕草子」の中で言いました。

「冬はつとめて。雪の降りたるは、言ふべきにもあらず。」



「ふゆは早朝がよい」ですって?!

「雪の降っている朝は言うまでもない」。。。


雪の朝は早起きをしないと雪かきが間に合いませんよ。
でもほら、白い世界が変化してゆくうつくしさをごらんなさい。


そんなご進言でしょうか。。




2023.12.23


早朝の写真はありませんよ(=゚ω゚)ノ

寒いのも早起きも苦手なのです。
(ブログ書きに興じて明け方になって寝ることは、あります)


そんな私が、

”つとめて”上等! 
この冬はこれまでとは違うことをしてみましょう、
新たなたのしみをみつけましょう、


というきわめて前向きな気持ちで企画した展覧会は、
大変、こころ踊る出展者の顔触れとなりました。


新年、あらたなふゆのたのしみを。





財田翔悟 《 アカルイヨル 》


財田翔悟さん(日本画)は、今年2023年1月の展覧会《On Your Mark》から丸1年。
前回、観たりなくて2度目のご出展をご依頼しました。
前回のご紹介はこちら



人物画の大作が印象的ですが、実は風景画も大変魅力的。
その画面を直接、しかも長岡でご覧いただくのは貴重な機会になると思います。
どうぞお見逃しなく。





本田貴哉

本田貴哉さん(日本画)も、記憶に新しい2023年4月の《BLUE》展に続いて2度目のご出展。
前回のご紹介はこちら⇒①影 ②空

その時は、夏の日差しを感じる「影」が印象的な作品と、晴れ晴れとした春の青空の作品をご出展くださいましたが、それらと併せて、私が初めて作品を拝見した折に魅了されたのは、この轍を描いた雪景色でした。

本田さんが描く、冬にしか出会えないうつくしい光景。
この地の宝物と、出会い直したい気持ちです。

財田さんと本田さん、それぞれの「日本画」の技法や表現に、
同時に出会えることも大きなたのしみです。




鷲尾顕一

そして初出展となる御三方。


鷲尾顕一さん(写真)は、こころを貫くような山岳写真をInstagramにアップしておられます。

こちらはもう、寒いとか眠いとか言う次元ではなく、、、
なんなら、ご来光を目指して眠らずに登ります、とのこと。


素晴らしき写真もさることながら、この景色を目指して山へと向かう、
その人、その心持ちに出会わせていただきたく、出展をご依頼しました。

____________


この1年は「写真」「写真家」との出会いが印象的でした。

2023年9月の《COREs/ep.1》では小川愛咲子さん⇒
10月の《Progress》では坂井優斗さん⇒
そのおつながりで新潟市で活動するtangoさん⇒
などなど。。。

「写真」や「カメラ」もまた特有の世界。
作品や”撮る人”と出会いながら、その表現や関り方の多様さに親しんでいる途中です。

2024年も「写真」をめぐるうれしい流れは続きます。
どうぞお楽しみに。





8BLANKS/引馬英人


昨冬、「雪板」なる冬の愉しみがあること、
それを発信しているひとのいることを教えていただきました。

フリーフットの「雪板」は、スノーボードとは異なり専用靴が不要で、
板以外の特別な道具は要らない、比較的新しいウィンタースポーツとのこと。

引馬英人さん(雪板)は、舞台芸術の仕事も手掛けつつ、
悠久山に工房を構えて雪板の制作と普及活動などをしておられます。

Instagramにアップされている動画をぜひご覧いただきたいのですが、子どもたちがたのしそうに滑る様子に興味を惹かれつつ、板面に描かれたものにArtを感じてお話を伺ったところ、その制作や活動に込められた思いは、想像を超えたところへと広がっていました。


実際の雪原ではただただ楽しく戯れていただくとして、
もう滑走はしない年頃の私と同世代以上の皆様にも、
雪国・小千谷生まれの若者が発信する世界に、出会っていただきたいと思います。

(というか鷲尾さん同様、引馬さんについても、私が出会いたい!😊





小川沙織


小川沙織さん(ガラス)は、長岡造形大学卒業後、昨年度まで教務補助職員として勤務。
昨年の「教務補助職員展」(財田翔悟さんもご出展)で、壁面展示の作品をご覧になった方もおられると思います。

今回はキルンキャスト※の技法を用いた器や小物の他、「教務補助職員展」で展示されたシリーズも一部、ご出展くださる予定です。
記憶に残る素敵な作品でした。改めて拝見できることがとてもうれしいです。

※キルンキャスト/ガラスの透明感を生かした鋳造法



2022.11 長岡造形大学/教務補助職員展



小川沙織さんは、ガラスのワークショップも開催してくださいます。
雪の日になるかもしれませんが、そんな日に出かける愉しみごとにしていただきたく✨⛄


【小川沙織 WORKSHOP】 ◆1/23 定員に達し受付を終了いたしました

ステンドグラスの技法で小さなアクセサリーをつくります。
(今回は大人の方のみです)


◎30分ごと2名ずつ/ご予約優先/料金1,500円
◎開催日 1/22・25 
◎時間  13:00~15:30(最終受付けは15:00)
     

▶お申込み 
・たびのそら屋 md.tabinosoraya@gmail.com  もしくは、
・小川沙織さん   Instagram・ワークショップ専用アカウント @niniko___n 

◎お名前・お電話番号・13時から15時までの30分刻みで、ご希望の開始時刻をお知らせください。 





年明けを思い描いてウキウキしつつ、
まずはこの一年を大切に締めくくります。

仕事納めまで、私もいましばし追い込みです。

ので、今宵はまだシメのご挨拶はいたしません🌛see you✨


2023年12月23日土曜日

【感謝御礼】有元展と一年の全てに

2023.12.6~18に開催いたしました《中村玄コレクション/有元利夫版画》と、
同時開催の《有元利夫オマージュ『記念版画集』刊行作品展》は、無事に閉幕いたしました。




最終日の前日に開催した音楽会は、
笠原恒則さんのスピネットの演奏と、この展覧会のための素晴らしいプログラムによって
会場の作品を更に更に堪能させていただいた、最高のひとときでした。





満員御礼

12/17 音楽会「古楽の愉しみ」笠原恒則/スピネット





改めてスピンオフとして綴ります



その余韻冷めやらぬ中で迎えた最終日は、初雪が街を覆ったうえに月曜日でしたので、
玄さんとゆっくり作品を愛でながら過ごす、落ち着いた一日になると思いきや、、、

ご来訪途切れず、遠路からも駆けつけていただき、語らい尽きぬままに閉幕いたし
ました。


どの日も、うれしい出来事で満たされた会期でしたが、
最後の二日間はとりわけ思い出深い日となりました。

最高のフィナーレに向かう、このシナリオは一体どなたが・・・?
と、問うまでもなく、全ては中村玄さんの企画です。




玄さん・昌子さん夫妻


そしてInstagramには書いたのですが、

この素晴らしい巡り合わせの采配は、
有元作品の「アルルカン」たちなのではないかと、私は思っています、、

これもまた、スピンオフにしたためましょう。







近隣の皆様はじめ、遠くから見守ってくださる方々、そしてこの場所を構成する有形、無形なものたちからも、たくさんのお力添えをいただいて、またひとつ素晴らしい展覧会を開催することができました。


季節柄、足元の悪い中にもお越しくださいました皆さま、
喫茶室でゆっくりと語らいの時を過ごしてくださいました皆さま、
あたたかい時間を頂戴しました。どうもありがとうございました。


情報の発信にご協力くださいました事業所ならびにSNS等で発信してくださいました皆様、
それらを見てお越しくださった方々が複数おられました。
いつもどうもありがとうございます。


『記念版画集』収蔵作家の皆様には、会場にお過ごしいただくことが難しかった方もおられましたが、
大変お世話になりました。

12/10に開催したトークイベントでは、3名の収蔵作家の皆様と共に、今展および『記念版画集』を協働で準備してこられた楓画廊※の三ッ井さんにもご協力いただき、お陰様で、時代をむすぶ奥行きのある展覧会となりましたことを、感謝を込めてご報告いたします。

※今展は来年6月に楓画廊さん(新潟市)にて、一部作品を入れ替え、新たに開催される予定です。
引き続きどうぞおたのしみに。



そして、この展覧会のために、2年越しの企画を進めてこられた有元利夫版画コレクター・中村玄さん、昌子さんご夫妻には、素晴らしい機会を頂戴しましたことに、改めて感謝を申し上げますとともに、こころから敬意を表したいと思います。


ご夫妻とはこれまでも、つながりの中で語らう機会をしばしば頂戴していたのですが、
今回はまた改めて、コレクターとしてのご尽力と実行力に敬服いたしました。


コレクション作品をただ展示するだけでない、様々な挑戦が含まれていた展覧会でした。


有元利夫の作品世界を伝えると同時に、今を生きる作家たちと結び、関わりを育み、
作家や奏者、そして鑑賞者である私たちがどう関わるか、

それは、生ある今を、どのように生きるか、という問いでもあったと感じます。


会期中、ほぼ毎日、新潟市から通って在廊してくださった玄さん。
その生き様を、改めて垣間見せていただいた会期でした。


自らの情熱を追求しながら、いつも誰かを応援している中村玄さん、昌子さんに、

こころより感謝御礼を申し上げますとともに、
尽きることのない「Bravo」を✨💐






《春》

1981/リトグラフ




たびのそら屋は、これにて年内の営業を終了いたしました。
無事に、元気に、営んでこれましたこと、全方位に感謝いたします。


新年の展覧会は1/17より。近日、改めてご案内いたします。

まずは、今日も雪かきを。。
昨夜の2時間半の除雪は元の木阿弥となりました。。。


いえいえ、ここはひとつ気持ちを切り替えて、
それが新たな冬の私のテーマ!

戯れに、あるいは筋トレとして!⛄✨
(ちょっと強がり入ってます。。)


県内各地、集中豪雪となっている様子。
皆様もどうぞお気を付けてお過ごしください。








2023年12月16日土曜日

販売作品

【展覧会は12/18まで】

中村玄コレクション《 有元利夫 版画展 》
同時開催 / 有元利夫オマージュ『
記念版画集』刊行作品展

2023.12.6(水)/~18(月)
Open    11:00~17:00 ※最終日は16時まで
Closed  12/8(金)、14(木)  【入場無料】

◆12/17(日)は音楽会開催につき、ご観覧は16時半にて終了いたします。
◆12/18(月)最終日は16時にて閉幕です。ご注意ください。






中村玄コレクションからの販売作品、7点をご紹介します。

オンラインでの取り引きもされる昨今ですが、
実作品をお確かめいただける機会にどうぞお出かけください。


___________________


◆版画集『雲の誕生』より3点(いずれも銅版画/エッチング)

『雲の誕生』についてはこちらでご紹介しています ⇒






『雲の誕生』 #7





『雲の誕生』 #15






『雲の誕生』 #21



版画集『12 pieces of BAROQUE MUSIC』より1点(エッチング)




《 シャルパンティエ「夜」》

(1981年)

sold out





時を超えて

手から手へ

どうぞ よき旅を




『有元利夫全作品』より1点(エッチング)




(1991年)






◆石版画集『MAGIC』のポスター(リトグラフ)





(1981年)






◆そして、無題ですが有元作品の中では珍しいという木版画(木口木版)





(1989)






会期末は中村玄さん在廊です。

閉館時間が変則的ですので、ご注意のほど、
じっくりと実作品をおたのしみください。


◆12/17(日)は音楽会開催につき、ご観覧は16時半にて終了いたします。

◆12/18(月)最終日は16時にて閉幕です。






版画集『雲の誕生』

今回、中村玄コレクションから7点が販売品として展示されています。
そのうちの3点は、版画集『雲の誕生』に収蔵されている作品です。

(版画集の本体は、今回は展示されていません。)




限定版 『雲の誕生』(新潮社)

(2002)





オリジナルから抜粋して印刷された、同タイトルの「作品集」も刊行されていますが、
玄さんが所蔵しておられるのは限定155部が制作された、
「版画集」。
発売当時は電話で購入申込みをする時代で、受付開始から瞬時に完売したとのこと。






作品のシートがこのように綴られていています






装丁も全てが素敵で、その手仕事の集積に、ただ息を吞むほかなしの大興奮。


有元利夫が亡くなったのち、未発表の銅版画を妻の有元容子さん(日本画家)がまとめ、
新潮社から刊行されました。


宝物。。。

私は畏れ多くて(今のところ)触れていません。









今回の販売品は、玄さんがこうした限定版の「版画集」に巡り合う前に、
収蔵作品から単品で市場に出されたものと出会い、コレクションした作品たちです。


いずれもうつくしい状態です。

手から手へ、大切にされながら、時代を超えていけますように。


次のトピックスにてご紹介いたします。

よき巡り合わせがありますように。










__________________________________________


2023.12.6(水)~18(月)
中村玄コレクション《 有元利夫 版画展 》
同時開催 / 有元利夫オマージュ『記念版画集』刊行作品展

Open    11:00~17:00 ※最終日は16時まで
Closed  12/8(金)、14(木)  【入場無料】


「版画集」と「たとう箱」

12/10に開催された『記念版画集』のトークイベントでは、
作品がシート状で収蔵された「版画集」についての話題も興味深いものでした。

額装して飾るもよしですが、日頃は大切に箱に納め、時折そっと取り出し掌の上で愛でる、
という特別なたのしみもあることが語られました。

今回の中村玄コレクション展では、有元利夫の版画作品とともに、
「版画集」の納められた「たとう箱」が3つ、展示されています。

※タトウ箱(畳箱)/額縁・作品を入れる箱。
段ボールや厚紙で作られており、展示品のように布張りや装飾がほどこされているものもあります。





『7つの音楽』

(1978年)






収蔵作品



「古楽の愉しみ」①②のトピックスでご紹介しています。
①⇒ ②⇒

12/17の音楽会では、こちらの楽譜も演奏される予定です。





『8人のアルルカン』

(1983年)





収蔵作品



「たとう箱」と8枚の作品を、このようにグリッド状(格子、方眼状)に展示することは、玄さんの強い意志による希望で、最もご苦労されたところでした。


コレクションからどの作品を、どのように展示するかということについては、随分早くから構想を練ってこられましたが、このアイデアは10月の展覧会「Progress」での坂井優斗さん(長岡造形大学3年)の写真作品展示に触発されたとのこと ⇒


今回のコレクション展では、作品をただ展示するだけでなく、オマージュを込めた『記念版画集』の制作を含めいくつもの挑戦が含まれていて、私は学ばせていただきながら、改めて玄さんのパワーに敬服し続けています。





『一千一秒物語』

(1983)





小説家・稲垣足穂(1900~1977)の詩に有元が絵をつけた
新潮社の企画による詩画集『一千一秒物語』

その中から1点、《MEMORY》が展示されています










全7点の収蔵作品は、2017年に開催されたコレクション展で公開されました。

その展示や版画集の詳細が綴られた図録は、喫茶室にて販売しています。






11月のたびのそら屋の企画展「有元利夫オマージュ展」では
『一千一秒物語』から《THE MOONMAN》をご出展いただきました。

出展作家たちとの、時を隔てた、図らずものコラボが感じられるなど、
至福の喫茶室でした ⇒






そして今回もうひとつ、展示はされていませんが、
玄さん所蔵の特別な「版画集」を見せていただきました。

次のトピックスに続きます。⇒







限定版 『雲の誕生』(新潮社)

(2002)






__________________________________________


2023.12.6(水)~18(月)
中村玄コレクション《 有元利夫 版画展 》
同時開催 / 有元利夫オマージュ『記念版画集』刊行作品展

Open    11:00~17:00 ※最終日は16時まで
Closed  12/8(金)、14(木)  【入場無料】