2023年1月13日金曜日

On Your Mark/財田翔悟

2023 NEW YEAR EXHIBITION 《 On Your Mark 》

1.16(mon)~29(sun)
open 11:00~17:00(last day 16:00)
closed 1/20、25

県内外4名の作家の絵画展。
ご紹介の3人目は、若手現代作家として注目を集める日本画家・財田翔悟さん。
4人の中では唯一、県内(長岡市)にお住まいです。




《近似値》

綿布、ピグメント、岩絵具、アクリル絵具
168×530mm2021



財田翔悟 / TAKARADA Shogo

HP https://konekonokeito.wixsite.com/t-shogo
Instagram @ takaradashogo

出展作:日本画
在廊日:1/21(午後)、22(終日)


私はここ数年、幸福をテーマに掲げ制作を行っています。

身近な人やモノと関わりを持ち、そこに生まれる感動や驚きを共有することは何物にも代えがたいと考え、その関係性や日常を描いてきました。今回の作品もその中の一部です。

日々、仕事に追われ、情報に流される、せわしない現代社会で生活する我々は誰かと共有する幸福な瞬間を見失いがちです。

そんな慌ただしい日々にふと、幸福な瞬間を顧みる機会として私の作品は存在してほしいと思っています。

是非、ご高覧ください。





《凛となる》

綿布、ピグメント、岩絵具、硫酸カルシウム、アクリル絵具、洋箔
530×455mm/2021



【略歴】

1986.5 神奈川県生まれ

2014.2  美術新人賞デビュー2014 グランプリ 受賞

2014.3  東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻日本画領域 修了

2014.11  Terrada Art Award 優秀賞(立島惠賞) 受賞

2017.8 第7回トリエンナーレ豊橋「星野眞吾賞展」星野眞吾賞(大賞) 受賞

2017.12 ファインアート・ユニバーシアード U-35展 優秀作品賞 受賞

2020.2 FACE 2020 損保ジャパン日本興亜美術賞 審査員特別賞 受賞

2020.6 公益財団法人吉野石膏美術振興財団「若手日本画家に対する展覧会助成」 採択

2021.4 第8回東山魁夷記念日経日本画大賞展 入選

個展、グループ展 多数

 





《真夜中の》

綿布、ピグメント、岩絵具、硫酸カルシウム、アクリル絵具
227×158mm/2021

 


財田さんは現在、長岡造形大学の教務補助職員として勤務しておられます。

所属が「美術」ではなく「建築」部門とのことで、日本画家としての技が学生たちに対して直接的に発揮される機会はなく、美術・工芸の学生たちも最近まで彼の存在を知らなかったというのは、なんと、もったいないことかと思わずにはいられません。

昨年12月に大学敷地内の「展示館」で開催された教務補助職員展は、大変貴重な機会だったと思います。





長岡造形大学・教務補助職員展の会場風景



初めて対面した天井までそびえる2点の大作は、
圧倒的なうつくしさと、あやしさ、技巧は謎めいて、空間は宇宙的で、
時を忘れて見入りました。


ですが、私にとってもっともインパクトを与えたことは、幽玄な物語のように感じられるそれらの作品が、作家にとっては確実な生の実感を元に描かれている(ファンタジーではない)ということであり、

私たちが生きる世界への希望や、日常のかけがえのない瞬間への賛美、幸福への願いは、ファンタジーではない(実存する)ということを、若き作家が確信を持って描いているということです。






(教務補助職員展、出展作)

《境界》

綿布、ピグメント、岩絵具、アクリル絵具



たびのそら屋の《On Your Mark》展では小品のみの出展ですが、財田さんが箱で抱えて搬入した時のコンパクトな印象と、作家本人によって展示されたのちに広がった無限とも感じられる光景のギャップは鳥肌ものの圧巻でした。


11月から12月にかけて都内で同時開催された財田さんの二つの個展(佐藤美術館、広田美術さん)には、残念ながら伺えませんでした。

同じく訪ねることの叶わなかった皆様、佐藤美術館内に財田さんが建築した「小屋」に展示されていた作品の一部を、今回ご覧いただけます。


長岡に財田さんが居て、この地で展示していただけた奇跡。
ぜひ多くの皆様にシェアしていただけたらと思います。