2020年6月30日火曜日

吉村さんのペンギン

「どうぶつアート」展にはどんな「どうぶつ」たちがやってくるか、楽しみにしていました
"個体数” で多かったのは猫と鳥、とりわけペンギン




吉村浩美さん
「  blizzard Ⅴ 」





野波 実さん
「 ペンギン注器 」

磁器で実用的かつ卓上でのかわいらしさ満点
ぱたぱたぱたと、あと2羽になりました



作家それぞれにモチーフへの愛着や思いがおありと思いますが、
28日に吉村浩美さんがご来訪くださった折、今回は何故ペンギンを?とお尋ねましました


ペンギンは吉村さんが長年作り続けているどうぶつで、
それというのも2011年の東日本大震災の後、制作が何も手につかなくなった時に、ご友人が勧めてくれた旭山動物園の冬の恒例「ペンギンの散歩」を見に出かけたところ、本当に小さな歩幅でヨチヨチと、結構な広い範囲(約500メートル)をぐるりと回ってちゃんと戻ってくる様子に、愛らしさとともに感銘を受けたとのこと


小さい歩みでも、たゆまず続けて前進する。。。


どうぶつたちの淡々とした営みに感じた思いが、
脱乾漆という仏像造像技法と相まって、
しずかな佇まいと、祈りの気配と、いきものの力強さ、愛らしさ
すべてを醸し出しているのでした


この度は新型コロナで多くの営みが立ち止まらざるを得ない状況になりましたが、
そんな中でもその小さな歩みを思い、作り続ける

そういう吉村さんの「ペンギン」たちでした





・・・という記事を書きかけていたら、
吉村さんに旭山動物園のペンギンをお勧めしたという、当のご友人が
鎌倉から遠路、来てくださいました!
しかもたくさんのペンギンがプリントされたTシャツを着て☆


画像を撮らせていただけばよかった
ペンギン密度急増のひととき


春からの日々のこと、この展覧会にお越しくださったお気持ち等々、
いろんなお話を伺う中で一番驚いたのは、この方のお住まいの最寄に、
ちょうど居合わせた長岡のお客様がかつて親しんだ場所が現存して在ったこと

そこ知ってる!すぐ近くだよ、行くことあるよ!と、
そんな共通の話題のできるひとが、長岡の地に他にいらっしゃるでしょうか?!


必然のめぐりあわせ "ミラクル” が判明するのは、
わずかな時間であっても、うちとけて語らうひとときがあればこそ


今回はお客様が2人、3人と連れ立ってお越しくださることが印象的です
4月、5月と、そういう機会を控えて過ごしてきての 6月

じっくりと作品を楽しみ、テラス席で語らって過ごしてくださるご様子も、
とてもうれしい会期です


7/1(水)は休廊日
展覧会は7/5(日)16時までです


オンライショップのご案内

◆オンラインショップでのご注文は終了いたしました



こちらは「どうぶつアート展」と「野坂衣織 展」のためのオンラインショップのご案内です。
遠方のお客様にも作品をお求めいただけるよう、期間限定で開設いたします。


◆ご利用期間 2020/6/30~7/4
※搬出の都合により展覧会の最終日より一日前が締め切りですのでご注意ください。


◆ご質問・ご要望等がございましたら、
メールもしくはお電話にてお問合せください。

                         


【お問い合わせ】 maison de たびのそら屋 

《 電話 》 0258(77)2981  ※開廊日の11:00~17:00
《 mail 》   md.tabinosoraya@gmail.com

 〒940-0056
 新潟県長岡市呉服町2丁目1-5

                          


【ご注文の流れ】

①メール(が無い場合は電話)にて以下の内容をお送りください。

1.購入希望作品のNo.とタイトル
2.お客様のお名前(ふりがな)・郵便番号・ご住所・電話番号
3.受け取り方法のご希望(配送もしくは店頭渡し)
4.お支払い方法のご希望(銀行振込もしくは代金引換え・店頭渡しは現金のみ可)
5.ご質問など


②ご質問の回答と併せて、在庫の有無と送料・お振込み先等についてご連絡させていただきます。
店頭渡しをご希望の場合は日時をご相談させていただきます。


※一両日中にご返信いたします。
ギャラリーからのGmailが届くよう、設定をお願いいたします。
ご注文の翌日夕方にもメールが届かない場合は、お手数ですがお知らせください。

※キャンセルされる場合も速やかにご連絡をお願いいたします。

※配送をご希望の場合、配達日時のご希望があれば承ります。
配達日についてはお応えできない場合もございます。
  

④指定の期日内に銀行振込もしくは代金引換でのお支払いをお願いいたします

⑤展覧会閉幕後、銀行振込の場合はご入金の確認ののち、1週間以内に発送させていただきます。


                          


【送料について】

ヤマト運輸より配送いたします。(海外発送はお受けいたしません。)
作品によりサイズが異なりますので料金はご注文ののちに個別ご案内いたします。

ご購入金額が税込み50,000円以上の場合は送料無料とさせていただきます。
複数のご注文で同梱できず箱が分かれる場合は金額の大きいひと箱の送料を無料とさせていただきます。

                          


【額装について】

画像でご覧いただいた状態での販売となります。
額装された作品は、額代を含む価格です。


                          

【返品について】

以下の場合を除き、基本的に作品の返品・交換はお受けいたしません。


①注文と異なる作品が届いた場合
→たびのそら屋にご連絡の上、ヤマト運輸の着払いでご返送ください。

②届いた作品が破損していた場合
→まずはヤマト運輸とたびのそら屋にご連絡ください。

                         


【個人情報について】

オンラインショップご利用に際してお客様からいただいた個人情報は、お買上作品の作家とギャラリーが共有させていただきます。

今回のご購入に関する実務の他、該当作家に関する展覧会のご案内に用いさせていただく場合がございます。ご了承ください。

                          


アートがこころに、暮らしに、届きますように。


maison de たびのそら屋


2020年6月29日月曜日

旅コーヒー・tonbi coffee さんと喫茶室

2020/6/24~7/5  
どうぶつアート展 & 野坂衣織 展「自然回帰線」
OPEN 11:00~17:00 ※7/1 休廊日
◆オンライン販売は6/30(火)よりご案内いたします。いましばしお待ちください。






喫茶室では、展覧会ごとに異なるお店から取り寄せたコーヒーを「旅コーヒー」
と称してご提供しています。

遠い国から旅して来たお豆を丁寧に焙煎するお店が全国各地にあり、
そんなお店を訪ねることは、旅のたのしみのひとつです。

旅の空の下に思いをはせながらいただく一杯。

旅先で出会った、また訪ねたいお店を中心に、展覧会のイメージや個人的な旅気分で
お店を選ばせていただくのですが、作家さんの好きなお店を教えていただいたりもします。

今回はご出展者の吉村浩美さんからご紹介いただいた
群馬県高崎市にある「 tonbi coffee 」さん。

HPを拝見すると、とても共感するメッセージが書かれています。
いつの日か、お訪ねしたいお店です。




取り寄せたお豆はいずれもクリアで、それぞれに味わいのあるいいお味。

メニューでは tonbi coffee さんのメインブレンドの中から
HOTに2種類とアイスコーヒーをご用意しています。
展覧会と併せてどうぞおたのしみください。



野坂衣織
「自然回帰線」


赤い壁の喫茶室では「どうぶつアート展」と同時に
野坂衣織ミニ個展を開催しています




喫茶室奥の棚には、蒔田圭さんのボールペン画の作品と
今回、都合によりご参加いただけなくなった
いかけやまかなさんの作品集『オジグルミ』(店主蔵書)を展示しています




いかけやまさんの「ぬいぐるみアート」を
楽しみにしてくださっていた方は多かったことと思います
私も、また拝見できる機会をたのしみにさせていただきたいと思います




野坂衣織さんの作品はまた改めてご紹介いたしますが
ぜひ、実物の質感とインパクトに出会っていただきたい作品たちです




閉じた世界ではありません

開かれ、奏でる時を、待っています





2020年6月27日土曜日

どうぶつアート展➈吉村浩美さん

◆ 吉村浩美 / YOSHIMURA Hiromi (乾漆彫刻)




東京学芸大学で彫刻を学ばれたのち、
東京藝術大学大学院で文化財保存学を修了された吉村さん

脱乾漆技法という古代仏像造像技法を用いた
レリーフと立体彫刻作品をご出展くださいました

この技法や制作への想いについてはHPに丁寧に書いておられますので、
ぜひこちらをご覧ください






吉村さんの言葉に、大陸のいにしえの工人たちから伝わる技法と、
素材にも沁みていたであろう信仰の念に思いを巡らせながら、
今の世で、ひとつの技法というだけでない思いで用いておられることに惹かれます

会場では、どうぶつたちの佇まいや、質感から放たれるやわらかな存在感を
堪能していただけたらと思います




命への賛歌でしょうか

日常の中のささやかな祈りの集積を感じる作品たち




レリーフ
(作品部分)




しずかに居ります



6月28(日)それぞれの時間で
吉村浩美さん、野坂衣織さん、高木秀俊さん、外山文彦さん、在廊されます
どうぞお出かけください



どうぶつアート展⑧蒔田 圭さん

◆ 蒔田 圭 / MAKITA  Kei   ( 絵画 )





左)たまねこ 右)たまいぬ


日常的に描いているボールペンによるドローイングをもとにして
油彩を描いているという蒔田さん

無意識に描いた抽象的な線を手掛かりに形をさぐり、
その形からまた形をさぐっていくとのこと




喫茶室に展示しているボールペン画
(2枚とも無題)

かなり細密です




かなり、
横でもぐもぐしているひとが気になります




展示室にはボールペンのワークから派生した油彩のどうぶつたち




ほぼ一筆描きのようにぐるぐると




線 で描かれた世界





左)のぞきたぬき   右)ふくろだぬき



すべりだぬき

ステン なのか ぽてん なのか、かわいい擬音が聞こえてきそうな
ラブリーなどうぶつたちもおりますが


なんとも目が離せないのはこちら




のぞきねこ
(作品部分)




くつろぎねこ
(作品部分)




すわりねこ
(作品部分)




今回は、①線を活かした作品
②ボールペンのドローイングをもとに油彩として描かれているもの、
③実際の動物をもとに油彩で線の表現で描いたもの(その逆)、
いろいろな表現に挑戦しました 

(館内にある作家ファイルより抜粋)


喫茶室のボールペン画と併せて、じっくりとご高覧ください




2020年6月26日金曜日

どうぶつアート展⑦野波 実さん

 野波 実 / NONAMI  Makoto  ( 陶 )

https://www.nonami-makoto.com/





「やきものを始めてもうすぐ30年」という野波さん
土ものと磁器、両方を作られるとのこと

様々などうぶつがやって来ました




磁器の「ペンギン注器」は実用としても卓上の景色としても
活躍間違いなしのフォルムです

羽根をパタパタ、喜んでます




使うひとのことをよーーく考えておられると感じるのが
陶の「動物掛花器」

木製の土台はスタンドにも壁掛けにもできます

花器としてお水を入れるメインの部分は
土台から取り外せるので、水替えも洗うのも安心です




使うひとにたのしみをくれる花器

兎さん、お花の髪飾り、どうかしら
(直接水は入れず、専用キャップに茎を活けたものを挿しています)


上の鹿さんには、かろうじて残していた野いばらの実のドライを
(かっこいいツノになりそうな枝を探すのが習慣になりそうですね)


馬と孔雀にも、素敵なたてがみと羽根を選んでいただけますように

陶の作品は黒とこげ茶、釉薬2種類です




陽だまりに居るだけでよし、の猫




どうぶつアート展⑥中島尚子さん

◆ 中島尚子 / NAKASHIMA  Naoko  ( 木口木版画・木炭画 )

http://www.naokonakashima.com/




「 n市風景之図 - 犬 」
(木炭画・2019)

新潟市にある新潟絵屋での個展の際、近所を散歩中に発見した犬。
3月末の暖かい日で、やっと来た春を満喫していた瞬間を見つけ、写真に収めた。

(作品画像・解説文 / 作家提供)



どうぶつシリーズではあっても、「〇〇越しの~」(柵越しの~、枝越しの~)シリーズ
ではない今展覧会ですが、
中島尚子さんの今回の作品は、スクエアな版木を活かした「窓越しの~こんにちは」デザイン




「 犬 - 茶太郎 」
(木口木版画・2018)

《売約済み》

知人宅の犬。知人宅に貰われてきた初日に失踪。
たまたま居合わせて一緒に捜索した。隣家の玄関先で無事発見された。



「 猫 - ミケ子 」
(木口木版画・2019)

中島家の屋根を散歩コースにしている猫。時々目が合う。





「 アズマヒキガエル 」
(木口木版画・2017) 

《売約済み》 

井の頭水生生物園在住



硬質な木を輪切りに切り出した断面を彫る木口(こぐち)木版は、輪切りのフォルムのたのしみがあり、
中島さんのHPにはそういった作品がたくさん掲載されていますが、
今回のスクエアなデザインも素敵です

額装には柏崎市高柳町の門出和紙が用いられています




どうぶつたちの缶バッジもあります


どうぶつアート展⑤さき さん

◆ さ き  (絵画)



「 片言の森 」
かたことのもり



2018年に当ギャラリーで開催された「エックス展Ⅸ」で拝見して以来、
このたびは作家名を「さき」と改めてご出展くださいました

エックス展の作品も空間の区切りが印象的でしたが、
前回にも増して不思議なタッチに惹かれます






高木秀俊さんのファブリックパネルと並べているからか
布のように思えたり、彫りもののようにも見えてきます




周辺部分の描き方は、まるで額装したときの「マット」のようで、

ピッタリサイズのフレームに、本来の「マット」無しで
入れてあげたらとても素敵なのではないかと想像します



◆さきさんは在廊予定ありません
あれこれ直接お聞きできないのがとても残念です





(左)高木さんの prison の柵越しの世界と、
(右)さきさんの木立越しの風景


私は「影」好きですが
世には「越し」好きさんも居るでしょうか


柵越しの~ 木立越しの~ アリ〼 


|||||||||||||


はっ☆

書きながら気づきました、越しの~ がもう一枚

ガラス越しの~




左側、中島尚子さんのご紹介に続きます



どうぶつアート展④高木秀俊さん

 高木秀俊 / TAKAKI  Hidetoshi  ( テキスタイルデザイン )






グラフィックデザイナーの高木さんは
展覧会ごとに異なる素材の新たな作風をみせてくださいます

今回はテキスタイル=ファブリック(布地・織物)デザインに挑まれました

メーカーで刷られた麻布を、ファブリックパネル作品に仕上げてあります





なんたってかわいい!!

「 tropical prison 」


柵の向こうは妙にハッピー


ということは。。。

やはり檻の内側に捕らわれているのは私たちでしょうか。。。





「 survival white 」 


「隠れる」が隠れテーマの2作品
こちらは、本当はもっと淡い薄水色の地にしたかったとのこと


かわいらしいどうぶつたちの雪原のかくれんぼ


に見えて実は
生き残りをかけた survival white


ラブリーだけど、とってもオトナな意匠だと思います




◆高木秀俊さん在廊予定 
 6/27・28・7/4・5  (時間未定)

画像では色彩が全く再現できておりません
実作品をぜひご高覧ください



どうぶつアート展③中村 信さん

◆ 中村 信 / NAKAMURA  Makoto ( 絵画・クラフト )







こちらも、タイトルを見る前に自由にご覧いただきたい作品です

中村さんの描く世界は、おぼろげな記憶の中を辿るような
なつかしくて、まぶしい感覚になります









寄木のオブジェは、明確に切り出された木片を寄せて、
なめらかなフォルムに磨き出されたどうぶつたち

ピシリと計算して組み立てることから始まる工芸と思われますが、
削り出し、磨き上げるにつれて、その木目や色合いは予期せぬ表情になっていくとのこと




やわらかに見える尾ひれは、
眺めているうちにもゆらめいて




不思議の国のうつくしき水面





◆中村さんの作品は店頭販売のみです
お近くでじっくりとご高覧ください