2023年4月15日土曜日

本田貴哉①影

作品を初めて拝見したのは2021年、知足美術館(新潟市)での個展でした。

本田貴哉さんの作家メッセージと略歴はこちら⇒

※画像は色彩を再現できていません。
ぜひ会場で実作品をご覧ください。




《ある日》

和紙に岩絵の具、胡粉、墨、黒箔
150号(1700×2150㎜)/2022年






在るものが無くて、無いものの存在を感じるような、

相反するものがひと処にある不思議さは、作品だけでなく作家本人にも感じたことでした。


お若いのに何処でそのノスタルジーを憶えたのかと思うような色調と、
伝統技法でありながら、そこここにデザインされたかっこ良さ。






気になる風景があるとスケッチするという本田さん。
その段階ではかなり正確に描き写すとのことですが、作品では好きなもの(例えば影や標識の看板など)”描きたいもの” をこだわって存分に描き、不要な要素は極力削っていくとのこと。

この度の作品ではそのことがより一層、顕著になっていて、不思議な魅力が増したように感じました。







《てらす》

和紙に岩絵の具、胡粉、墨、黒箔
6P(2022)




作家が選んだものだけがある世界に、私たちは私たちの記憶を辿りながら、
彷徨うのだと思います。


ひとも虫も鳥もいない。


けれど私は確かに、木立に鳥の気配を感じ、蝉の鳴き声に包まれ、

その道の向こうに潮騒を聞く






《なつのひ》 部分

和紙に岩絵の具、胡粉、墨、黒箔/8S(2022)

sold out




穏やかな人柄の中に本能的な感性の反応やパッションが秘められていることは、これだけの大作を描かれる方なので当然のことではありますが、お話を伺って改めてわかったこと。

落ち着いた佇まいの本田さんに、ハッ!まだ20代だった!と、ある時、衝撃を受けました。

今は改めて若者らしさと力強さを感じながら、
これから向かわれるところをたのしみにさせていただく気持ちです。





《風の通り道》

画用紙に鉛筆、透明水彩/0号(2023)

sold out






《午後》

和紙に岩絵の具、胡粉、墨、黒箔
6F(2022)



見通せない道の行く先に、こころ躍らせながら描かれたであろう作品に
作家の心模様を重ねて思う会期末。






最終日は、安立貴美枝さん11:00~、本田さん13:00~ 在廊で
16:00にて閉幕です。


2023 SPRING EXHIBITION -BLUE

4/3(mon)~16(sun) 
Open    11:00~17:00 ※Last day 16:00まで
Closde 4/7(fri)・12(wed)

◆安立貴美枝/絵画など(新潟県)
◆蓮池もも/絵画(十日町市)  
◆本田貴哉/日本画(長岡市)
◆ムーニーともみ/染付のうつわと絵(茨城県)