2023年10月3日火曜日

出展者紹介④坂井優斗さん

2023 October Exhibition 《Progress》10/6 fri.-15 sun

Tabinosoraya Presents / Feat.長岡造形大学学生・大学院生8名の展覧会



▷氏名(敬称略)
 出展作品/所属 ( )は主に学んでいること
 在廊日(記載なしは未定)/略歴/メッセージ

▷以下の画像は、今回の出展作の「基」となった坂井優斗さんの写真作品です。




SAKAI Yuto


坂井優斗

写真/視覚デザイン学科(写真)3年

Instagram @yuto__sakai
WEB : https://yutosakai.com/


【在廊日】10/8・15 





【略歴】

2002年新潟県生まれ。同年代の作家たちと共にゲリラ展「flash exhibition」を開催するなど、既存の形式にとらわれない自由な着想で作品を発表している。

自費出版による作品集の流通を積極的に行い、刻一刻と移り変わる雪景色から想起される多層的な記憶のレイヤーを定着させた『Yabun/Kōryō』(自費出版、2022年)、撮影という行為に伴う刹那的な運命との対峙に苦しみながらも写真家宣言として完成させたデビュー作の『Hello, Goodbye』(自費出版、2021年)など10冊の出版物がある。






▶主な出版物
2021  Hello, Goodbye (私家版)
2022  Yabun/Kōryō (私家版)
2023  Fleeting Light (私家版)

▶主なグループ展
2021  第14回4大学合同写真展まる展 (オンライン)
2022  長岡芸術工事中 / 近藤ビル (新潟)
2023  小諸アーティスト・イン・レジデンス成果展『KoMoro-Mori-More』/ サロン・ド・ヴェール, 奈良邸 (小諸)

▶主な受賞歴
2023  IMA next "NIGHT" ショートリスト (野村佐紀子 選)





【メッセージ】

私は視覚デザイン学科松本ゼミで「写真を用いたアート表現」を研究しております。

今回は、写真が現代美術の領域で地位を確立する上で欠かせない存在であるベッヒャー夫妻から着想を得て制作を行いました。

私たちが体験した劇的な時代を描きながら、写真や彫刻といった境界に対して静かに揺さぶりをかけるような作品になっています。

是非お気軽にご感想をいただけると嬉しいです。








これらの画像は、坂井さんが今年度前期の授業における「アーティストの最新作」という課題で制作した写真作品で、5枚目は学内に展示した時の様子とのこと。


《Progress》には、この提出作品への講評を受け、ベッヒャー夫妻の心髄を理解し直し、
全て撮り直してブラッシュアップしたものを、他のシリーズと共にご出展。


日々の経験を咀嚼し、即座に進化していく様は、
坂井さんだけでなく、どの出展者との語らいからも感じられ、
このところの季節の移ろいの速さと重ねて、目を見張る思いの開幕前。

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坂井さんは、先の《COREs》の出展者・Asako Ogawaさんと偶然にも同郷とのこと。
あさこさんと同様に写真はフィルムで撮り、モノクロ写真の一部は自身で手焼きされます。

ふたりとも大切にしているのは、その技法や材質的なこだわりに加えての、
写真を撮ることの意味。


私は「写真」について(も)、理解し語るための十分な言葉を持っておらず、
坂井さんの話にも、わからないことがたくさんあるのですが、

これまで、わからないなりに写真をたのしめてきたことと、
わからないから距離を感じていたこととの間が、
語らいを通して、パズルの空白が1ピースずつ埋まっていくような、
見えるものが少しずつ増えていくような、うれしい感覚を過ごしています。








坂井さんとの出会いは今年の5月。

このブログでもご報告した新潟日報さんのフリーペーパー「n-assh」にご掲載いただいた折、表紙はたびのそら屋の一角の風景だったのですが、その写真を撮ってくださったのが坂井優斗さんでした。

ブログ記事⇒


最新号の「n-assh」(9/28号 vol.291)の表紙も坂井さんが担当されたとのこと。
期間限定でこちらからご覧いただけます⇒


鯨波のお気に入りの場所から撮ったという水平線の写真。



高校時代、地元・見附駅から電車に乗って、海に一番近い駅・青海川駅まで、
ちいさな旅をした日のことを思い出しました。

どこまでも続く広い海を感じたかった気持ち。


幼いころに理屈なくすきだったものは
年を重ねてもほとんど変わりません。


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◆個人的参考:ベッヒャー夫妻についての手掛かりとしての覚え書き

Art Photo Site⇒
Art&Article⇒
nostos books⇒
artoday-chiaki (note) ⇒


言葉を得ることで、
私は子どものころからタイポロジー(類型学・形式論)なる目線がすきだったと、

明確に自覚できたり、

ベッヒャー夫妻の作品は、単なる遺物のフォトコレクションではないということなど、

知るは尽きず、悩ましく、たのし。