2021年10月5日火曜日

【御礼】このすく展

 9/24~10/3に開催いたしました「1周年記念・このすく展」は、
大変にぎわいながら無事に閉幕いたしました。






今展は「工房このすく」の運営メンバーと、工房を利用してくださった作家・クリエイターの方々、11名とひと組、総勢13名の出展による「工房このすくでできること」を伝える展覧会でした。





ギャラリーでは版画作品の多様さに驚き、たのしんでいただけたことと思いますし、
会期前半に開催された紙版画とシルクスクリーンを体験するワークショップでは、工房はベテラン・初心者問わず、自分でつくってみる、の場でもあることを知っていただけたのではないかと思います。





メンバーの小松佳代子さんが作成し、配布していたリーフレット↓や、研究に関する書籍をお読みくださった方には、このすくの「文化拠点の場」としての活動についても、具体的なイメージを持っていただけたのではないでしょうか。


リーフレットはこの後も、たびのそら屋でお渡しできますので、今回いらっしゃれなかった方や手にしそびれた方は、いつでもお声掛けください。




会期中も出展者たちはそれぞれの制作や思考を止めることなく、「月曜版画部」も休むことなく閉幕翌日の月曜には早速、新たな方をお迎えして開催されていました。


そういうことを近くで感じられることは、一般的には稀なことだと思います。


私は [maison] と冠したこの「建物」が、作品を観るだけでなく創り出す場としても活用され、いろんなものが育まれる場になっていることが、とてもうれしく、ひとりでできることではないという意味で、大変ありがたいことだと思っています。

その感謝を込めての開設1周年祝いの展覧会でした。


(展示の実働は全て工房メンバーと出展者によるもので、おかげで大変素晴らしい展示になりました☆)



場を持ち、継続させるということは、とても大変なことです。

なりわいの場であればともかく、第3の場として共同で構えるというのは、それぞれの暮らしやスタンスがあり、また違った大変さがあることと思います。


工房立ち上げのご尽力とこの1年の活動の蓄積に、改めて敬意を表します。
これからもじんわりと、いい場が育まれていきますように。




足をお運びくださり、ゆっくりとたのしんでくださいました皆様、どうもありがとうございました。
工房このすく(と、たびのそら屋)のこれからの活動に、引き続き親しんでいただけますように。



ご紹介くださいました新聞各社様、ならびにDMの設置にご協力くださいました事業所の皆様、SNS等で発信にご協力くださいました皆様、いつも新たな出会いをいただいています。
どうもありがとうございます。


出展者の皆様、搬入出にご協力くださいました皆様に、改めて感謝御礼申し上げます。
素晴らしい展覧会をどうもありがとうございました。






さあ、次の展覧会はすぐです!!





2021/10/11~24

「ワタナベメイ展 -Object-」







「このすく展」では初制作の塩ビ版の版画をご出展くださったワタナベメイさんの、
絵画をメインとする個展です。





メイさんのHPはこちら → 

どうぞおたのしみに。



2021年10月2日土曜日

追記・仲森さんと写真製版

東京におられる仲森仁さんに、作家紹介の記事を書かせていただいた旨をお伝えしたところ、往復書簡のようなうれしいご返信をいただきました。

メールの一部を、ご了解を得て追記として記載させていただきます。

(画像は仲森さんのオープンアトリエの際に撮らせていただいたものです。)





「写真製版」と「写真」の違いについて、

「物質」性の違いがあるものの、ストレート写真との大差がないような仕上がりのポリマー(樹脂板)による写真製版でしたが、

振り返ってみて、写真で言うフィルム(ネガ)をもう一度、版に置き換えて、作り起こす行程のなかで、時間軸のようなもの、リアリティが失われるような感覚があり、それが、なぜなのか、今はそのことについて考えています。

上手く言葉で、まとめられませんが、やっぱり普通の写真とは違う存在感になる表現に、魅了されているのだと思います。







そうそう、仲森さんは、日頃は「銅板」に写真製版をしておられて、「このすく」の制作環境に合わせて変更してくださった「樹脂板」より、銅板の作品の方が凹凸が感じられて「版画」として見えやすいとのことでした。


でも、いずれにしても、
リアリティを発揮したい「写真」があるとしたら、
リアリティを失うような過程を含むのが写真製版で

仲森さんは、その言葉にしがたい過程を含む技法に「魅了されている」と、、、


私は、そここそが興味深いです。

制作にかかる「時間」に意味や嗜好があることについて、他の作家の方々からお聞きした話を思い起こします。





私の初歩的な問いかけに、仲森さんも改めて自問自答してくださったとのこと。

長岡滞在からひと月が経ち、あの1ヵ月は「とても充実した濃密な時間だった」と思い返していますと書き添えてくださったことも、とてもうれしいことでした。


こうして時間が経ったのちにも続くこと、
じんわりとわかることがあることの、うれしさ。


レジデンスの後に「このすく展」で、よかったです。


***********


会期はいよいよ土日を残すのみとなりました。
出展者の皆様が交互に在廊してくださいます。
どうぞお出かけください。


1周年記念「このすく展」

2021/9/24(金)~10/3(日)※9/29(水)休廊日

OPEN  11~17 ※最終日は16時まで

【工房このすく】

Twitter →  https://twitter.com/nagaokaprints
Instagram→ https://www.instagram.com/kobokonosk/





2021年10月1日金曜日

作家紹介⑧アーティスト・イン・レジデンスの仲森さん

 
【 仲森 仁 / NAKAMORI Hitoshi 】
 

2002 年 武蔵野美術大学 造形学部油絵学科 版画コース卒業
2004 年 武蔵野美術大学 大学院造形研究科 美術専攻版画コース修了
2010 年 武蔵野美術大学 版画研究室 助手 契約期間満了
2019 年 武蔵野美術大学 版画研究室 特別講師





「Komorebi」


2001年「全国大学版画展」 町田市立国際版画美術館 東京(買上賞受賞)

2004年「崇高なる現在-世界の版表現と教育の現場よりー」武蔵野美術大学 東京
2005   Gallery覚 東京(個展)
2007年「Centrifugal: Ideas from different cultures in print」 FAB Gallery (エドモントン、カナダ)
2008  Edmonton Print International 2008」 Capital Arts Building(エドモントン、カナダ)
2009  表参道画廊  東京(個展)
2011  「第11回浜松市美術館版画大賞展」浜松市美術館 静岡(奨励賞) 
2013  養清堂画廊  東京(個展、同 ’15171922予定)
2015年 「第60CWAJ現代版画展」
2016年 アートスタジオ五日市レジデンス
2020年 「Kanreki 2020(イスラエル ハイファ ティコティン美術館)
2021年 工房このすくレジデンス

 
パブリックコレクション:
町田市立国際版画美術館(東京)アルバータ大学(カナダ) ティコティン美術館(イスラエル)






「Fragment of nagaoka’s memory #2」


今夏、「工房子このすく レジデンス」に招聘して頂き、8月の約一ヶ月間に制作した作品の一部を展示させて頂いております。普段は銅版を使ったフォットエッチングと呼ばれる写真製版を主に制作しておりますが、工房の設備や環境を配慮した制作を検討し、樹脂板を使ったフォトポリマーと呼ばれる写真製版での作品制作を試みました。モチーフとなるものは、長岡に滞在したなかで、散策、取材したものになります。何気ない風景、執着されることのない曖昧なもの、隙間にあるような存在を版表現によって再構築されたイメージで、日常で見落としているものを再発見する感覚を受け取って頂ければ幸いです。


https://www.facebook.com/inakamori.1104/





「Fragment of nagaoka’s memory #3」


先にご紹介したこのすくメンバーの小松佳代子先生の研究の一環でもある「アーティスト・イン・レジデンス」については、以前、ご紹介させていただきました⇒


大変暑い夏の滞在になり、仲森さんにとっては制作以外のご苦労もあったことと思いますが、その中でも長岡の町を散策し、暮らしている私たちが知らない景色を見つけ、写真製版の版画作品を制作してくださいました。







「Fragment of nagaoka’s memory #1」



今回展示されているのは、額装されていない、工房で刷ったままの作品です。

見た感じ「写真」のようでもあります。


「写真製版」と「写真」がどう違うのかということについては、工房を訪ねてくださったお客様たちとの間でよく話題になっていました。私は明確に掴みきれていなかったのですが、版画ならではの「物質感」というのがキーワードのようでした。


今回、様々な技法の版画作品と共に拝見しながら、思い返します。
長岡滞在の後半に「小国和紙生産組合」を訪れた仲森さんが、もっと早く訪ねることができていたら小国和紙を用いて刷ってみたかった、と残念そうにおっしゃっていたこと。


今回の出展作の中には小国和紙や雁皮紙(透けるほどの薄さの和紙)に刷られた作品もあり、版の違い、技法の違い、インクのちがい、紙の違い等々によって、版画というのは本当に様々な表現ができることを感じさせていただいているのですが、仲森さんがおっしゃっていたのは、こういうことに通ずることだったのでしょうか。


私は仲森さんが撮る「写真」自体がとても素敵だと思っていますが、写真製版は「写真」とは違う表現の奥行(選択の幅)を持ち、「写真」とはまた異なる制作(過程)の ”たのしみ” があるではないかと思い至っています。


写真製版と写真の違いは、仕上がるまでの ”たのしみ方” (苦心も含めて)が違う。

仲森さん、この解はいかがでしょうか。。。


レジデンスでのご来訪および、今展のご出展、ありがとうございます。





「Fragment of nagaoka’s memory #4」



ひと月という限られた滞在期間の中で、地域を把握し、作品モチーフを探し、画材を見つけて制作するというのは、とても大変なことだと思います。ただ、工房このすくで小松先生が目指す「レジデンス」は、完成度の高い作品を成果物として残してもらうことではなく、日々の過程や、制作途中の作家の思考が、研究の対象に据えられています。


今年度はあと二人の作家をお迎えする予定で、10月中旬からまた1カ月間、二人目のアーティスト・イン・レジデンスが始まる予定です。このすくからの発信がありましたら、たびのそら屋でもご紹介させていただきたいと思います。

地域と作家とが影響を及ぼし合うことも、レジデンスに望むことです。
レジデンス期間中のオープンアトリエの際には、ぜひ気軽に足をお運びいただき、制作の現場をご覧ください。


1周年記念「このすく展」

2021/9/24(金)~10/3(日)※9/29(水)休廊日

OPEN  11~17 ※最終日は16時まで

【工房このすく】

Twitter →  https://twitter.com/nagaokaprints
Instagram→ https://www.instagram.com/kobokonosk/




2021年9月30日木曜日

文化拠点の場としてのこのすく/小松佳代子さん

今回、書籍を多数展示しているコーナーがあります。
工房このすくは制作の場であるだけでなく、美術を軸にした文化的活動の場でもあり、その活動を主に繰り広げておられるのが小松佳代子さんです。書籍は従来からの研究に関するもので、リーフレットはこのすくでの活動報告です。

メンバーでは唯一、「作家」ではなく「(作家に伴走する)研究者」というスタンスにある方。
そういった顔ぶれの多様さが、この工房の魅力的なところだと思います。



【 小松佳代子 / KOMATSU Kayoko 】(このすくメンバー)

東京大学、流通経済大学、東京藝術大学を経て、2018年に長岡造形大学に着任。

現在造形研究科教授、博士(教育学)

専門は教育学、美術教育 

Arts-Based Research(芸術に基づく研究)の観点から理論研究と制作者との共同研究を行っている。


◆主な著書:小松佳代子編著『周辺教科の逆襲』(叢文社2012)小松佳代子編著『美術教育の可能性―作品制作と芸術的省察』(勁草書房2018)小松佳代子編『判断力養成としての美術教育の歴史的・哲学的・実践的研究』(科研費研究成果報告書2021


◆主な展示:

ABR on ABR
展(長岡造形大学2019ART=Research:探究はどこにあるのか(小山市車屋美術館2020

Mapping A/r/tography: Exhibition Catalogue
InSEA 2019 World Congress,University of British Columbia, 2019

このあたりのこのすく展(工房このすく2020

 

今回は、工房このすく文化事業と、私自身の研究成果、関連書籍を出展します。工房このすくは、美術制作者と理論研究者とが協同してつくることで、ものつくりの場であるだけでなく、つくりながら考え、議論する場としても開いていきたいと考えています。



美術教育の研究者である長岡造形大学教授の小松先生。
一部著書は喫茶室で販売しています。試読はギャラリーに展示してあるものをどうぞ。





「文化拠点の場」と聞いてもイメージがつきにくい方もおられるかもしれません。

小松先生の研究、「ABR」(芸術に基づく研究)がどのように進められて、どのような形になるのか、「工房このすく」とどうリンクするのか、ということについて、このたび作成されたこちらのリーフレットをぜひお読みいただけたらと思います。




小松先生が工房でやりたかったこと、この1年、おこなってきたこと、地域に構えた場に期待することなど、展示書籍との関係も含め、大変わかりやすい言葉で書かれています。




手前に並んだリーフレットは、これまでに開催された読書会の報告です。
こちらもどうぞお持ちください。


コロナ禍では人が集まることをしにくいため、読書会も講演会も、ZOOM機能を活用してオンラインをベースに開催されています。現地に行かなくても参加できるということは、遠方の方も同じ距離感で参加できる良さもあります。
でも、このすくがあるので、いつでも会うことも、集まることもできます。

文化的活動の開催は不定期のため、関心のある方は次回のご案内が届くよう、このすくにアクセスしてみてください。




展示書籍の中で異色で気になるのは小松先生の知人である詩人・まき こうじさんの詩集。

『遅蒔きながら』(あいり出版/2021) 


暮らしや、社会の中で、見過ごしてしまいそうな、
あるいは見過ごそうとしてしまいそうなことの一端を綴ることばは

じんわりとこころの琴線に触れるような
あるいはぐぐっと、立ち止まることをせまられるような

思い描いた景色の残像は、
器に溶け残った砂糖のように、ざらりとした余韻を残します。


どういうお方?と調べてみたら、詩集の帯を書かれた浜田真理子さん(ミュージシャン)の紹介文がありました。⇒

表紙の篠原猛史さんの作品も気になります。⇒ 美術手帖オンラインマガジンの記事 


詩集には小松先生が東京から長岡に転居する際に、まきこうじさんが書いてくださったという詩も収められていて、その詩は先の小松先生のリーフレット最終頁にも掲載されています。

※詩集は喫茶室で販売しています。試読はギャリーの展示品をご覧ください。





どの書籍もですが、こちらも見逃していただきたくない1冊。
先日完成したばかりという
『美術・工芸の制作-教育-実践研究』長岡造形大学 美術・工芸学科編

長岡造形大学の先生方の作品や制作考察、大学院生の論文などが掲載されています。

長岡造形大学でこういった冊子が作られるのは初めてとのこと。

販売はされておらず、のちにオンラインで読めるようになるかもしれないけれど未定とのこと。
いずれの書籍も、手に取って拝読する貴重な機会をいただいています。







工房では小松先生の研究の一環で、読書会や文化講演会がいくつか開催されてきました。
私には難し過ぎると思われるテーマが多く、参加したのはわずか数回ですが、工房ができたことで「言葉」による表現との接点をいただいていることが、とてもうれしいです。


読書会や文化講演会は、メンバーと面識のある方からじんわりと参加の輪が広がって行っているところかと思います。閉ざされた場ではありませんので、関心が芽生えた時にはそこに在ると、知っていていただけたらと思います。


9/30(木)・10/1 午前 は小松佳代子さん在廊です。

1周年記念「このすく展」

2021/9/24(金)~10/3(日)※9/29(水)休廊日

OPEN  11~17 ※最終日は16時まで

【工房このすく】

Twitter →  https://twitter.com/nagaokaprints
Instagram→ https://www.instagram.com/kobokonosk/


**********

作家紹介はラスト、もうお一方!

小松先生の研究の一環であるアーティストインレジデンスで滞在制作をしてくださった仲森仁さんに続きます。


作家紹介⑦ワタナベメイさん


【 ワタナベメイ / WATANABE Mei 】(美術作家)

個展2014年「ワタナベメイ展」(羊画廊・新潟)[’15, ’16, ’17, ’18,’19,’20]

グループ展2018年「VOCA新しい平面の作家たち」(上野の森美術館・東京)

アートフェア2014年「Korea International Art Fair」(COEX・ソウル・韓国)[’16, ’17,’18,’19]など。

Web   https://maymaybe.jimdofree.com

Instagram @tanabei  (https://www.instagram.com/tanabei/


塩ビ版ドライポイントで制作した作品を展示しています。






「いびつなひふ」 「かたいひふ」


美術作家として国内外で活躍しておられるワタナベメイさん。
工房このすくをきっかけに、初めて「塩ビ版」のドライポイントを手がけられました。

先にご紹介した「Kanicco Ceramics」さんや、しんぞうさんもですが、工房このすくは、版画以外の制作をしてきた作家が、初めて本格的な版画を体験し、新たな制作の手法を見出す場にもなっています。


メイさんの作品や活動の詳細は公式HPをご覧いただきたいのですが、日頃制作しておられる絵画は、どうやって描かれているのかと見入ってしまうような独特な質感をしています。


ドライポイントの制作は、掘るように、掻き削るようにして描画するところがご自身の絵画制作と似通っていて、違和感なく馴染めるものであったとのこと。




「川原」


「ドライポイント」は、版をニードルで直接刻んだ描画のみで表現される版画の技法です。刻まれた線のめくれたところにもインクが含まれるため、刷った線は滲んだ感じになるのが特徴とのことですが、初めての制作にしてこんなにきれいな塩ビ版ドライポイントは見たことがないと、工房メンバーであり銅版画を専門とする岡谷敦魚さんはしきりに褒めておられました。


絶妙な滲みと繊細さの相まったモノトーンの版画作品は、目が離せない憂い度、増し増し。

立体、絵画、最近では3Dアートまで、表現手法の探求がとどまらないメイさんですが、
”版画”もまた彼女の世界を進化(深化)させる一役を担っていくのでしょうか。


もっとメイさんの作品を観たい!と思ってくださった皆様、 私もなのです。

「このすく展」の後、10/11より、ワタナベメイさんの個展を開催します。

引き続き、どうぞお楽しみに。






2021/10/11~24 

ワタナベメイ展

「Object」

OPEN 11~17
10/14・20休廊日



1周年記念「このすく展」

2021/9/24(金)~10/3(日)※9/29(水)休廊日

OPEN  11~17 ※最終日は16時まで

【工房このすく】

Twitter →  https://twitter.com/nagaokaprints
Instagram→ https://www.instagram.com/kobokonosk/



2021年9月29日水曜日

作家紹介⑥しんぞう さん

 このすく展/作家紹介⑥しんぞう さん


【 しんぞう / SINZOW 】

1974年 横浜市生まれ。新潟市在住。 武蔵野美術大学油絵科卒。

アクリル絵の具、墨を使用した絵画制作を軸に、版画や陶芸など活動の幅を広げている。

「第29回損保ジャパン美術財団・選抜奨励展」
「第44回神奈川美術展」入選
「芸術道場
GPGEISAI)」銀賞

新潟、関西、韓国を中心に毎年個展を開催している。

 

 



日常生活からモチーフを探り、制作をしています。

塩ビ版を使用した版画は、即興性を表現するのに適した素材で、普段の作品スタイルに近いと感じています。

今回、インクの濃淡の調子で一枚一枚違う風合いを出すモノタイプという手法に挑戦しました。

紙は新潟の小国和紙を使用していますが、粗い和紙の風合いが作品に新たな表情を生み出して、その偶然性にも面白みを感じています。





「Warming」



たびのそら屋では今春の展覧会「hope」展で、しんぞうさんのアクリル画と版画をご覧いただきました。

その時のご紹介はこちら⇒ 








その土地ならではのものに興味があるという しんぞう さんは、新潟県内各地の産物に広く関心をもっておられて、版画には小国和紙を選ばれました。


原板が塩ビ版ゆえに滲む線と粗めの和紙の質感が相まって、ほわほわと立ち上る熱気やかげろうが見えるようにも感じられます。


でも、なかなかに厳粛な面持ちのふたり。

中央の存在は焚火のようなものなのか、それともその存在に熱を与えんと、手を差し伸べているのか、、、


いつも様々な見方を問いかけてくるしんぞうさんの作品です。






「ほこら」





「ミューズ」




喫茶室には版画1枚と、工房このすくでシルクスクリーン印刷をしたTシャツと布バッグも販売しています。

(ヨガモチーフのアイテム。在庫は画像の展示品のみで、TシャツはメンズMのみとなりました。)




来年は、 しんぞう さんの個展を予定しています。
長岡では初開催となります。たっぷりの作品を、どうぞおたのしみに。


*********


【お知らせ】⇒ アップしたのちに訂正し、その後の数行を削除しました。


「このすく展」は9/29(水)の休廊日を挟んで会期終盤に向かいます。
連日、メンバーの誰かが作品解説や工房案内のために在廊してくださっていましたが、
10/1(金)は、都合により11~12時半のみのオープンアトリエとなります。

⇒1
0/1もメンバーが在廊できるよう調整ができたとのこと。
会期中はフルに工房もご覧いただける予定です。



1周年記念「このすく展」

2021/9/24(金)~10/3(日)※9/29(水)休廊日

OPEN  11~17 ※最終日は16時まで

【工房このすく】

Twitter →  https://twitter.com/nagaokaprints
Instagram→ https://www.instagram.com/kobokonosk/



2021年9月28日火曜日

作家紹介⑤Kanicco Ceramics

 このすく展/作家紹介⑤Kanicco Ceramics

【 Kanicco Ceramics / カニッコセラミクス 】

Kanicco Ceramics2017年にできた、陶などで制作を楽しむスタジオです。
カニッコセラミクスと読みます。
Kaniはフィンランド語でうさぎという意味だそうです。
愛するうさぎから名付けました。



これまでの活動   

2019 三条クラフトフェア(新潟)

2019 兎角!この世はうさぎ展/antique studio MINORU(東京)

20192020 Kanicco Ceramics/gallery827・楓画廊(新潟)  など

 

さまざまなことを試しているところです。シルクスクリーンは苦手なのですが、このすくでサポートしていただいたのでなんとか刷ることができました。

◆ Instagram @kaniccoceramics https://www.instagram.com/kaniccoceramics/



今展の窓辺に飾られているものはなんだろう?、とお思いの方も多いことと思います。
外の光を通してうつくしい空色は、シルクスクリーンの原板です。


26(日)に工房で開催されたワークショップでは、このような版の文字をTシャツや布バッグにプリントするシルクスクリーン体験が行われました。

Kanicco Ceramicsさんは、この技法を作陶に用いることを模索しておられます。

展示されているのは、シルクスクリーンを用いて作成した陶器用の転写シール(黄色いもの)と、その際に用いる陶芸用のインクや溶剤(調合して作ります)、シールを用いてプリントした陶のオブジェ(左)、シルクスクリーンを直接刷った陶板(下↓)。



陶器にこういった技法を用いることはあまり聞いたことがないそうで、
その工程はいろんな点で慎重を要することが(非効率で簡単でないことが)実験してみてわかったとのこと。

難しいけれど、簡単には終わりません。
Kanicco Ceramics さん
のトライは続きます。






「陶のスケートボード」



オープン前後、照明をつけない時間帯のギャラリーでも光を放つ、大好きなブルー。


1周年記念「このすく展」

2021/9/24(金)~10/3(日)※9/29(水)休廊日

OPEN  11~17 ※最終日は16時まで

【工房このすく】

Twitter →  https://twitter.com/nagaokaprints
Instagram→ https://www.instagram.com/kobokonosk/




2021年9月27日月曜日

作家紹介④月曜版画部/長島裕子さん・廣川澄子さん

このすく展/作家紹介④長島裕子さん・廣川澄子さん

【 長島裕子 / NAGASHIMA Yuko 】

2009年から、けしごむはんこの作品でグループ展、作品展に出品

現在は工房このすくの月曜日版画部で銅板画を制作

時間を重ねて消えたり現れたりする難しさや面白さを色々と体感しています。
これからも楽しく学びながら活動したいと思います。

 
Instagram @andama10   (https://www.instagram.com/andama10/)







表立った制作・発表活動はしばらくお休みしておられた長島裕子さん。
久しぶりの作品展示に、旧知の方からは「眠れる獅子、ついに目覚める!」と感嘆されていましたが、私も同感で、裕子さんの作品が再びこの空間に展示される日を待ち望んでいました。





「水中花(321)」

sold out





「朝の声(426)」


どなたの出展作にも様々な伏線があり、パッと見ではわからない謎めいたものを感じるのですが、裕子さんの作品にもいろいろ含まれているようで、間近で見入ります。

タイトルに添えられた数字は版を描き始めた日付で、版画のどこかに数字が読み取れます。
基本的には「月日」の数字。「水中花(321)」だけは令和3年の「3」と2月1日の「21」で「321」。



それとは別に、版画作品によく見かける「 / 」はエディションナンバーと言って、分母は同じ版で何枚刷るか、分子はこの作品が何枚目に刷られたものかを示しています。

「1/1」と書かれていたら、同じ版からは1枚しか刷らない(販売しない)ということ。

版画なのにオンリーワンなのは、展示作と同じように刷れない(色や濃淡の再現等)という事情がある場合もあるようです。版をつくるのも大変なことですが、安定して刷るのも技術を要すること。


他にAP(アーティスト・プルーフ)と表記された、作家が保有している版も存在し、APが販売されることもあります。いずれも作家本人が世に送り出す作品に責任をもって判断して決めています。






「プラスチック(531)」

sold out


裕子さんは、ここが「ギャラリーmu-an」だった頃はオーナーの迪子さんを慕って通い、迪子さんに代わってカウンターの中におられたこともあると聞きます。
”獅子”というなれば、ちっちゃい”小獅子” のような、かわいらしい外見から秘めたるものが溢れ出ている、存在自体がアートのような方。


関わってきた場所や環境、ご自身の日常も変化する中、胸の内や手元では、ずっとクリエイティブなことを続けて来られた印象です。これからまたこの場所で作品を拝見させていただけることを願っています。






「レター(726)」

喫茶室の奥の棚に展示しています



裕子さんのInstagramはいつもとても楽しみです。
今展の作品と併せてどうぞご覧ください。

nstagram @andama10   (https://www.instagram.com/andama10/)



【 廣川澄子 / HIROKAWA Sumiko 】


女子美術大学西洋画科卒業

上越教育大学大学院教科領域コース終了

県内中学校で35年間美術教諭

現在非常勤講師

グループ展や個展で油絵で発表。

 

版画は深みにはまりたかった題材です。
絵画と版画は違いますが、描くように版画しています。

 



中学校の美術教諭を務めてこられた廣川澄子さん。
「ギャラリーmu-an」で、成長した教え子の方々と一緒に絵画展を開かれたことがありました。
なんて素敵な「先生」であり、素晴らしいつながりの展覧会だろうと思いました。


あのときの生徒の皆様、「澄子先生」は今も挑戦し続けておられますよ☆
しかも、元気!パワフル!





「突き出しA・B・C」


エッチング・リフトグランド・アクアチントの技法を用いた、はじめての銅版画の三点盛。
1枚つずつの作品ですが、3枚並べた額装がとても素敵です。






「冥界からの便り」


なんと書かれておりましょうか。。。

人生の年輪も感じる作品です



1周年記念「このすく展」

2021/9/24(金)~10/3(日)※9/29(水)休廊日

OPEN  11~17 ※最終日は16時まで

【工房このすく】

Twitter →  https://twitter.com/nagaokaprints
Instagram→ https://www.instagram.com/kobokonosk/