2025年1月26日日曜日

高野穂乃香/出展作品

2025 NEW YEAR EXHIBITION 《 Progress 2 》
Tabinosoraya Presents/Feat. 長岡造形大学学生・大学院生8名の展覧会

1月15(水)~26(日)※1/17、22休廊
OPEN 11:00~17:00 ※最終日は16時まで


◆高野穂乃香 / TAKANO Honoka (美術・工芸領域 修士課程1年) 


Instagram @
taka_noka
在廊予定:1/15,21,26(11時~)


個々の作品情報は、先にアップした作家紹介のトピックスをご参照ください。
⇒ 略歴・コメント
画像とともに高野さんからの丁寧な解説コメントを掲載しています。






お客様から、大変親しみと関心を寄せていただいている小品は、
手に持った時のずしりとした重さに、こころ掴まれます。

この素材ならではの重さや冷たさが、持つ前には想像できないのは、
視覚的にやわらかなフォルムである故なのかもしれません。


ふっくらとなめらかな《きつね》、小さくかわいらしい《涙壷》、
それが見た目以上の質量を持っていることに、この素材を用いることの意味を感じます。


見るということ、距離感のようなものが高野さんのひとつのテーマであるようですが、
生み出された作品は、愛でられるだけでなく、掌、指先とも、つながりたい存在であるように感じます。





さりげないけれど絶妙なフォルムの《ちびっ子達》は、
横一列でも、円陣を組んでも、複数でも、一体でも、
どこに置いてみても、そこにあるものと馴染む不思議な佇まい。


早々と完売しましたが、これからも作っていきたい作品とのこと。

何体居てもうれしい存在。また出会えるときをおたのしみに。







「バリ」が、たてがみのようになったちびっ子。






虹色の窯変は、次第に黒っぽく変色していくとのこと。


鋳造技法は、偶然性のむつかしさと面白みがあるようです。






変化をおそれぬ躍動の、内包、、しきれぬ発露がそこここに






興味深いのは、《慈雨》の動物たちや、《風景》に配置された廃墟を思わせるレンガのような構造物は、ミニチュアを作っているわけではなく、それくらいのサイズに見える距離感が好き、という気持ちで形づくられたものであるということ。

動物は好きだけれど、近すぎるのは得意ではない、とか、
遺跡も遠くに見えるくらいの状態が好き、とか、

自身が落ち着く距離感をイメージしながら、生み出された造形であることの面白さを感じながら

私は、この草原が、雪原になることを思い浮かべます。

雪を乗せてみたい衝動が湧くような不思議なリアル感があるのは、
この世界が、作者のリアルから生まれたものだからでしょうか。。





高野さんの作品は、見るひとのこころ、あるいは暮らしの中に、
共にあることを許容してくれるようなやわらかさを感じます。


昨年12月には蓑輪朋和さんの鍛金技法による銅の作品を堪能しましたが、
このたびは鋳造のブロンズの味わいに、はじめて親しむことができた気持ちです。

私にとっては、これまでに出会った「鋳物」とはまったく異なる距離感の出会いになりました。






展示台に添えられたQRコードからは、《慈雨》の水琴窟としての音色を聴くことができます。

その場でアクセスしてくださる方も多く、関心を寄せてくださっている様子が水琴の音色とともに伝わってきます。