不破妙子さんの漆作品の特徴は、「脱乾漆」という技法を用いていることです。
今回の出展作では、欅の板皿と布着箸以外は全て、脱乾漆技法によるものです。
乾漆重箱
「漆の器」と聞くと、旋盤で均等円に削った木地に漆を塗り重ねたものをイメージすることが多いかもしれませんが、脱乾漆技法では粘土で作った型が原型になります。
作家独自の独創的なフォルムをつくることができるほか、軽さや丈夫さを兼ね備えています。
「脱乾漆」を検索したところ、大変詳しく解説されているサイトがありましたのでリンクさせていただきます。
⇒能登の「輪島塗 ぬり工房 楽」さん
https://raku-wajima.com/about_us/lacquer-ware/
(30歳という若い方が家業を継承し、これから、というところで被災されたご様子です。
(支援のお願いも記載されています。現地の実情を知る上でも貴重な発信かと思います。
(偶然のアクセスでしたが、共有させていただきます。
薄くて軽い仕上がりや、フリル状の縁の形状は脱乾漆ならでは。
原型となる型は作るごとに壊すため、全て一点もので、
微妙な揺らぎや違いをたのしむことができます
原型となる型は作るごとに壊すため、全て一点もので、
微妙な揺らぎや違いをたのしむことができます
乾漆羽反湯呑(赤彩・白彩)
軽さや手の馴染みを、ぜひお手に取って確かめていただきたいお品のひとつです。
以前、お求めくださったお客様は、甘酒やカボチャのスープはもちろん映えるし、
白和えなどを入れて添えるのにもちょうどよい、と愛用してくださっています。
白和えなどを入れて添えるのにもちょうどよい、と愛用してくださっています。
「湯呑」として、とこだわらなくていいですね。
自由なカタチを叶える技法によって生まれたうつわ。
飲むものだけでなく固形のお料理も、和に、洋に、自由に使うたのしみを。
自由なカタチを叶える技法によって生まれたうつわ。
飲むものだけでなく固形のお料理も、和に、洋に、自由に使うたのしみを。
乾漆重箱(長方・正方)
そして最もお手に取ってご覧いただきたいのが、脱乾漆技法で作られた、お重です。
木地は用いておらず、麻布と漆を重ねて形づくっているため丈夫で、
箱の隅が割れたり、角が欠けるといったことはないとのこと。
木地は用いておらず、麻布と漆を重ねて形づくっているため丈夫で、
箱の隅が割れたり、角が欠けるといったことはないとのこと。
(落としたりして欠けてしまった時には、修繕することができます。)
漆であること、乾漆技法であることの良さを最大限に生かしながら、
独自のデザインで、新たな手触りや佇まいに展開していく…
職人としてではなく作家としての、新たな決意とはじまり、
挑戦と、愉しむ気持ちが現れた作品であるように感じます。
外側の編み目模様は、ひとつひとつ手仕事で仕上げています。
角のないやわらかなフォルムと、この模様が、「漆のお重」のかしこまった印象を大きく変え、
一見すると編み籠のような、木彫りのような、素材を特定できない不思議さと、
角のないやわらかなフォルムと、この模様が、「漆のお重」のかしこまった印象を大きく変え、
一見すると編み籠のような、木彫りのような、素材を特定できない不思議さと、
あたたかな存在感を醸し出すのだと思います。
何を詰めましょうか
お料理の水分にも油脂にも強い漆のうつわ。
和食のみならず、洋のお料理も気軽に入れられます。
和食のみならず、洋のお料理も気軽に入れられます。
お食事だけでなく、焼菓子でも、果物でも、
何も入れずとも、見えるところに置いておきたくなるお重には、
日々の思い出が詰まっていくのかもしれません。
日々の思い出が詰まっていくのかもしれません。
お安いものではありませんが、「いいお重」をお探しだった方には、
こんなお重があったなんて✨ と、出会っていただけますように。
❖不破妙子さんの作品は、即時お渡しできるアイテムが少なくなっています。
在庫がないものは、展示品の取り置きで会期後のお渡し、
展示品が売約済みの場合は、注文生産で数か月後のお渡しとなります。
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2024 SPRING EXHIBITION - Restart-
会期:4/1 mon-14 sun
11:00-17:00(最終日は16:00まで)
※休廊日 4/4 、10
◆不破妙子さん、この後の在廊は4/13(土)・14(日)午後を予定しています。