2024年5月28日火曜日

【御礼】柏田良彰展

2024.5.14~26に開催いたしました《柏田良彰展》は、無事に閉幕いたしました。




窓の外は、色濃さを増しながら茂りゆく新緑の生命力。
館内には、静かなれど熱き作家のエネルギーが満ちていました。


一人の作家の世界を、存分に堪能させていただく「個展」。

なかなかの広さのあるこのギャラリーで、「個展」を開催することの凄さと魅力を
改めて感じた会期でもありました。






作品の多様さに、お客様も驚かれたことと思います。
シリアスなドラマを感じるものもあれば、ユーモアや遊戯を感じる作品もありました。

柏田さん曰く、
「スタイルが分散するのは、自分を分かったつもりにならないための予防線」であるとのこと。

「理解の出来ない事柄で心が耕され」てきたという感覚のもと、
「理解の範疇で制作するのが、一番無難なアプローチとは知りつつも」そこに ”謎” は介在しないとして、

”謎” の存在とともに、それをもたらす”遊び”を重視しておられます。




「遊びは、それを感じた人の中にも遊びがある事を自覚させます」とおっしゃる柏田さん。

遊びの力とは可能性を育てる力」であり、
それこそ柏田さんが考える「展示会の場のコミュニケーション」であるとのこと。


そして、

「遊びには破壊の力も含む事も忘れてはなりません。
全てを滅して無にする破滅ではなく、新たなビルドアップのための地ならしが破壊です。
破壊は固定概念を打ち砕くエネルギーです」

という言葉に、視野が広がる思いです。


そうしたスタンスから生まれた作品と、お客様の世界との豊かなる交流については計り知れませんが、
じっくりとご覧くださるお客様の多かったことが印象的でした。







県外からも、柏田さんの旧知の方々が駆けつけてくださいました。

非常勤講師を務める長岡造形大学からは、先生方や関係者の方々がご多忙の中お越しくださり、
柏田さんが長年の勤務の中で築いてこられた交流を垣間見せていただいたり、

なにより、授業を受けたての新入学の1年生が、信濃川を越えて(!)
幾人もお越しくださったのがうれしいことでした。


ご来訪くださいました皆様、SNS等で発信してくださいました皆様に、
心より感謝申し上げます。


DMを設置してくださいました事業所、ならびに会期情報をご掲載くださいました
「まるごと生活情報」様、新潟日報様にも心より御礼申し上げます。


どうもありがとうございました。






柏田良彰さんには、作家としての独自の探求の姿だけでなく、後進を育むお立場からも、
多くの示唆を含むお話を聞かせていただきました。

展覧会を通して生まれるものがある、ということを、会場としても感じさせていただいた会期です。


予定調和のない作品世界を旅しながら、新たな価値との遭遇と、答えにたどり着かない心地よさの余韻を味わっています。


遠方より、素晴らしき展覧会を、どうもありがとうございました。






お客様からいただいた芍薬は次々と見事な花を咲かせ、
最終日まで華やぎを添えてくれました。

閉幕後も、余韻に寄り添うように咲いてくれています。




次回展覧会は、6/18より開催です。







《第9回 Pegasusの会展》

会期  2024.6.18(火)~30(日)
OPEN    11:00~17:00 ※最終日は16時まで
休廊日   6/21(金)、26(水)


◆猪爪彦一(油彩・キャンバス)
◆金内沙樹(油彩)
◆近藤充(アクリル・テンペラ・岩絵具混合技法)


たびのそら屋では4回目、会としては第9回を迎える「Pegasusの会」の三人展。
会期が近づきましたら作家紹介と在廊予定をご案内いたします。