2023 NEW YEAR EXHIBITION 《 On Your Mark 》
1.16(mon)~29(sun)open 11:00~17:00(last day 16:00)
closed 1/20、25
新年の幕開けの展覧会は、2022年に印象的な出会いをいただいた4名の作家による絵画展。
お一人目は、2022年3月に当館隣接の「工房このすく」で滞在制作をされた櫻井あすみさんです。
2022年4月の展覧会《Journey》の会期では喫茶室で特別展示をしていただきました。
その時のご紹介記事⇒★
HP https://asumisakurai.tumblr.com/
Instagram @ asumisakurai
Facebook https://www.facebook.com/asumi.sakurai.148
出展作:絵画
在廊日:1/29
2022年2月のある日、私はこの雪の街を訪れた。
雪に覆われた街を歩きながら、私は、世界が「虫食い」になっていると思った。
再び訪れ滞在した3月、早春の街は、雪が融けるまで見えなかった、雪が融けたからこそ出会えるようになった景色に満ちていた。
錆色の地面が露わになり、雪に埋もれていたベンチが使えるようになり、保育園児たちは公園をかけまわっていた。
次の冬も、その次の冬も、春になれば、また同じような光景に出会えるに違いないと、私たちはどうして信じることができるのだろう。
どうして雪の下にあるものが、いつも同じだと言い切れるだろう。
失われた過去の世界の写真を見るかのように――あり得るかもしれない未来から、あり得たかもしれない過去に思いをはせるように――私は景色を眺めていた。
そして私は、作品を作った。
* * * * * * * * *
今回の作品は、2022年「Articulation 区切りと生成」展(小山市立車屋美術館)にて発表した作品の再展示となります。長岡での滞在を経て制作したこれらの作品を、こうして長岡の皆さまにもお届けできる機会をいただけたことがとてもありがたく、嬉しく思っています。リアルな雪景色のなかで作品がどのように映るのか、また、小松さん、財田さん、ルーカスさんの作品とどのように共鳴するのか、楽しみにしています。
1983 東京都生まれ / 千葉県在住
2006 早稲田大学第一文学部総合人文学科人文専修卒業
2015 広島市立大学芸術学部日本画専攻卒業
2017 東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻修士課程修了
現在 星野学園小学校非常勤/川口短期大学非常勤講師
主な展覧会
2016
・第34 回上野の森美術館大賞展 優秀賞(産経新聞社賞)
・個展「〈 p r e s e n t 〉」The Artcomplex Center of
Tokyo(東京・新宿区)
2017
・「FACE展2017」損保ジャパン日本興亜美術館(東京・新宿区)
・個展「通り過ぎた記憶、生成する景色」The Artcomplex
Center of Tokyo(東京・新宿区)
2018
・個展「虚像とアクチュアリティ」TS4312(東京・新宿区)
2019
・「ABR
on ABR展」長岡造形大学ギャラリー(新潟・長岡市)
・個展「連続と断片」space2*3/KURUM'ART
contemporary(東京・中央区)
2020
・「ART=Research
探究はどこにあるのか」展 小山市立車屋美術館(栃木・小山市)
・個展「残像」TS4312(東京・新宿区)
2021
・個展「ふきだまる、永遠、かのような」space2*3/KURUM'ART
contemporary(東京・中央区)
2022
・「FACE展2022」SOMPO美術館(東京・新宿区)
・「Articulation 区切りと生成」展 小山市立車屋美術館(栃木・小山市)
《 behind snow 》 SM
この地に暮らす私もまた旅人になったかのような気持ちで聴きました。
一年前の冬の来訪に端を発する連作を、再び巡り来た雪景色の当地で、
滞在制作をご覧くださった皆様とも一緒に、拝見させていただけることがとてもうれしいです。
あすみさんが書いておられるように、出展作は昨年12/18まで栃木県小山市立車屋美術館で開催された「Articulation 区切りと生成」展 に出展されたもので、「工房このすく」での滞在制作を機に初めて試みた写真製版の技法を織り交ぜ、長岡の景色を描いたシリーズです。
いましばし旅の途中。