喫茶室には〔Journey〕の出展者4名の他にもうおひと方、3月下旬に「工房このすく」で滞在制作をされた日本画家・櫻井あすみさんの作品と関連資料を展示しています。
櫻井さんのレジデンスついては、たびのそら屋のInstagram★ 等でご紹介していましたが、1週間という短い期間で、パワフルに、大変多くの試みをされました。
工房このすくのアーティスト・イン・レジデンスでは、招聘作家に対し、制作過程の「思考を開示する」ことがリクエストされています。
19.0×27.3cm / 2021
こちらは従来の作品の雰囲気を知っていただくための旧作 。
気になるものを写真に収め、頭の中で再構成して画面を決めるというあすみさん。
想像の世界ではなく、実際に在る風景、起きた出来事、その場でリアルに感じたことを描くとのこと。
アクリルパネルに貼られたこれらの写真は、景色を再構成する思考過程を伝えるべく、(言葉にしきれない意図をもって)並べていったものの一部。
2月にリサーチに来られた折に撮った雪景色と、3月、雪が消えてからの景色。
千葉県在住のあすみさんには、長岡の雪景色は気になることがたくさんあったとのこと。
和紙・岩絵具・水干絵具・アルミ箔・膠・糊
65.2×50.0cm / 2022
こちらは今回のレジデンス期間中に作成された新作。
日本画に、写真製版のシルクスクリーンを、日本画材を用いて印刷したものに、アルミの箔が施されているという重層的な作品で、長岡滞在と工房このすくの設備・機能を存分に活かした作品と言えます。
あすみさんの展示物は、多くのお客様から食い入るようにご覧いただいています。
天候や時間帯によって、窓からの光でアルミの箔が光り輝き、
作品が別世界になったように見える時があります。
それは、例えば雪景色も天候や時間によってまるで違って見えるのと、
とても似ているように感じられます。
(作品部分)
滞在時の工房の風景
喫茶室入口に、さとうゆかさんのファイルと共に、
櫻井あすみさんのレジデンスの風景を収めた小さいアルバムも置いてあります。
櫻井あすみさんのレジデンスの風景を収めた小さいアルバムも置いてあります。
その最後に収められた「工房このすく」へのメッセージを転載させていただきます。
このすくという場所
ここに引き寄せられ、来訪する人々
ここに引き寄せられ、来訪する人々
完成した作品ではなく、制作そのものを間に置いて語り合うということ
他者の思考に随伴するということ
自分ごととして受け取るということ
自分と異なる制作の向こうに、自分との接点を探っている
自分と異なる思考の向こうに、自分の思考が浮かび上がる
自分と他者を重ねていく
すると、すこしずつズレていく
ズレについてまた語る
たとえ私とあなたが異なっていても
ひびき合い、通底するような何か
語り合いながら、一緒に探っていく
語り、聞き、語り、持ち帰る
ここはそういう場としてある
そういう場としてあってほしい
「長岡での日々の思考のかけら」
旅のひと、風のひと、
私も出会わせていただけてよかったです。
いろんなひとが関わる「場」があることの尊さを、いつも感じています。
桜もようやく咲き始めたところですが、
盛りだくさんの春の展覧会〔Journey〕は、いよいよ土日を残すのみ。
4/10(日)は午後からカルベアキシロさん、さとうゆかさん在廊で、16時にて閉幕です。
2022/4/8
4/9 夕方
明日はきっと満開
対岸や周辺の桜も咲き始めました
※最終日4/10は、カルベアキシロさん、さとうゆかさん、午後から在廊で16時にて閉幕です。
2022 SPRING EXHIBITION -Journey-
2022/3/28(月)~4/10(日)
OPEN 11:00~17:00 ※最終日は16時まで
CLOSED 4/1(金)・7(木)
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◆猿田千帆 / 陶工房ゆきふらし(青森県)陶器
◆カルベアキシロ(新発田市)油彩作品
◆Ken Sakamoto(千葉県)ミクストメディア
◆さとうゆか(三条市)ミクストメディア
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maison de たびのそら屋
長岡市呉服町2丁目1-5
0258(77)298