2023 NEW YEAR EXHIBITION 《 On Your Mark 》
1.16(mon)~29(sun)
open 11:00~17:00(last day 16:00)
closed 1/20、25
開幕目前。出展者紹介の最後は、茨城県にお住まいの小松啓美さんです。
DMに掲載された謎めいた作品世界、、、気になっていただいていると思います。
赤い壁面の喫茶室で、どうぞご堪能ください。
(開幕初日と二日目は、遠路、駆けつけて在廊してくださいます。
(平日ですがご都合のつく皆様、ぜひお出かけください。
アクリル・油彩/F10/2022
◆小松啓美 / KOMATSU Hiromi
HP https://nijihimiko.wixsite.com/mysite/home
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在廊日:1/16・17
出展作:絵画、絵本、作品集、CD※(ジャケットのイラストを担当)
※小川倫生(アコースティックギタリスト)×須藤忠隆(三日月窃盗団)
共作アルバム「URBAN NOMAD」⇒ ★小川倫生HP
1957年生まれ。神奈川県相模原市出身/茨城県ひたちなか市在住
子供の頃からずっと、絵を描いたり、お話を作ったり、ピアノで曲を作ることが好きだった。
若い頃は主にシンガーソングライターとして音楽活動に専念。
結婚後は主にピアノ教師をしながら、作曲や発表を続けるが1996年、ある日ギャラリーで知り合いの展覧会を見た折、突然、自分も個展をしたいと思い立ち、同年9月はじめて絵の個展をする。
以来、2000年まで毎年同所で個展を開くほか、グループ展・2人展なども開催。精力的に絵を描き始める。
2001年、自分の父親が老人保健施設に入所したのをきっかけに、音楽療法に目覚める。音楽のボランティア楽団を結成し、多くのスタッフと共に高齢者施設や障害者施設を訪問し、音楽活動やコンサートなど多数開催する。そこでは常に歌や演奏の参加型音楽に取り組み、即興性を交えたコミュニケーションのあり方を模索した。
2006年、それまで定期的に音楽活動の支援をしてきた知的障害者施設に非常勤職員として携わることになる。そして、音楽活動のみならず創作活動の支援をはじめる。そこでは、厚紙・段ボール・プラスティック・布・木材・粘土などあらゆる素材を駆使し、施設の利用者のそれぞれの特性を引き出しながら仲間と楽しむことを覚える。
2018年、還暦を期に同所を退職。
再び自身の制作をはじめる。以降、毎年個展を開催。
死ぬまでに自分で本当に納得のいく、ただ一枚の作品を描き上げることを夢見て、
道のりはまだまだ果てしなく続く。
アクリル・油彩/F20/2022
喫茶室左手壁面に展示した「青いプール」の連作3枚は非売品ですが、
作品に込められた思いをしたためてくださいました。
「青いプール」について
今年の夏も猛暑が続いた。
そのため、休日には小さな子供がいるであろう家々の庭や軒先やベランダには、ことごとくビニールのプールが置いてあるのが目についた。
それらはだいたい青っぽい円形をしており、実際、かなり以前は私の子供たちも暑い夏にはお決まりのようにその中で遊んでいたし、はたまた私自身も幼い頃にその小さな青いプールで遊んだ記憶さえある。
それは家で手軽にお金を掛けずに水遊びをしながら暑さをしのぐにはもってこいだし、その中で子供が水しぶきを上げてはしゃいだり、そばで一緒に水に浸って目を細めている親の様子も少なくともそこだけは平和で安全地帯であるかのように見える。しかし、そこは、本当に平和で安全な場所なのだろうか。
今年も外国では長く戦争状態が続き、悲惨な状況は毎日のようにメディアから流れてきていた。この現実のギャップを思うと心穏やかではいられない。
私は次第に、その青いプールが安全と危険、あるいは生と死の狭間に点々と浮かびあがる謎の青信号のように見えはじめた。それは今という時代の不確かで不可解な部分を象徴しているように、私の平和で静かな闇の中に今も青く光りながら点滅している。
私たちはいったいこの先何処へ行こうとしているのか。
けれど、どこかへ向かうにせよ、この世界は一方で命のきらびやかさをも大事に抱え続けている。
そして、小さくて、かけがえのない時間は、その暗澹としたバックグランドによってますます輝いて見えてしまうという矛盾に陥ってしまう現代のパラドックス。
けれど、描くことで考え、考えることで描くという繰り返しの中で、少しずつ手を動かすことで自分なりの些細で貴重な発見がある。
その過程は苦しくとも豊かな時間だ。
今はそれだけを頼りに、この先も、自分の中のリアルと真摯に向き合っていきたいと思うばかりである。
アクリル・油彩/F10/2022
私と啓美さんとの出会いは2019年にさかのぼりますが、昨年の春、偶然の再会をしました。
旅先での僅かな時間の語らいが「種」のような存在となり、今回の企画へとつながりました。
それらのお話はまた改めて。
喫茶室には小松啓美さんの絵本(販売品)や作品集をはじめ、各作家の関連資料もございます。
作品もさることながら執筆物も素晴らしいので、ぜひお手にとっていただきたいです。
開幕が落ち着きましたら改めてご紹介いたしますが、ご来場の皆様にはこれらのアイテムからも、作家世界の奥行きを愉しんでいただけたらと思います。
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啓美さんがジャケットのイラストを手掛けたCD「URBAN NOMAD」は、かなりご機嫌なサウンドです。
一年のはじまりの気持ちが浮遊感ある音色に溶け込んでいきます。
いずこへいざなわれるや NOMAD 🌌✨
ワクワクする気持ちが、雨雲も、雪雲も、迎えながら昇っていきます。
聴きながら開幕までラスト一日。
2023
On Your Mark