開幕までのカウントダウン。
着々と開幕準備を進めています。
作家紹介はまだ二人目を終えたところですが、ルーカス・レドンドさんの制作コンセプトに書かれていた「アートベース・リサーチ/ Arts-Based Research(ABR)」と、「このすくレジデンス」についても補足です。
今回の出展作家はどういうつながり?と思う方も、どうぞご一読ください。
束の間の、春みたいに穏やかな好天(1/11)
ABRとは「芸術に基づく研究」とのこと。
私は長岡造形大学大学院の小松佳代子教授を通して初めて知りました。
学術としての全容は十分に理解できていませんが、「作家の制作過程の思考」が研究対象になっているという点を、興味深く感じています。
小松先生は工房このすくのメンバーでもあり、「このすくレジデンス」(2021年度から4名の作家を順次、工房このすくに迎えて開催されたアーティスト・イン・レジデンス/滞在制作)は、その研究の一環で行われました。
今回ご出展いただく櫻井あすみさんと、ルーカス・レドンドさんは、そのためにお越しくださった作家であり、小松佳代子先生と共同研究者でもあります。
ルーカスさんがコンセプトに描いておられるABR研究の視点を踏まえて出展作を観ていただくと、また理解が深まるのではないかと思います。
各作家の滞在中、制作についてのレクチャーや、初めての環境での模索、”旅人”の目に映るこの地域の風景の話などは、いずれも興味深いものでした。
「このすくレジデンス」の作家には「制作過程の思考の開示」が求められ、作品を完成することは目的ではありません。
そうなると、気になるのは滞在中に垣間見させていただいた作品のその後。
「このすくレジデンス」の初年度、2021年の8月には仲森仁さん(銅版画と写真製版)、10月には畑林和貴さん(油彩)が来訪された時には、仲森さんの作品は同年9月にたびのそら屋で開催された「このすく展」で、畑林さんの作品はレジデンスの滞在中に開催された長岡造形大学主催の「芸術工事中」の会場で、拝見する機会に恵まれました。
2022年の櫻井さんとルーカスさんの作品も、拝見する機会があること(できればたびのそら屋でその機会をつくれること)を願っていたところ、
2022年の記憶の中に点在していた、お二人と、財田翔悟さん、そして小松啓美さん、それぞれとの印象的な出会い・語らいが、一本の線でつながるように思い起こされ、
小松佳代子先生のABR研究やこのすくレジデンスの括りではなく、たびのそら屋プレゼンツとして、
《On Your Mark》展が(私の中で)立ち現れ、それぞれにご出展いただくことが叶った次第です。
小松佳代子先生が研究の場を大学や作家と研究者の関係の中だけにとどめず、地域に開かれた場で、誰でも関わることのできる形で行なってくださること、そしてたびのそら屋に意識的につないでくださるお陰で、貴重な出会いや学びの機会がこの地にもたらされていると感じています。
立場上いただくつながりを、たびのそら屋として、新たなカタチでご紹介できることが、
とてもうれしい新年の展覧会です。
小松先生の活動だけでなく、銅版画の設備を備えた工房このすくは、版画はもちろんのこと、それに限らない制作の場であると同時に、人と人が主体的・具体的に出会う(眺めて通り過ぎるだけでない)場として、有志運営メンバーによって随時開かれています。
今後の活動にも関心を寄せていただき、
気になる機会がありましたら、ぜひつながっていただけたらと思います。
気になる機会がありましたら、ぜひつながっていただけたらと思います。
工房このすくHP⇒★