2024年10月26日土曜日

【御礼】COREs/episode2

2024.10/6~20に開催いたしました《COREs》episode2は、
連日、本当に多くのご来訪をいただきながら、名残り惜しくも閉幕いたしました。


会場にはまだ一部、搬出待ちの作品があったり、その後もあらたな語らいが続いたりで、
「終わった感」が全くないのですが、ひとまずの振り返りと御礼を綴りたいと思います。





以下、橋本桂子さんの卒業制作「Vacant Note」より


故・橋本桂子さんを核とし、桂子さんにゆかりのある作家9名にご出展いただいた展覧会《COREs2》は、作家作品の展示販売と、桂子さんの大学時代の卒業制作や資料の展示のほか、「特別企画1」として「ライブ&上映会」(10/19開催)と、「特別企画2」として「つながりMap(仮)」の制作(12月末に完成予定・予約販売のみ)も盛り込んだ、ギャラリーとしては初めての試みの詰まった内容でした。


※「長岡アジア映画祭実行委員会!」のブログのレポートをぜひご覧ください⇒ 


本格的な準備にとりかかった夏からの2か月半は、不測の事態もあって怒涛の日々でしたが、会期中はそれを上回る驚異の目まぐるしさでした。

これほど短期間に、初対面の方を含む多数の方と、ただの挨拶ではない濃密な対話をしたのは、(展覧会に限らず人生の中でも)経験したことの無いくらいの日々だったと思います。

それはひとえに、桂子さんが各地で築いてきた関係性を物語るもので、
会期を通して改めて、その凄さを体感することとなりました。


日頃の展覧会では、誰よりも語るのは「作品」かもしれませんが、

今回は、お客様が語った!! 私も語らった!! 
聴きたかったし、伝えたかった!! 


各作家の作品のこと、桂子さんのこと、桂子さんにつながる方々のこと、
特別企画のこと、折しも再び始まろうとしている市民運動のこと

会場で語らわれたのは、思い出話だけじゃなくて、
今の自分たち、それぞれのこともたくさん!!


それはきっと、桂子さんも聴きたかったことではないかと、思っています。


※「柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票」を実現するために、
新潟県に直接請求する署名活動が10/28より県内各地で始まりました。(~12/28まで)

「県民投票で決める会」のHP ⇒ https://www.kenmintouhyou.net/






連日、オープンからクローズタイムを超えて、ほぼ途切れることなく
お客様や作家との「!!!!」の勢いが続いた2週間。

会期後半は完全にキャパオーバーで、
今回ばかりは、夜なべのブログ書きを諦め、現場に専念。

閉幕から早1週間ですが、気ぜわしい日々は継続中で、
まだ言葉を紡ぐちからが回復しないのですが、

それくらい濃厚な時間の流れた、素晴らしい展覧会だったこと、


たくさんの出会いと再会、
遠方からもお越しいただけたことの感謝、
(来れなかった方からのお気持ちも、ちゃんと届いております!

そして桂子さんをご存じない方にも、
広くお越しいただき、たのしんでいただけることを願っての展覧会。


リーフレットやSNSを見て初めてお訪ねくださった方々のいらしたこと、
各作家の作品をたのしんでくださり、
桂子さんをご存じなくても、彼女が描かれたポストカードを素敵ねとお求めくださったり、
ノートにメッセージをしたためてくださいましたこと等々が、
また格別にうれしく、ギャラリーとして励まされる思いだったこと、、



作品等のご紹介でなくて申し訳ないですが、

私は、そうしたお客様方のことを、ここに綴り残しておきたい気持ちです。







ご来場くださいました皆様、ならびに広報にご協力くださいました事業所の皆様、
SNS等で発信してくださいました皆様、どうもありがとうございました。


そして、「特別企画1」のライブ&上映会にご尽力くださいました「長岡アジア映画祭実行委員会!」の菅野さん、当日の運営にご協力くださいました皆様、桂子さんにまつわるメッセージを寄せてくださいました小林茂監督、小木曽茂子さん、鎌仲ひとみ監督、

熱のこもった素晴らしきライブを1日2回公演してくださいましたバンド・ウィズコーションのメンバーの皆様、雨の中ご来場くださいました皆さま方、

そして、この展覧会に素晴らしき作品を寄せてくださいました9名の作家の皆様に、
こころより厚く御礼申し上げます。


どうもありがとうございました。




WELL DONE

SO

LONG GOOD BYE




最終日の夜



すべては月の満ち欠けのように。

「つながりMap」の制作は、このあと次の工程へと向かいます。


___________________



▶次回展覧会




2024.11.6~17 

《 ふたりのそら 》
川田淳
(写真) × 森島明子(日本画)

open   11:00~17:00
closed 11/8、13
最終日は16時まで







2024年10月18日金曜日

《COREs2》橋本桂子

橋本桂子 (ボックスアート・木の匙など/上越市)

1972年7月26日~2020年2月26日
上越市大潟区出身。女子美術大学 芸術学部絵画科卒


10代の頃から文学に親しみ、芥川龍之介に傾倒した。培われた豊かな感性は、視界に入る細やかな自然現象を愛した。「言葉と現象」を本や箱の中に納める形態を表現として、彼女の感性に触れることができるだろう。(橋本雄一郎)







木の匙/橋本桂子
ケヤキのバット/木八個店(拭漆)




喫茶室には橋本桂子さんの卒業制作や中学時代の油彩を展示しています。
喫茶室入口ににはライフワークとして手掛けていた木の匙や、よく聴いていたCDを。

(会期中はもっぱら寺尾沙穂さんの「頼りないもののために」を流しています。






中学時代の油彩
芥川龍之介の御子息・比呂志氏の肖像





木の匙

結婚後、作品として制作したカタチ
木彫の匙 匙をモチーフとした理由が小瓶の中にあった。
「蜜蜂が一生をかけ
て集める蜜の量はスプーン一杯分。すべての蜜蜂に敬意を…。」
木の匙を彫り、人との出会いや対話に感謝と敬意を込めて贈る。
れが彼女の表現活動であり、その後の市民活動への始まりでした。 (橋本雄一郎)










遺された作品の細部に込められた思いは、もう誰も知る由もないのですが、
僅かに残された言葉は、ひとすくいのハチミツのように、
かけがえのないメッセージに感じられます。














うさぎになりたかった木片は彫りかけのまま







2024 October Exhibition
《COREs》episode2

▶会期     10/8(火)~20(日)
▶Open   11:00~17:00  ※最終日は16時まで


【作家在廊予定】

10/19(土) 
・紙漉きサトウ工房さん(14時~) 急きょ変更になりました
・linea 赤木美名子さん(15時~)

10/20(日)在廊予定
・Peace☆Craft 橋本雄一郎さん(昼頃~)
・紙漉き サトウ工房さん(14時~) 急きょ変更になりました


【出展者】

飯塚直人(漆/上越市)
@tete7010

紙漉き サトウ工房 (和紙/長岡市)
@kmsk_sato

木八個店 (木工/関川村)
@kihachikoten

しおた まこ  (絵画、絵画を元に製作した服飾/三条市)
https://siotamako.com 

野田英世(水彩スケッチ/長岡市)
@hideyonoda

ひぐちキミヨ(イラスト/上越市)
@kimi.hig 

平野照子(陶/宮城県) 
@hiranoshokokusafune

linea / 赤木美名子(亀田縞のもんぺパンツ/上越市) 
@monpeseisakusho
https://monpeseisakusho.com/

橋本雄一郎 (木製ハンドメイドルアー/上越市)
@yuichiro.hashimoto.7 

橋本桂子(ボックスアートなど/上越市)



2024年10月16日水曜日

《COREs2》しおた まこ

2024 October Exhibition《COREs》episode2
10/8(火)~20(日)※最終日は16時にて閉幕です


連日、ゆかりのある方、初めての方、ご常連の方々のご来訪でにぎわいをいただきながら、
会期は終盤に向かいます。

作家紹介6人目。
ぜひ会場で、実作品をおたのしみください。




しおた まこ(絵画・絵画を元にした服飾/三条市)

在廊日 10/10 (13:30~短時間)
https://siotamako.com


三条の田舎で、イラストレーターを経て、
今は絵画、イラスト、人形製作、服飾デザインを気の向くままに楽しんで制作しています。


桂子さんの印象は…  鋼を真綿でくるんだような人。
優しい中にも、決めたら貫き通す芯の強さがありました。
それでいて、好奇心があって子猫のような可愛らしさもありましたよね。


この展覧会の作家の1人に
桂子さんが選んでくれたであろうと思ってくださったことに感謝です。







たびのそら屋では初めてご出展いただくことが叶いました。

しおた まこさんの出展作「絵画と絵画を元にした服飾作品」は、
ここ2年ほど構想を温めてきたという「アートクロージング」 (テキスタイルアートでつながる服デザイン/まこさんの造語)の初お披露目です。







自己紹介にあるように、イラストレーターを稼業としながら、平面、立体、 扱う素材や技法もさまざまなことを手掛けてきたまこさん。

手広く引き受けてきたことを少しずつ整理する一方で、今年の6月からは定期的に、
自宅で不登校の子どもたちを対象にした「ものづくりの居場所」を開いておられるとのこと。


◆ゆきわり ものづくりの居場所
◆ゆきわりの会
https://yukiwarinokai.org/



出展作は絵画と服飾、各1点ずつですが、今、そしてこれから、
まこさんが向かおうとしているところを感じていただけると思います。






◆絵画《自由な馬》和紙に岩絵具、アクリル

◆衣服《自由な馬》を色彩調整したものをデジタルプリントしたリバーシブルジャケット

(生地について: 表/綿麻、裏/綿、袖、襟部分/麻、バック白馬部分/ビーズ刺繡)


いずれも販売品です。
画像は色彩を再現できていません。 ぜひ実作品をご覧ください。 ジャケットは試着していただけます。お声がけください。









背側が見えるように展示していますが、表側も、とてもすてきです。
一本の皮紐で前を軽く閉じる仕様になっています。








煌めくビーズで刺繡された白馬は、桂子さんのイメージとのこと

大地を自由に駆け抜け、今は穏やかな湖面に








【このあとの作家在廊予定】
10/19(土)
・紙漉き サトウ工房さん(14時~) 
・linea 赤木美名子さん(15時~)
赤木美名子さんは短時間の在廊ですが、もんぺパンツのオーダーをお受けいたします。
いつもはクローズ時間が多少遅くなっても差し支えないのですが、
19日は在廊作家と共に特別企画の「ライブ&上映会」に駆けつけますので⇒ いそいそと、17時の定刻にて 閉めさせていただきます。
会場はアオーレ長岡のシアターです。夕方のお時間がある皆様、ご一緒にどうぞ😊


10/20(日) ・Peace☆Craft 橋本雄一郎さん(昼頃~)
・紙漉き サトウ工房さん(14時~)  ・木八個店さん(午後/時間未定) 都合によりいらっしゃれなくなりました

※最終日は16時にて閉幕です



2024年10月14日月曜日

COREs2/linea 赤木美名子

2024 October Exhibition《 COREs 》episode2 

▶会期     10/8(火)~20(日)
▶Open   11:00~17:00  ※最終日は16時まで
▶Closed 10/11(金)、16(水)


連日の賑わいをいただきながら会期は折り返し。
作家紹介もようやく折り返しの5人目です。

10/14(月祝)11時半ごろ~17時  赤木美名子さん在廊
もんぺパンツの採寸オーダーをお受けいたします。
貴重な機会です。ご希望の方は、ぜひお時間にゆとりをもってお出かけください。






linea 赤木美名子/ 上越市

在廊日 10/12(15時頃~)、14(11時半頃~)、19(午後)

Instagram @monpeseisakusho
https://monpeseisakusho.com/


文化服装学院卒業後、オンワード樫山でパターンを担当。新潟上越山間部に移り住み、
アパレルパタンナーをしながら、もんぺ製作所を立ち上げる。棚田で米づくりも。







(お客様へのメッセージ)


基本的にフルオーダーメイドで、
お客さまの採寸をし、縞選びを経て、パターン(型紙)を設計、縫製に入ります。
在庫を持たず、お客さまからのご依頼を受けてものづくりがはじまります。

今回は特別に山のなかの試着室、展示受注会などで試着サンプルとして活躍してくれている
もんぺパンツ】をサンプル価格で販売させていただきます。

製作の際に出た端切れを使って製作した【手元を彩る亀田縞アームカバー】
はじめてお披露目する【亀田縞パッチワークポーチ】をお持ちします。
在廊日に採寸含めたオーダーも行います。







(以下、2020年3月10日付けで赤木さんがFacebookに掲載した追悼文)



今もまだ、桂子さんがいないことに向き合うことができない日々を送っています。
毎日、何度も開く手帳に桂子さんの写真を挟んで持ち歩き、
悩んだ時は桂子さんの顔に励まされています。

はじめて出会ったのは
おらってにいがた市民エネルギー協議会の講演。
1
歳の娘は膝の上ではじっとしていられず、
おもちゃを机の上から払いのけては落とすので、
みなさんに迷惑もかかるし、いつ退席しようか迷っていたら
ご自分のコートを床に敷いて娘を座らせてくれた桂子さん。
娘は桂子さんのコートの上でごきげんでした。

崇高で気高い、強い愛を見せられました。
帰りにお名前と連絡先を教えていただきました。


そこからのお付き合いです。
桂子さんは新潟県内で県民投票を通じて
原発に関する意思を伝えられるようにと
活動する「みんなで決める会」共同代表、
平和活動に尽力する姿が印象的ですが
女子美出身でアートや芸術に造詣が深く、
わたしたちはそこでつながっていたと思っています。
ご主人の雄一郎さんのことが大好きなかわいい女性でした。

新潟の素材を使ってもんぺパンツを作りたい
と一番はじめに話した人は桂子さんでした。
忘れもしない柏崎tanne さんでの食事中。
きっと好きだと思うからと
連れて行ってくれたtanne さんのおかげで亀田縞を知り、
初めて亀田縞中営機業さんに向かうドキドキのときも
桂子さんに心と助手席をあたためてもらいました。

桂子さんからのメッセージをここで紹介すると叱られそうですが、
桂子さんらしい言葉で支えていただきました。

『アートとか芸術は、
工芸的・人為的なものが醸し出す美しさや、
その「行為」やその「物」を指す言葉だと思っている人が多いかと思いますが、
私は、むしろ、大切なのは、それを見い出す目や感受する心、
そしてそれを誰かに伝えたいと欲する熱意のように感じています。

後者の「視点」を身につけていさえすれば、
芸術そのものを生きることができるようになります。
美名子さんて、そうでしょう ?

そして、その「視点」を提示することが
アートであり芸術なのだというふうにも感じています。』(桂子さん)






この写真は
2018
年から動き出した大賀芸術祭【棚田de アートYAHHO

名付けは桂子さん。
桂子さんもご主人と駆けつけてくれました。
名付けを相談して数日後にきた返信が

『「やまびこ」とか「ヤッホー」とか、
山や子どもを連想させるフレーズを入れてもカワイイかも。

Yoshikawa
Art
Happy
Holiday
Oga

頭文字とって、YAHHO なんつって。』(桂子さん)



桂子さんが大切に思ってくれていた大賀では赤とんぼが舞い、
稲架にかかった天日干しの稲が日本海からの風に吹かれています。


前向こう。








岡山県出身の美名子さん。
酒つくりをしたいという連れ合い様の夢と共に東京から上越市吉川区に移住してこられました。

私が高田から新潟市に移るのとちょうど入れ替わりのタイミングだったため、これまでお会いする機会はなかったのですが、美名子さんが立ち上げたブランド「linea」のことは新聞で見かけて気になって、切り抜いたのを覚えています。


それが桂子さんが背中を押してのはじまりだったことは、
雄一郎さんから「この展覧会になくてはならないひと」としてご紹介いただいて初めて知りました。


桂子さんとの出会いのエピソードは、彼女が空へと旅立った2020年当時にFacebookに綴られたものです。
家族以外に親しく語らえるひともなき新たな地での出会いであったことを思えば、どれだけかけがえのない存在であったことか、その気持ちははかりしれません。


桂子さんとの出会いは、暮らしが彩られていく転換点のような、大切なターニングポイントであったご様子。


美名子さんさんにとって、殊の外、かけがえのない友であった桂子さんの不在は埋めようもありませんが、(他の皆様方とも同様に)桂子さんが遺した有形無形の大切なものを、こうして共有させていただけることに感謝いたします。





桂子さんが美名子さんをいざなって亀田縞の中栄機業さん⇒
に見学に出かけた時の画像

縦糸と桂子さんの掌




私が美名子さんと語らったのは、吉川区は大賀の「山の中の試着室」でお会いして以来、
まだほんの数えるほどですが、
全く初めましてのひとなのに、ずっと前からの友人のような気持ちになるのが不思議で、


語らうさ中に、ふと

なぜココに、桂子さんがいないんだろう!?


と、しばしば思います。


あたりを見渡し、
ふわふわと、桂子さんがいるかもしれない空を眺めてしまうのですが、、


この延長線上に、新たな愉しみごとや、うれしい時間が育まれていくことを、
強く思い描きます。






金色のハンガーに掛かっているのは過去の展示会用のサンプルで、今回の販売品です。

他の展示品は受注時に参考にしていただくための新たなサンプルです。

試着はお気軽にお声がけください。





採寸時の様子

小一時間ほどかけて丁寧に調整します



◆美名子さんの在廊は、
10/14(11時半頃~)と、10/19(午後・時間未定)です。


2024年10月10日木曜日

COREs2/木八個店

2024 October Exhibition《 COREs 》episode2 
▶会期     10/8(火)~20(日)
▶Open   11:00~17:00  ※最終日は16時まで
▶Closed 10/11(金)、16(水)

作家紹介4人目です。




木八個店/KIHACHIKOTEN (木工/関川村)

在廊日未定
Instagram @kihachikoten

器やカトラリーを中心に、木材の欠点と言われる節や割れ、虫食いなどを
あえて活かしたものづくりをしています。


【略歴】

2001年 飛騨高山森林たくみ塾入塾
2003年 同塾 卒塾
2007年 高山クラフト展 漆マテリアル賞受賞 現在、関川村にて個展、グループ展等多数


(橋本桂子さんについて)

私の妻に届いた手紙がとても印象的です。
私の2人の娘の名前とキャラクターに関する手紙でした。


今回は、橋本さんだったら何て言うかなぁ?と、
彼女のリアクションを想像しながら制作しました。





木八個店さんは、私が長岡でギャラリーを営むことが決まってから、
桂子さんが「素敵なものつくりをする作家さんだから出会ってほしい」と関川村まで案内してくれて、
自然に近い、様々な手仕事が暮らしの中に当たり前にある生活環境や、
木八さんの素敵なご家族様含め、丸ごとで引き合わせてくださいました。

__________


今思えば、桂子さんと一番長く過ごしたのはこの時でした。
お店を訪ねてもらったり、出かけた先で会うことはあっても、一緒に行動するのは初めてでした。

翌日は平野照子さんが当時住んでいた新発田市は菅谷の工房にも連れて行ってもらいました。

道中、行く先々で彼女が紹介してくれる様々なものごとに、
私の小さな世界はキャパオーバーで溢れていたと思います。


紹介していただいた誰に対しても、ちょっと距離を測りかねるような、
何もわからずにギャラリーを始める自分はどういう存在なのか、、、
ただ友人としてお邪魔しますと無邪気に甘えるのはちょっと違うような、、、
(実際はみなさん懐が広くて、あたたたかく歓待してくださったのですが)

未だなにものでもない自分の身の置き所を見つけられず、でもすべてが煌めいて感じられて
こころの中が、わあ、わあ、となっていたと思います。

そんな出会いからの今日、です。


桂子さんが美大で学んでいたことは、亡くなってから、それも最近になって知ったことですが、
そんな彼女は、門外漢だった私の新たな挑戦を応援するとともに、
いつかちゃんと(かどうかは定かでないですが)私らしい場を、ふたたび営むことを、
信じてくれていたのだと思います。。。

________

木八さんは先にご紹介した飯塚直人さんと同じく、2018年の開廊記念企画「あらたなはじまり展」と、2019年の伝説とも呼ばれるひと葉さんとの二人展以来、久方ぶりのご出展となります。

桂子さんが亡くなった当時も、のちも、
出会わせていただいた日のことを思い返せど、語る言葉も見つからなくて、連絡できなかったです。。


このたびの再会もまた、桂子さんからの贈り物。
久しぶりの木八さん(※作家名)の作品は、変わらぬスタンスのものと新たな展開のもの、
いずれもワクワクするものでした。


※木八さんは、ご本人の意向により作家名が変遷しています。
以後、「木八個店」の名で親しんでいただけたらと思います。







個性としての虫食いを究極に生かした楠(クス)のオーバル






うつわではなく「オブジェ」と銘打たれた楓のコブは、見覚えが、、、


旅立ちを待つ

あるいは見守り続ける 月





神代(埋もれ木)の楡(ニレ)は
グレーがかった木の色調を見てほしくてと、クリア仕上げ






フチを手彫りで整えた「花弁小鉢」は初めて出会うシリーズでした


ころんとしたかわいらしさと、手にした時の、案外どしりとした安定感は
どこか桂子さん的でもあります


弥生土器を意識したという「土器小鉢」と名付けられた器もあります。






ケヤキ古木 ビスケットトレー

(無塗装)



木のどんな個性をみせたいか、
どう仕上げたらうつくしいか、、、

それによって例えば花弁のカットを機械に託すか、揺らぎのある手彫りにするか、、、

塗装の有無や、色彩、細部まで木に寄り添った選択がなされます。







拭き漆で仕上げた銀杏(イチョウ)の盛り皿

和のものと思わず、パスタなどにも使っていただきたいと木八さん




虫食いや神代、黒柿など、希少な個性のある木を用いたものは1点ものの出会いですが、

入手可能な木を用いたうつわは、ご希望の数を追加でオーダーすることも可能です。

仕上げの色の好みもご相談ください。






ちょっと面白いのは、黒柿の薬味皿






上下ぴたりと重なる
黒柿の独特の模様が生かされたうつわ


猫大好きのひぐちキミヨさんは「猫みたいだよね」って言うんです。


会場をひと目眺めた瞬間に、

さび猫 が居る! と思ったのだとか





さび猫の薬味皿

遠目に眺めたのち、手に取ってご覧ください。





追加で届いたのは銀杏の花器で

予想だにしなかった白と黒の塗装仕上げ

ちいさな剣山がセットになっています


どんな風に活けていただけるか、、、


お花な方、ぜひーー💐