2024年10月10日木曜日

COREs2/木八個店

2024 October Exhibition《 COREs 》episode2 
▶会期     10/8(火)~20(日)
▶Open   11:00~17:00  ※最終日は16時まで
▶Closed 10/11(金)、16(水)

作家紹介4人目です。




木八個店/KIHACHIKOTEN (木工/関川村)

在廊日未定
Instagram @kihachikoten

器やカトラリーを中心に、木材の欠点と言われる節や割れ、虫食いなどを
あえて活かしたものづくりをしています。


【略歴】

2001年 飛騨高山森林たくみ塾入塾
2003年 同塾 卒塾
2007年 高山クラフト展 漆マテリアル賞受賞 現在、関川村にて個展、グループ展等多数


(橋本桂子さんについて)

私の妻に届いた手紙がとても印象的です。
私の2人の娘の名前とキャラクターに関する手紙でした。


今回は、橋本さんだったら何て言うかなぁ?と、
彼女のリアクションを想像しながら制作しました。





木八個店さんは、私が長岡でギャラリーを営むことが決まってから、
桂子さんが「素敵なものつくりをする作家さんだから出会ってほしい」と関川村まで案内してくれて、
自然に近い、様々な手仕事が暮らしの中に当たり前にある生活環境や、
木八さんの素敵なご家族様含め、丸ごとで引き合わせてくださいました。

__________


今思えば、桂子さんと一番長く過ごしたのはこの時でした。
お店を訪ねてもらったり、出かけた先で会うことはあっても、一緒に行動するのは初めてでした。

翌日は平野照子さんが当時住んでいた新発田市は菅谷の工房にも連れて行ってもらいました。

道中、行く先々で彼女が紹介してくれる様々なものごとに、
私の小さな世界はキャパオーバーで溢れていたと思います。


紹介していただいた誰に対しても、ちょっと距離を測りかねるような、
何もわからずにギャラリーを始める自分はどういう存在なのか、、、
ただ友人としてお邪魔しますと無邪気に甘えるのはちょっと違うような、、、
(実際はみなさん懐が広くて、あたたたかく歓待してくださったのですが)

未だなにものでもない自分の身の置き所を見つけられず、でもすべてが煌めいて感じられて
こころの中が、わあ、わあ、となっていたと思います。

そんな出会いからの今日、です。


桂子さんが美大で学んでいたことは、亡くなってから、それも最近になって知ったことですが、
そんな彼女は、門外漢だった私の新たな挑戦を応援するとともに、
いつかちゃんと(かどうかは定かでないですが)私らしい場を、ふたたび営むことを、
信じてくれていたのだと思います。。。

________

木八さんは先にご紹介した飯塚直人さんと同じく、2018年の開廊記念企画「あらたなはじまり展」と、2019年の伝説とも呼ばれるひと葉さんとの二人展以来、久方ぶりのご出展となります。

桂子さんが亡くなった当時も、のちも、
出会わせていただいた日のことを思い返せど、語る言葉も見つからなくて、連絡できなかったです。。


このたびの再会もまた、桂子さんからの贈り物。
久しぶりの木八さん(※作家名)の作品は、変わらぬスタンスのものと新たな展開のもの、
いずれもワクワクするものでした。


※木八さんは、ご本人の意向により作家名が変遷しています。
以後、「木八個店」の名で親しんでいただけたらと思います。







個性としての虫食いを究極に生かした楠(クス)のオーバル






うつわではなく「オブジェ」と銘打たれた楓のコブは、見覚えが、、、


旅立ちを待つ

あるいは見守り続ける 月





神代(埋もれ木)の楡(ニレ)は
グレーがかった木の色調を見てほしくてと、クリア仕上げ






フチを手彫りで整えた「花弁小鉢」は初めて出会うシリーズでした


ころんとしたかわいらしさと、手にした時の、案外どしりとした安定感は
どこか桂子さん的でもあります


弥生土器を意識したという「土器小鉢」と名付けられた器もあります。






ケヤキ古木 ビスケットトレー

(無塗装)



木のどんな個性をみせたいか、
どう仕上げたらうつくしいか、、、

それによって例えば花弁のカットを機械に託すか、揺らぎのある手彫りにするか、、、

塗装の有無や、色彩、細部まで木に寄り添った選択がなされます。







拭き漆で仕上げた銀杏(イチョウ)の盛り皿

和のものと思わず、パスタなどにも使っていただきたいと木八さん




虫食いや神代、黒柿など、希少な個性のある木を用いたものは1点ものの出会いですが、

入手可能な木を用いたうつわは、ご希望の数を追加でオーダーすることも可能です。

仕上げの色の好みもご相談ください。






ちょっと面白いのは、黒柿の薬味皿






上下ぴたりと重なる
黒柿の独特の模様が生かされたうつわ


猫大好きのひぐちキミヨさんは「猫みたいだよね」って言うんです。


会場をひと目眺めた瞬間に、

さび猫 が居る! と思ったのだとか





さび猫の薬味皿

遠目に眺めたのち、手に取ってご覧ください。





追加で届いたのは銀杏の花器で

予想だにしなかった白と黒の塗装仕上げ

ちいさな剣山がセットになっています


どんな風に活けていただけるか、、、


お花な方、ぜひーー💐