三者三様のインパクトを発揮している《Pegasusの会展》。
今回も新たな驚きと関心を寄せていただいているのは、金内沙樹さんの作品。
略歴とメッセージはこちら ⇒ ★
《 集塊 Ⅰ》
F0/ミクストメディア/2022
F0/ミクストメディア/2022
sold out
F0/ミクストメディア/2022
昨年の具象画から一転、立体的な抽象画へと表現を大きく変化させた沙樹さん。
メンバーの猪爪彦一先生も近藤充先生も、大変驚いておられました。
《 集塊 Ⅳ 》
F0/ミクストメディア/2022
用いた素材は、日々の仕事から生じるアルミや鉄の「切粉(きりこ)」。
明らかに金属のように見えるものや、モシャモシャとして、一見、何かわからないものも見受けられます。
作家メッセージに書かれているように、
それらは沙樹さんの「生活を形作っているもの」であるとのこと。
《 沈黙 》
21×29.7㎝/ミクストメディア/2022
21×29.7㎝/ミクストメディア/2022
絵具などの画材とともに混載されている金属片は、
脈絡なく探してきたものでなく、アートとして切り離されたものでもなく。
鋭く、不定形で、硬質な静けさの集合体は、
おそらくは火花を放ちながら、各々に雄叫びをあげて生まれてきたものたち。
「原風景を思い出すように」描いたという今展の作品。
長年の交流のある近藤先生も、改めて、
沙樹さんは「ものつくりのおうちに生まれたひと」なのだということを、
作品を通して感じ入っておられました。
《 脈動 》
F0/ミクストメディア/2022
F0/ミクストメディア/2022
とても静かな佇まいの沙樹さんが発する言葉は、とつとつとして、やわらかですが、
もともとは「グロテスクなもの」を描いていて、
昨年のPegasusの会展の会場での様々な語らいから、
そうしたダークなものを、再び(自由に)描いてもいいのではないかと思ったとのこと。
《 静寂 》
P3/ミクストメディア/2022
P3/ミクストメディア/2022
「グロテスク」志向でありながら、どこか客観視できる穏やかさを感じることを伝えると、
「ひとさじのやさしさを…」と、
自分でも「振り切れていないのはどうかと思うけれど… 見るひとへのやさしさを忘れないように…」
と仰いました。
と仰いました。
それが、沙樹さんの世界なのだと思いました。
《 形骸 》 部分
M3/ミクストメディア/2022
M3/ミクストメディア/2022
《 浸蝕 》部分
P3/ミクストメディア/2022
前年までのダークな色調から、作品が大きく明るく変化したことを書き記しています。
それらの作品は初めて出会うお客様にもとても好評だったので、
今年もその作風の延長で制作されるものと、関係者誰もが思って迎えた今展。
この一年に沙樹さんが思い描いていたことは、私たちの想像とは大きく異なっていました。
昨年のあの表現を(一旦であれ)手放したことに、私はシビレています。
今、一番、描きたいものは何か、
そのことに真摯に向かった一年の日々だったのだと感じます。
これから更に、彼女なりに「振り切る」時が来るのかもしれません。
誰にも遠慮することなく、描きたいものを追求していかれる姿を、
昨年にも増して、たのしみに思う今年のPegasusの会展です。
沙樹さんをイメージして、と展覧会に寄せていただいたお花。
優しさの中に、力強さのあるうつくしさです。
どうぞお出かけください。