2022年4月5日火曜日

Journey/さとうゆか

さとうゆかさんの作品には「なんだろう?」がたくさん。

見る人にどんな旅をもたらしているでしょうか。





作家略歴とメッセージ ⇒ 
在廊予定 3/29、4/5(14時~)、4/10(午後)


壁面のキャプションには書かれていませんが、資料に書き添えられたコメントをご紹介します。






《 I wish you were here / あなたがここにいたらいいのに 》

Ф260 d90mm(2021)






曇天に親しみを感じたロンドンで降った雨
勢い良く降り、すぐに止んだ。





《 HILL / 岡 》

Φ260 d150mm (2021)


岡山で見た植物の総合的な姿。






タイトル”岡” は岡山の ”岡” でもあるとのこと。





《 おぼろな黄の夢 》

Φ200 d70mm(2022)


高速のライト
何らかの植物など






《 Bridge 》

h135 w900 d530mm(2022)


橋、橋をかける、埋める、乗り越える。

母の実家に行くために、父の運転した車で瀬戸大橋を渡った。






【Bridge】には様々な意味があるのでした。

作品に「お手を触れないで」マークを添えましょうか?と尋ねると「そっとなら触れてもらっても大丈夫です」とゆかさん。「壊れたらその方が気にされると思うので」触れないでいただく方がよいですが、本人は ”壊れない” ことをあまり重視していない様子。

【move】=動く・動かせる ことも大事な要素。

作品《Bridge》を構成しているものは、ほぼ固定されていません。
移動するたびに、改めてその地で再建される作品。





《 California 》

h540 w770mm  可変(2022)


アメリカ旅行で母が撮影したカリフォルニアの道路。






こちらも「可変」であり「積極的携帯可能」な作品。
フレームを解体して、クルクル巻いて、どこにでも持ち運ぶことができます。






《 あらわれたくま 》

h250 w160mm(2022)

sold out


アメリカで買ってもらったサラサラの毛のくまのぬいぐるみは、
すぐに母によって洗濯機で洗われ、毛が絡まりモジャモジャになった。
洗剤の良い香りがした。





エアコンの風に

 moving, moving
 


裏側も見てほしくて浮かんでいます。


時の経過を感じさせる愛らしい作品は、
思い出をもとに、このたび新たに作成されたもの。

そうでしたか、、、
私が引き出しの奥にしまっている毛の絡まったねこ(のぬいぐるみ)とは違うのでした。


嗚呼、これが作家の成せること。


「洗われたくま」ではなく「現れたくま」かもしれない、とお客様。

《Bridge》の構成物も、別の見方をせねばならぬ気がしてきます。





《 Hiking 》

h200 w300mm(2022)

sold out


納棺の際に、旅支度をした父を見て浮かんだ意気揚々と旅立つ姿。






《 不在 》

h210 w300mm(2022)


もうこの世から旅立ってしまった人に届く手紙を見て、
いないことを実感した。


He went on a Journey.







そっとお手に取ってごらんください。






ゆかさんがデザインした切手部分の拡大版を収めたアルバムが、喫茶室入口にございます。
作品ファイルと併せてご覧ください。







そこにあるのは、過去から今に、そしてこれからも続く旅。




古いようであたらしい

朽ちていきながら、生まれ変わる


とどまることなく変わり続けるのは

ゆるやかに、やさしいばかりではなく

突然に、絡まってしまうこともある


忘れ難い瞬間の集積と、大切な核心の抽出と出現。

見るごとにしびれています。





ゆかさんのキャプションには価格表示がありませんが、すべて販売品です。
お気軽にお尋ねください。