2018年4月23日月曜日

第Ⅱ期 作家紹介①

第Ⅱ期~クラフトの光~ もまたバリエーションにとんだ
様々な道を行く方にご参加いただくことができ、
とても愉しい展示となっています

参加作家14名を順次ご紹介します



川鍋幸弘さん

木そのものの風合いを活かしたものつくりを志しておられます

家具も作られますが、今回届けていただいた暮らしを彩る小物たちは
漆で仕上げる際にも木目を残すように、ともすれば漆が塗られているとは
思わないくらい、そのものの風合いを残した作品たちです
※黒柿と楢のお盆はオイル仕上げ、それ以外は漆仕上げです

関川村で制作されています
長岡では初お目見えかもしれません
この機会にぜひお手に取ってご覧ください

とりわけご紹介したいのは秋田杉のプレートのシリーズ



厚みのある焼杉の花台? にも見えるかもしれませんが


秋田杉の板を
縦にスライスして、漆で仕上げたプレートです


縦に割いて現れた
このうつくしいフシをそのままに魅せます

漆仕上げなのでお料理をそのまま乗せても大丈夫
天ぷらなどの油ものや、水気のあるものが触れても
板に染みる心配がありません

再び重ねればピタリと元のさや、ならぬ元の板に還れるよう
バラ売りはなさいません


 

2枚、4枚、8枚のセットがございます
もちろん重ねた状態で、飾り台にしても素敵です






大橋保隆さん

金属でありながら、こんなにもおだやかでやさしく感じられるのは
この方のお人柄と、目指すところによるものであるように思います

鎚起銅器職人の道を、早くから志して歩んでこられた方
仕事への厳しい姿勢は造形美にピシリとあらわれていますが
その品を手にする時のことを思うと、頬ゆるみ、たのしくなるのです



大橋さんの鎚起銅器に、飯塚直人さん(後述)が漆で仕上げた酒器
「イイハシナオタカ」シリーズ(片口、カップ、ぐい呑み)

我が家には何年も前に夫が買い求めた形違いのぐい呑みがありますが
これからの季節、冷酒を飲まれる方には大変オススメです

冷やしてあったお酒でも、注いだ瞬間、さらにキリっと
漆で仕上げてあることで、口当たりの金属感がやわらいで感じられる
みごとな鎚起銅器と漆のコンビネーション

片口・注ぐもの、いろいろございます
お手に取ってお確かめください





飯塚直人さん

独特な色彩の漆が印象的で
焼き物でなく漆なのですか! と驚かれます
土もの?と思いながら持つのでなおさら、軽さにも驚かれます

漆製品は木地師と塗師の分業が一般的だそうですが
木地から挽くことを大切にする飯塚さん

あえてたわみをのこした欅の鉢なども、まるで焼き物のように見えますが
軽くて薄くて丈夫なのは、木製で、漆仕上げだからこそ



くり抜きの角盛り器や、栃の木の花器も

とてもうつくしい佇まいです




こちら、最初にご紹介した川鍋幸弘さんのぐい呑みも
飯塚直人さんとのコラボレーション

高岡クラフトコンペ漆賞受賞作

年輪の木目を浮き立たせた木地は
川鍋さんのこだわるところ

きれいにろくろで挽いたあと、外側だけ「うづくり」に仕上げたのを
飯塚さんに感じるままに漆を塗っていただいたとのこと

※うづくり=表面に硬い年輪が浮き上がるように、柔らかい部分を削るように磨くこと


それぞれの追求するものが
限られた一点においてクロスした時
愉しくも挑戦をはらむ作品が生まれるのでしょうか