2022年9月22日木曜日

【御礼】しんぞう個展/スポンジ

2022/9/5~18に開催いたしました《しんぞう個展「スポンジ」》は、
三連休のなか日、にぎわいながら無事に閉幕いたしました。





《向き合うべきもの》



自身をこの時代の社会現象のひとつと捉え、自らを描くことで時代を映すSINZOWさん。


自らをさらけ出しながら、それは貴方や貴方の隣人であるかもしれない、
と投げかける作品が、観る人のこころと重なる様子をしばしば垣間見せていただいた展覧会でした。


”世代”や”時代”をに感じる傍らに、”一個人”の歴史が浮き上がることに、
SINZOW作品の大切な意義があるように感じました。



《おばさん》と《若者》


今回、若い方々も多数ご来訪くださったことを、喜んでおられたしんぞうさん。


これまでは自分より上の世代の文化に興味を持ってきたけれど、
子育てをする中で、下の世代(10代、20代)の文化や感性が気になりだしたとのこと。

在廊時はお客様とも、私とも、たくさん語らってくださいましたが、
日を改めた搬出日も、これまでのこと、今のこと、これからのこと、、、
おしゃべりは尽きませんでした。





《すぐ上に乗っかってくる》



社会事象に関心を持つSINZOWさんの作品世界が、
”個”から始まり、時代の空気を含んだのちにまた”個”へと戻ることに興味を抱くのは、
私自身もまた、社会に目を向けながら、
展覧会を通して出会う(自分を含めた)個々人の世界に、最も関心があるからかもしれません。


お越しくださるおひとりおひとり、そして作家という一個人。


「皆さま」と書く向こうには、できうる限りの、おひとりおひとりを思い浮かべます。

SINZOW作品世界を愉しんでくださいました皆様、
どうもありがとうございました。


SNSで発信してくださいました皆様、DM設置にご協力くださいました事業所ならびに、
ご掲載くださいました新聞社様にも、こころより御礼申し上げます。
ありがとうございました。






うつくしい色彩への自身の解放と、描くことのたのしさに加えて、
陶立体という新たな境地の始まりをみせてくださったしんぞうさん。

素晴らしい展覧会を、どうもありがとうございました。







すべての世代の個々人に、よき日々を






次回展覧会は10/15より

《 田中幸男 個展 》

詳細は改めてご案内いたします。



2022年9月17日土曜日

《まだ大丈夫か》と《ここち》

構図のユニークさと波の美しさに見入ってくださる方の多い作品。



《 まだ大丈夫か 》

キャンバス・アクリル/31.8×41㎝/2020

sold out



描くことそのものをたのしんだ、海水浴のひとこまのような作品ですが、
コロナ禍の気持ちを描いたものでもあるとのこと。

県外・海外を中心に活動するしんぞうさんにとって、
外出自粛や移動制限など、様々な影響があったことと思います。


岩にしがみついて、「なんとか生き残るぞ!」という思いが込められているのだとか。


でも、波のきわをしっかりと目視しているそのひとは、
全身で波と戯れ、笑みを浮かべているように見えます。




そしてガラス棚では驚きのシンクロが起きました。


右側にある、ころんとした作品は蓑輪朋和さんの銅の花器《ここち》。

お客様へのお渡し待ちの作品で、その日まで飾っていてくださいと仰っていただいたので、
休廊期間中は松田路子さんのフタモノの作品と並べてガラス棚に置いていました。


そしてしんぞうさんの搬入日到来。
作品の展示場所を二人であれこれしながら《まだ大丈夫か》をガラス棚に置いてみると、

アラぴったり(*´∀`)人(´∀`*) 、、、ん!?





岩だね、岩☆☆☆

私にはもう、あのひとが《ここち》によじ登っているようにしか見えないのでした。


《ここち》のことをご紹介した「スピンオフ②ヤマノヨブコエ」⇒ に書きましたが、
蓑輪さんの作品は過去にも矢尾板克則さんの作品と、図らずものフォルムのシンクロがありました。


《ここち》をお預かりしてここに飾っていなければ、
その隣に《まだ大丈夫か》を置いてみなければ、
気が付かなかったかもしれない不思議なシンクロ。


鎚起銅器職人でいらっしゃる蓑輪さんは、アート作品をつくるときは、時代への眼差しと思いを込めた造形をされるので、そうしたところも、しんぞうさんと通ずると感じます。


伝統工芸と現代アート、異なるテンションの作品ではありますが、

しんぞうさん、会期末までご一緒させてくださり、ありがとうございました。



それぞれのお客様のもとへ旅立つ作品。

蓑輪朋和さんの《ここち》は土曜の夕方までご覧いただけます。








2022/9/5(月)~18(日)

しんぞう 個展 「 スポンジ 」

open    11:00~17:00  ※最終日は16:00まで
closed  9/8(木)9/14(水)

◆在廊日 9/5,7(夕方4時まで)、9/18(終日)

SINZOW  HP ⇒  
Instagram⇒ @sinzow_art   



《Fire works No.2》《Hurry》

しんぞうさんの、色と色が出会い、溶け合うはざまがすきです。

世界はこうした”色”で表すことができるのだと、
初めて出会ったようなきもちで見惚れています。







《 Fire works No.2 》作品部分



こちらのトピックスでしんぞうさんの解説とともに掲載しています⇒






絶賛してくださった日本画家さんが、この作品はどこかの美術館に収蔵されるべきだ!
と興奮しながら仰ってくださいました。








瞬間を描くための黒







切ないほどのいとおしさ




《 Hurry 》

キャンバス・アクリル/38×45.5㎝/2019






母は何が合っても走らねばならないことがあります。

母と子をつなぐ絆のビリビリとした通電。


この作品は当初、壁面スペースの兼ね合いで展示しなかったのですが、
やはりグレーの時代の作品のうつくしさもご覧いただきたく、喫茶室の長机に置いた次第。





《 Holiday 》作品部分

こちらのトピックスでしんぞうさんの解説とともに掲載しています⇒




《 まだ大丈夫か 》

キャンバス・アクリル/31.8×41㎝/2020

sold out




喫茶室奥のガラス棚に展示しています。


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2022/9/5(月)~18(日)

しんぞう 個展 「 スポンジ 」

open    11:00~17:00  ※最終日は16:00まで
closed  9/8(木)9/14(水)

◆在廊日 9/5,7(夕方4時まで)、9/18(終日)

SINZOW  HP ⇒  
Instagram⇒ @sinzow_art   



2022年9月16日金曜日

絵付けのうつわと版画

喫茶室には、絵付けのうつわと版画、作品集なども展示しています。




様々なことに興味を持ち、トライするしんぞうさん。
お皿と湯飲みは、複数の作家による絵付けの企画から生まれた作品とのこと。


京都府宇治市で400年の歴史を持つ「朝日焼」さん⇒ のうつわに、
しんぞうさんが絵付けしたもの。






地元・宇治の陶土にこだわり、お茶の産地ならではのお茶のうつわを中心に作陶してきた窯元による、確かなつくりのうつくしいフォルムに、しんぞうさんの いぬ。

絶妙な抜け感のバランス。


砂に描いた絵が、寄せる波に消されていくような、、、
海辺を思わせる釉薬は、しんぞうさんいわく「小針浜」。





《 Cookies 》

モノタイプ・小国和紙/33×25/2020





《 Come back 》

モノタイプ・小国和紙/33×25/2020



Cookies》は日常を描いたもの(画像は実作品の色を再現できていません)、
《Come back》は「よみがえり」のシリーズから。


昨春の「hope展」に出展してくださったアクリル画の作品は、倒れたひとに太陽の光を反射させて、蘇らないかな、、、 と「まじない」をかけている絵でした。





《まじない》2016

2021年4月「たびのそら屋/hope展」出展作品 ⇒ 当時のブログ



起き上がるにはあと一歩、というところ、、、
今回の版画ではムクリと起き上がっています!


昨春、《まじない》を観てしんぞうさんのファンになってくださった若い方が、
「生き返ったんですね!!よかった!!」と、喜んでおられました。


こころに刻まれるしんぞうさんの作品。





Come back!!




しんぞうさんが自らシルクスクリーンのプリントを施したTシャツは、
あと1枚(男女兼用M)です。



明るい色を使うことを、まだ自分に許さなかった頃の作品が収められた作品集。
このころのグレーな作品ファンも、たくさんおられます。

ぜんぶ、しんぞうさんの世界。

会期は9/18(日)までです。

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しんぞう 個展 「 スポンジ 」


2022/9/5(月)~18(日)

open    11:00~17:00  ※最終日は16:00まで
closed  9/8(木)9/14(水)

◆在廊日 9/5,7(夕方4時まで)、9/18(終日)

SINZOW  HP ⇒  
Instagram⇒ @sinzow_art   



2022年9月14日水曜日

旅コーヒー/コーヒーとタープさん

たびのそら屋の喫茶室では、展覧会ごとに異なるお店から取り寄せたコーヒーを「旅コーヒー」と称してご提供しています。

遠い国から運ばれてくるコーヒー豆を、丁寧に選り分け、焙煎するひとが全国各地におられます。

私が旅先で出会ったお店もあれば、出展作家さんからご紹介していただいたお店のこともあります。

かつて訪ねた地や、いつか訪ねたい場所を想いながら、お客様といただく旅コーヒー。




《 しんぞう個展「スポンジ」》会期中の旅コーヒーは、

十日町市蓬平の「コーヒーとタープ」さんのお豆です。

先のご紹介記事もご参照ください⇒






今回のラインナップは、東ティモール、ルワンダ、エルサルバドル。

オンラインストアに店主・会田さんのそれぞれの豆への思いが書かれていますので、
ぜひご覧ください。⇒

と書いたところ、、、只今メンテナンス中でしょうか、オンラインストアの商品が表示されませんので、
事前に送っていただいた今回のお豆の紹介文を一部、転載させていただきます。

報道カメラマンとして紛争地にも赴いておられた会田さん。
今もコーヒーを通して ”旅” されていることが伝わってきます。

Instagramには日々の暮らしが⇒



 


東ティモール・フェアトレード有機豆 (ウォッシュド)

甘みと酸味がバランスよく共存し、透明感のあるまろやかなコーヒー

 

東ティモール最高峰ラメラウ山を望む尾根に広がるレテフォホ村で育ったコーヒー豆。レテフォホは現地の言葉で山の上(lete=上、foho=山)という意味。

 

コーヒーベルトの真ん中に位置し、標高は13002100m昼夜の寒暖差がとても大きく、日中太陽の光を吸収して膨らんだ果実は、夜の寒さで収縮します(僕が滞在した時も、昼間はTシャツで過ごせても、夜は持っている服を全て着込んでも寒かった)。これを繰り返すことによって甘いコーヒーチェリーへと成長していきます。また、年間の降雨量は25003000ミリほどあり、美味しいコーヒーの実が育つ条件がそろった環境で、昔ながらの自然農法で栽培した後、完熟豆を手摘みで収穫しています。

 

僕は2008年に初めて東ティモールを取材で訪れました。王子ネピアとユニセフによる「水と衛生のプロジェクト」を記録するためでした。2014年に出版した拙著「トイレをつくる 未来をつくる」(ポプラ社)の取材中、毎日、一緒にコーヒーの森に入り、完熟豆を摘み、コーヒーを淹れてもらいました。僕の自家焙煎を始めた原点がここにあります。




ルワンダ・アバトゥンジ農園 (フルウォッシュド)

花や柑橘系のような上品な香りと甘味。アバトゥンジ特有のピュアな酸味が広がります。

 

ここは1904年にドイツ人宣教師(ジャーマン・ミッション)によってコーヒーが持ち込まれたルワンダ・コーヒー発祥の地。豆はロングベリーのブルボン。現地では「イカワンデンデ」と呼ばれています。

 

報道カメラマンの僕としては、ルワンダといえばルワンダの大虐殺をどうしても思い起こしてしまいます。1994年にフツ族とツチ族の民族対立から端を発して、50万〜100万人の犠牲者が出たと言われています。映画「ホテル・ルワンダ」や「ルワンダの涙」をご覧になられた方も多いかと思います。

 

そんなルワンダでは今、コーヒーで復興を遂げようと国をあげて栽培に取り組んでいるそうです。僕はそんなコーヒーを応援したくなるのです。



エルサルバドル・ゴビアド農園 (ナチュラル)

ワインのように濃厚で甘みが長く続く広がりのあるコーヒー

 

アウアチャパン西部アタコは、標高が高く、コーヒー栽培にとても適した土地として知られています。標高1300mでコーヒーは生育しており、約12ヘクタールの農園では、主に品種ブルボン、パーカスがインガのシェードツリーの下で育っています。ゴビアド農園で収穫されたコーヒーはエルカルメン農園が所有するか工場で処理され、アフリカンベッドにて約14日間乾燥されます。乾燥後約1ヶ月間熟成され輸出されています。

 

エルサルバドルと言えば、オリバー・ストーン監督の映画「サルバドル・遥かなる日々」が思い出されます。米国人フォト・ジャーナリストのリチャード・ボイルが、エルサルバドル内戦を取材した際の自らの実体験を描いた小説を映画化。 僕はアメリカのミズーリ大学でジャーナリズム学部報道写真学科の学生だったころ、授業で見ました。

 

このコーヒーを飲むと、映画を見終わった後の甘酸っぱさを思い出します(コーヒーのテイストとは関係ありませんが)。






「コーヒーとタープ」さんのある、やぶこざきキャンプ場
好きなところでコーヒーを飲むことができます


本当にきもちよかったこの広場の景色を幾度も思い返します。


先日、会田さんと蓮池ももさんが《しんぞう個展》に訪ねてくださいました。


会田さんがカウンターの外で、私が内側に居るというシチュエーションは、
再びあるかどうかという貴重な事だったかもしれません。
(緊張しましたーーー(*ノωノ)


うれしい出会いと語らいの時間でもありました。

会田さんと、ももさんのこころにも、
ご来訪のみなさまのこころにも、展覧会のひとときが残れば、とてもうれしいことです。

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しんぞう 個展 「 スポンジ 」


2022/9/5(月)~18(日)

open    11:00~17:00  ※最終日は16:00まで
closed  9/8(木)9/14(水)

◆在廊日 9/5,7(夕方4時まで)、9/18(終日)

SINZOW  HP ⇒  
Instagram⇒ @sinzow_art   




2022年9月13日火曜日

陶立体作品②

陶立体作品のご紹介その2

しんぞう 個展 「 スポンジ 」


2022/9/5(月)~18(日)

open    11:00~17:00  ※最終日は16:00まで
closed  9/8(木)9/14(水)

◆在廊日 9/5,7(夕方4時まで)、9/18(終日)

SINZOW  HP ⇒  
Instagram⇒ @sinzow_art   








陶芸を初めて1年ほどのしんぞうさん。
様々なことを模索中。

釉薬の加減や、焼成における「酸化」と「還元」でどのような仕上がりになるか、
窯出ししてから驚くことばかり、とのこと。


「途中までタイトル通りな感じに出来ていたのに、還元で焼いたらこんなになっちゃった」
と言うこちら、






《 聡明な女 》

sold out





ええーーー とってもいいのでは☆







頭の窯変部分も最高です。






足先の造形も好き。






聡明で素敵な女性が選んでくださいました。





《 Thinking man  》






こちらの手脚もすき。
この画像では写せていませんが、ひそかに小指が立っています







何を想う、夏のおわり






温泉と温水プールは一年中たのし。







《 温泉 》





《 Swimwear 》





《 Swim ring 》






《 おばさん 》





《 若者 》






若者も疲れるよね。






《 親子 》





よく見ると、、、、 





脚が。。。片方、無いですか?




しんぞうさんは、変色したり、壊れたり、変化していくものが好きとのこと。

わざわざ古いもののように描いたりエイジングすることはせず、

和紙に描いた作品が、よれよれになったり、変色していくこと、
焼き物であればちょっとしたことで欠けること、、、

そういうことに興味がある様子。


この作品は制作途中でおちびさんの足先が欠けてしまったそうですが、
しんぞうさんにとってはそのことこそが陶芸作品の本質で、
そういうもの、として展示しておられます。





後ろもかわいいお洋服



語らう二人






《 おかしな二人 》

キャンバス・アクリル/31.8×41/2019



◆9/14(水)の休廊日を挟んで終盤へ向かいます。