2019年12月29日日曜日

2020年最初の展覧会

年明けの展覧会のご案内です

矢尾板克則 展 - useful と useless -

2020/1/13(月祝)~1/26(日)※休廊日 16(木)・22(水)
OPEN  11:00~17:00  ※最終日は16時まで

◆作家在廊 13(月祝)・26(日)


                           




                              


これ何に使うんですか?と聞かれて返答に困ったり、
壁に掛けた陶板の絵にパンが盛られて出てきたり、

useful と useless

そんなに違いはないようです


両者のあいだを自由に行き来できるのは
ステキなことだと思います




そんなふうにおっしゃる長岡市在住の陶芸家・矢尾板克則さんの個展です
展示室2室を用いて「役に立つものと、役に立たないもの」たちの佇まいを
お楽しみいただきます


新年の贈り物のような展覧会になると思います

特別だけれども、それが日常の中に在ることを確かめるような
日々の中に隠れていた宝物に、不意に気が付いて驚いたのち、
頬がゆるむ瞬間のような



県内外各地で(近年では国外でも)広くご活躍の矢尾板克則さん
当ギャラリーでは2018年の開廊企画「あらたなはじまり展」第Ⅰ期にご参加いただいて以来、
念願の初個展となります

ゆったりとした空間でお手に取ってご覧いただけるのは、
地元では希少な機会かと思います

その器やオブジェが醸し出す気配や、あたたかい手触りに、
ぜひ出会っていただけたらと思います


どきどきしながら開幕を待ちます

どうぞおたのしみに



【作家略歴】

1969年 新潟県生まれ
1991年 武蔵野美術短期大学 工芸工業デザイン陶磁科卒業
      山本幸一(熊本)に師事
1995年 新潟県長岡市に工房設立
1998年 日本クラフト展 優秀賞
2000年 ビアマグランカイ 佳作賞
2016年 BORNHOLMS MUSEUM (DENMERK)にて個展開催



【個展】 
桃居(東京)、ギャラリー炎舎(新潟)、FUURO(東京)
うつわ祥見(神奈川)、gallery noir / NOKTA(静岡)など多数


2019年12月23日月曜日

【御礼】エックス展Ⅹ

2019年12月12日より開催いたしました
「エックス展Ⅹ ~若きクリエイターたちの自由表現~」は
22日、閉幕時刻までたくさんのご来訪をいただきながら終了いたしました




名残り惜しき最終日の朝




雪!




作品「かつて玉座だったもの」が
雪で半分くらい埋もれてほしかった作者が
前日の朝に降らせました




ライブ感満載でした

たくさんのギフトをいただいた気持ちです

これからも日々挑戦し、変わり続けていく16名の作家たちの2019年の「今」に
会場として出会わせていただけましたしあわせを、かみしめています


遠方からもご来訪いただき、展覧会を楽しんでくださいました皆様、
喫茶室にお立ち寄りくださった皆さま、どうもありがとうございました

参加作家の皆さま、そしてコーディネーター・外山文彦さんにも、
こころより、厚く御礼申し上げます

今展覧会への感謝を携えて、2020年に向かいます




ナイスなバックプリントの後ろ姿を
撮らせてくださったお客様

ありがとうございました


若き未知数たちに

エールも無限大





次回展覧会は 2020/1/13~26

矢尾板 克則 展
- useful と useless -


休廊日等詳細は改めてご案内いたします

どうぞおたのしみに



2019年12月22日日曜日

エックス展Ⅹ⑪CafeX

12月22日(日)「エックス展Ⅹ」はいよいよ最終日
11:00オープン 16:00までです

16名の参加作品とは別に、喫茶室を「CafeX」として
特別展示された3名の作品もどうぞお見逃しなく
(いずれも販売しています)




大瀧洋平さん

長岡市生まれ
2005年 長岡造形大学卒業
2007年 文星芸術大学大学院(油画コース)修了

第4回、6回~8回のエックス展参加作家ということで
この度 CafeX にご登場




当時住んでいた窓からの景色が描かれた作品たち




かつて「未知なる可能性」と呼ばれた作家が
今もその道を邁進している姿は
出会ったすべての人の喜びではないかと思います




高木秀俊さん

こちらは先にご紹介した通り、今回の参加者でもあります

今回の出品作品とは全く異なる作風で、
常に新しい技法や表現に挑まれていることを知っていだきたく

有りそうで、「無い」ということに逆に驚く「架空の果実」シリーズ
そのやわらかく美しい色彩に、冬の季節に出会っていただきたく

1月の展覧会でも引き続き展示・販売いたします
他3枚ございます、お声掛けください




そしてエックス展のコーディネーター

外山文彦さんの作品もこちらにございます




どうぞお見逃しなく


2019年12月18日水曜日

旅コーヒー・KONA SNOW さん

「エックス展Ⅹ」会期中の喫茶メニュー「旅コーヒー」は、
今年7月に長岡駅東口にオープンした
スペシャルティコーヒー専門店「KONA SNOW 長岡店」さんのお豆です




長岡の地に親しもうと心がけながら過ごしてきた2019年
行動範囲こそ、さほど広がりませんでしたが、
いろんなことが、自分だけにはわかるように少しずつ変化して

「手がかり」のような(それはとてもあたたかい)ものを
得ることができたと感じている maiosn 暮らし2年目です

KONA SNOWさんは新潟市内でそのお豆に出会って以来、気になるお店さんのひとつでした
長岡店ができたことを知ってから、伺えたのはようやくこの年末でしたが
とても素敵な兄弟さんが切り盛りしておられます

長岡にお迎えする、などと言える立場ではない、同じく新参者の私ですが
なんだかうれしくて「ようこそ」と言いたくなるお店さん

珈琲歴40年の焙煎士のいるスペシャルティコーヒー専門店だけあって、
お豆の美味しさはいうことなしですが、
店内に醸し出されるあたたかい空気が「ほんとうのスペシャルティコーヒー」を
完成させているように感じます




今回の喫茶室でのラインナップは、
香りを残して酸味を抑えたコクのある、イルガチェフェ・ベレカG1の中深煎り
マイルドで甘みがあるブラジル・プレミアムショコラをセレクトしました


新たに「長岡の味(場)」のひとつになられたKONA SNOWさんのコーヒーで
一年を締めくくる「エックス展Ⅹ」を過ごさせていただいています

会期は残りわずか、22日16時までとなりましたが、
余韻のひと時をどうぞお過ごしください


エックス展Ⅹ⑩作家紹介8

16名の出展作家のご紹介
最後になりましたのはこちら


家崎 萌 さん

上越市生まれ
佐賀大学卒業後、東京で小学校教諭として8年間勤務のちUターン
上越教育大学大学院 修士課程修了
兵庫教育大学大学院博士課程在籍
現在、アーティスト・イン・レジデンスでプラハ在住




10月にご参加された「弥彦野外アート展」の折に
こちらの作品を搬入展示してくださったのち
プラハへ旅立たれました




この時取材していただいた記事が
新潟日報 2019/12/4 文化欄の「にいがたの気鋭」
に大きく掲載されています

「作家紹介ファイル」にも綴られているのでどうぞご覧ください



つまり、ひと月以上も我が maison にイン・レジデンス
してくれている作品

「棲家たち」
(すみかたち)

廃材を組み合わせ、のみで削り、やすりをかけ、色鉛筆で彩色されています




「場を移動すると、何が起こるか」は、子ども時代からの関心事でした。

2017年末からのチェコ・プラハでの研究が現在に至ります。
特にプラハでの経験は、場所の移動について深く考えるきっかけとなりました。
異国で自分の在り処を不確かにさせることが、逆説的に「居場所」のテーマの強い意識に
つながったと感じます。
また、内側と外側を持つ造形は、「アカデミックな彫刻」とは別の面白さがあると感じています。
内側への感覚は、見るというよりも、共に「在る」、そのものに「なる」感覚に
感じられるのです。

(作家紹介ファイルより抜粋)



先に「作家紹介6」でご紹介した、なぎまいこさんの作品「ÉTRE 」
への理解も深まるような一文です

勝手な解釈ではありますが
こういうリンクに出逢うのもうれしいグループ展

作家たちそれぞれの生き様、暮らしの中で追究されていく核心
カタチあるものに表現され、世に放つことで確かめ、掴み、越えていく、、、

そしてもう、そこには居ない様子を
感じさせていただいている「エックス展Ⅹ」は
22(日)16時までです




出番はまだかまだかと待っていてくれた「棲家たち」

個人的にはかつてないほどにシンパシーを感じる作品です




小部屋の明かりをつけに行く度に 

おはよーー
今日もよろしくーー
おつかれーーー
おやすみーー

と挨拶するのです



一緒に過ごせるのもあとわずか

だいぶ寂しいけれど、みんな旅びとだものね

どうもありがとう


どこかの空の下、また会いましょう





エックス展Ⅹ⑨作家紹介7

暮らしの中で発芽する衝動が
ストレートに作品になっている時の力強さ

12/18(水)は休廊日です
「エックス展Ⅹ」会期は12/22(日)16時まで




naomi hirose さん

長岡市生まれ

保育士を経て創作活動を始める
保育士時代、子どもたちのいいところ探しをしたとき
自分の心が最高に喜んだことに気付き
「あなたは素晴らしい存在だよ」と伝えられる人生にしようと決意




「勇気」

勢いだけでない勢い




「嫌いのおかげで好きがある」

黒色の中のうつくしいブルー




「世界の端から端までありがとう」


作品を通して伝えたいという
まっすぐな思いの放つ瑞々しさに触れます


2019年12月17日火曜日

エックス展Ⅹ⑧作家紹介6

静かな息づかいを感じる作品たち
吹き抜けるは野分か、そよ風か



新潟県妙高市出身
2013年 多摩美術大学絵画科油画専攻 卒業
2019 上越教育大学大学院 教科・領域教育専攻 
芸術系教育実践コース(美術)在籍


 


「流れる景色と一瞬の停止」



風景をモチーフとして作品制作をしています。
最近は、自分と風景の間の宙に舞っているものが気になっています。
雪や雨、花や枯れ葉、トンボや鳥のような存在です。

近景から遠景へと、バラバラに散ったものたちは、どこまでも広がる風景と、
画面上でどのように関われば良いのか。
そういったことを考えて今回の作品を作りました。

風をまとって散らばったものが、風景の中に配置された一瞬の光景です。

(作家紹介ファイルより)




「通り過ぎた草むらの影に」




新潟日報2019/12/11に掲載された外山文彦さんの寄稿文に
添えられた画像はこちらの作品




「散り散りに舞って視界を阻む」


透明感のある油彩です

記事を見て実物を確かめに来てくださった方が熱く感動してくださったり
小学生の女の子が、この絵が好きと教えてくれたり

それぞれの作品に
様々なドラマや会話が繰り広げられているのを感じます






なぎ まいこ さん

三条市生まれ
グラフィックデザイナー

2007年 長岡造形大学卒業
2011年 渡仏。フランス語や芸術を学ぶ
主に心理的、哲学的観点からの抽象作品や心象風景を描く



「 ÉTRE  」

昨年に続きクレパスの大作

タイトルは英語のbe動詞にあたるフランス語で
「~である」「~にいる」を意味する自動詞とのこと

作品前にベンチを配置させていただいたのは会場側の都合ですが、
なぎさんは、タイトルの意味からも椅子が在るのは合うのではないかと
ご快諾くださいました(感謝)




向かい合い、存在を確かめ合うもよし
背に存在を感じながら、身をゆだねるもよし




間近で観るのも好きですが
ハチ(と名付けているお客様がいらっしゃいました!)
と一緒に眺めるのも好きです


12/18(水)は休廊日です
ご注意ください!
会期は12/22(日)16時まで


エックス展Ⅹ⑦作家紹介5

お待たせしました「月の間」の展示作家のご紹介です
ドアを開けると目に飛び込む光景




加治聖哉 さん

村上市生まれ
2018年 長岡造形大学 造形学部 美術工芸学科 彫金コース卒業

村上隆の「カイカイキキ」にて1年間勤務の後、栃尾の地域おこし協力隊に加入
作品制作を通し、地域活性化に取り組む


在学時にはジュエリーも制作していた加治さんですが
長岡エリアでは木廃材を用いた実寸サイズの動物作品
に出会っている方が多いことと思います




「森林狼」

こんなに大きいのですね。。。
遠吠えの姿勢で私の顔のあたりまであります

加治さんが抱えての搬入時、広げた前脚がドアの幅ギリギリで焦る一幕も




今回の「月の間」は、偶然にも(あるいは外山さんの采配で)
まるで森の中にいるように感じさせる作品が揃ったように思います


私は入室するたびに、いいね、いいね、、、 と静かに興奮

6名それぞれの作品世界を浴びながら
「森林狼」に同意を求め

一緒に おおおーーーん と
遠吠えたくなります




野生動物だから(というか作品だから)触りませんが




うう、撫でたい

でも噛まれるからね




傍らにある作品集もぜひご覧ください

実寸のキリンなど
廃材でありながら実にリアルを感じる動物たち

廃材を用いることのコンセプト等を拝読するにつけても、
これから制作を通して取り組んでいかれることが大変興味深いです






「 penetrate 1」


安達貴美枝 さん

長岡市生まれ
2009年 多摩美術大学卒業

「記憶」「忘れること」をテーマに、輪郭からぼやけていくような、
あるいはいつの間にか埋まっているものを掘り起こすイメージで制作
2016年から毛糸メーカー「Puppy」広告オブジェを制作


木版画作品もつくられる安達さんですが
今回は様々な画材を用いての絵画をご出展

ファイルには
「日常の中に見る じわじわと浸透する形を切り取りました」とあります


にじみににじみを重ねた
時間をかけて制作された一枚


絵の前に立つと
安達さんの、静かでやわらかい語り口調が思い出され

その世界に吸い込まれ

いつしか作品と自分との境目が無くなる時を過ごします




2019年12月16日月曜日

【御礼】アーティスト・トーク

12/15(日)14時から開催されたアーティスト・トークには
大変多くのご来場をいただきました




作家5名と外山文彦さんの作品解説にお越しくださいました皆様
どうもありがとうございました




終了後もゆっくりと作家と語らってお過ごしくださった皆様

作家たちも大変励まされたことと思います
どうもありがとうございました


***


いよいよ会期も折り返し
「エックス展Ⅹ」は22(日)16時までです

12/18(水)は休廊日ですご注意ください




エックス展Ⅹ⑥作家紹介4

個展開催や作品発表を続けてきたことで、様々な方から変化を見守られ、
熱く期待されているのを感じるシーンにも、しばしば立ち会わせていただきます




大橋絵里奈 さん

見附市生まれ
2010年 長岡造形大学視覚デザイン学科卒業
現実と夢を彷徨する少女をテーマに描いている




「かくれんぼ」




「 My Immortal 」


「エックス展」の他の参加者たちの挑戦的な出品作品に刺激を受けて
取り組んだという新たな試みのミクストメディア

「不滅」は変化しないということではないと感じた
アーティストトーク


添えられた鏡は何を映す





高木秀俊さん

長岡市生まれ
グラフィックデザイナー

1999年 長岡造形大学卒業 グラフィックデザインを学ぶ
2006年 セツモードセミナーを卒業
色や形、画面構成に開眼する


 

「CREAM SCREAM」 シリーズ


既存を破壊し、独自の世界を再構築するという

その色彩と形、そして質感に
拝見する都度、引き込まれます




喫茶室「CafeX」に展示しているのは
先ごろまで長岡駅ビル内の小嶋屋さん※に展示されていた「架空の果実」シリーズ

全5枚あります
気になられた方はぜひお声掛けください


エックス展Ⅹフライヤーの原画も
高木秀俊さん 作



※小嶋屋店内の展示は外山文彦さん主宰の「アトリエZen」企画で
お店のご協力のもと展示されており、
現在は、先にご紹介した角屋幸さんの作品が展示されています

近くで飲食される方はぜひ小嶋屋さんの美味しいお蕎麦とアートをどうぞ
(甘味などの喫茶メニューもございます)