2023年9月30日土曜日

出展者紹介②佐川和暉さん

2023 October Exhibition 《Progress》10/6 fri.-15 sun
Tabinosoraya Presents / Feat.長岡造形大学学生・大学院生8名の展覧会


出展者を順次ご紹介しています。

▷氏名(敬称略)
 出展作品/所属 ( )は主に学んでいること
 在廊日(記載なしは未定)/略歴/メッセージ





SAGAWA Kazuki



佐川和暉

鍛金(器物・造形作品)/大学院 美術・工芸領域(鍛金)修士1年 
Instagram @lignum___vitae


【在廊日】10/8・15

【略歴】

2022年 第50回 伝統工芸 日本金工展 21+部門 入選
2023年 第51回 伝統工芸 日本金工展 入選 ⇒ 受賞・入選作品画像一覧 








【 木目金屋久杉拭漆蓋物「杢合」】

素材、銅、黄銅、屋久杉
サイズ、Φ118×H91mm

第50回記念 伝統工芸 日本金工展 21+部門 入選


「以前から興味を持っていた木目金という技法に初めて挑戦した作品」





【 木目金花器「春蕾」】


素材、銅、黄銅、四分一、銀、赤銅、金箔
サイズ、Φ235×h245㎜

第51回 伝統工芸 日本金工展 入選


「大学の卒業研究で制作。
四季の器をテーマとし
「春」のイメージから木目金で花器を制作」




【メッセージ】

木目金と呼ばれる、複数種類の金属を重ね合わせ、上面から層を削り出し、
叩き延ばすことで独特の紋様を生み出す技法で制作を行っています。

木目金という技法、素材から導かれる造形や表現について大学院で研究しています。


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佐川さんは、2022年6月、大学の先輩・竹本悠大郎さん(当時博士課程在籍)の乾漆彫刻展や、同年7月の企画展《ヤマノヨブコエ》に蓑輪朋和さん(現在は鎚起銅器職人として活躍中)がご出展とあって、ご来訪くださいました。


その後、長岡クラフトフェアのブースで拝見した鎚起銅器の器やユニークな植栽用の鉢も興味深かったですが、なんといっても今年2月の卒研で拝見した、画像3枚目の【 木目金花器「春蕾」】の、みごと。


技術はこれからも追求する道の尽きないことと思いますが、
今、溢れる感性、エネルギー、関東生まれの若者が雪国で思う春のイメージ、、、

そうした発せられるものの瑞々しさを、
重々しいものとして受け止めがちな銅の伝統工芸作品に感じることへの驚きや
新鮮な感動がありました。


「春蕾」は卒研で優秀賞を受賞⇒
長岡造形大学のサイトから卒研時のレジュメも
ご覧いただけます⇒  
制作過程の記述と併せて、佐川さんが魅了された「木目金」についての解説がとても興味深いです。



佐川さんのInstagramには、作品の中側や底面の画像もアップされています。
インスタアカウントのある方は、実作品との対面を待ちながら、そちらもご参照ください。

@lignum___vitae


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2023 October Exhibition 《Progress》
10/6 fri.-15 sun

▶Open   11:00-17:00
▶Last day 11:00-16:00
▶Closed    10/11wed.



Progress/出展者紹介①大嶋周二朗さん

2023 October Exhibition 《Progress》
Tabinosoraya Presents / Feat.長岡造形大学学生・大学院生8名の展覧会

10/6 fri.-15 sun

▶Open   11:00-17:00
▶Last day 11:00-16:00
▶Closed    10/11wed.

▷作品画像は参考画像で、出展作ではありません。

▷氏名(敬称略)
 出展作品/所属 ( )は主に学んでいること
 在廊日(記載なしは未定)/略歴/メッセージ






OSHIMA Syujirou



大嶋 周二朗 

絵画/大学院 美術・工芸領域(絵画)修士2年


【略歴】

1999年 栃木県日光市生まれ
​2021年 長岡造形大学造形学部美術・工芸学科卒業
2022年 長岡造形大学大学院修士課程 在籍中




 



 【メッセージ】

目の前の壁に1枚の絵が掛かっている。
ただそれだけのことが、たまに途方もないことのように思えてくることがあります。
しかし途方もなく感じると同時に、ひどくさっぱりとした心もちもある。
どうしたものかと、いつも頭をかかえてしまいます。






2021年に卒業を迎えた大嶋さんたちの卒業修了研究展(卒研)は、大学のコロナ対策のため一般非公開になり、代わりに館内展示の様子を撮影したオンライン動画が配信されました。


美術・工芸作品の鑑賞としては、実にもどかしさのつのる状態で、カメラ越しの学生の説明がよく聞き取れないものもある中、異才を放っていたのが大嶋さんでした。


大学関係者の方から「とにかくいつも描いているひと」だとお聞きしたことがありました。


動画の中で、ギターをかき鳴らしながら解説する大嶋さんの存在は、作品以上にインパクトを与えるものでした。


2022年には、長岡中心市街地で恒例開催の「芸術工事中」の会場で、大学院生になった大嶋さんの作品と遭遇しました。


このときも、作品以前に展示のトータルが、何を意図しているのか、いないのか、、、
適当なのか、大切なのか、よくわからなくて、、、気になって、、、

大嶋さんへの様々な謎が、私の中に残りました。


今回、出展を依頼するにあたり、ご本人に会い、
それらの展示のことや、今、思うことなどを伺いました。


大嶋さんは、すでに過去を客観視して、変容していて、
これからも、どんどん変わっていくことを見据えていました。

私はその道の途中を、折々に垣間見させていただけたことが、とてもうれしいです。


大嶋さんが造形大の大学院に進学したからこそ、
私は展開の「つづき」を観たり、当人と語らうことができています。

今回の展覧会にイメージしたのは、まさにそういうことです。


修士1年に進学した佐川和暉さん、長井良太さんについても、
卒研で拝見した感動的な展示作品の「つづき」に出会わせていただけること。


学部3年生が5名出展してくださいますが、彼らの来たる卒業時の集大成をたのしみにできるうれしさ。

皆様にも、出会っていただけますように。







DM掲載画像の中で、大変注目を集めているこちらの大嶋さん作品は、
残念ながら出展されない予定です。


事前にいただいた画像は過去の作品世界。

大嶋さんの描きたいものは、すでに変化している様子です。


最新作と、今回はどんなふうに展示してくださるのかを、
たのしみに待ちたいと思います。



2023年9月29日金曜日

【次回のご案内】《Progress》

2023/10/6 fri.-15 sun
October Exhibition 《Progress》

Tabinosoraya Presents / Feat.長岡造形大学学生・大学院生8名の展覧会

▶Open   11:00-17:00
▶Last day 11:00-16:00
▶Closed    10/11wed.






お客様や美術関係の方々からは「長岡には造形大学があるからいいですね」とよく言われます。

展示館での展覧会があったり、市民講座があったり、稀に一般公開の講演会があったりと、確かにありがたい環境ではあります。

ただ、素晴らしき学生たちの作品や制作した本人の話を聞く機会は、実はとても限られていて、
多くの場合は、卒業修了研究展で初めて作品を拝見して、感動するものの、
大半の学生が新潟県外に就職のため旅立って行くのでサヨウナラ、、、
になってしまうことを常々残念に思ってきました。

今展では、学びの途中、試行錯誤の過渡期にある段階の、作品や、関心を持っていることに出会わせていただき、卒業・修了時の作品をたのしみにしたい、という気持ちで企画しました。

出展者は「学生の有志一同」ではなく、たびのそら屋がこの1~2年の間に作品を拝見する機会があり印象に残った方や、個々にギャラリーにお越しくださり、語らうことのできた方、制作の続きを拝見したいと感じた方々です。


DMには「答え」ではなく「問い」に出会いたいと願って開催いたします、と書きました。

それぞれ何と向き合っているのか

素材、技法、価値観、過去、現在、未来、、、



彼らと接しながら、我が道を振り返る気持ちにもなりますが、
私が通らなかった、知らなかった「道」を拓こうとしている彼らに、わくわくしています。


既にそれぞれの「答え」を持つ人生の諸先輩方に、ぜひ多くご高覧いただき、
ご感想などを寄せていただけますことを願っています。


出展作品は絵画、彫刻、写真、金工、ガラスなど。


DMには出展作ではない作品も写っています。
作品搬入ののち、実作品を掲載していきます。


【Progress/前進、進展、進捗、、、

変容していく過程にある「今」を注いだ作品や思考との出会いをどうぞおたのしみください。





【出展者名・出展作品・所属】※( )は主に学んでいること


💐大嶋周二朗 絵画/大学院 美術・工芸領域(絵画)修士2年


💐佐川和暉 鍛金/大学院 美術・工芸領域(鍛金)修士1年
Instagram @lignum___vitae

💐長井良太 彫刻/大学院 美術・工芸領域(彫刻)修士1年


💐井上結衣 金工/美術・工芸学科(彫金)3年
Instagram @kuzira_jewerly


💐江濵陽莉 絵画/視覚デザイン学科(絵画)3年
Instagram @hyo_5002


💐小林優月 ガラス/美術・工芸学科(ガラス)3年
Instagram @tuki.yu_10


💐坂井優斗 写真/視覚デザイン学科(写真)3年
Instagram @yuto__sakai
HP : https://yutosakai.com/


💐堀内路加 日本画・ミクストメディア/美術・工芸学科(絵画)3年
Instagram @roka_hr41
Twitter @roro_41ka
suzuri   roro41ka


___________________

後日、作家略歴・メッセージ・在廊予定をアップいたします。




2023年9月28日木曜日

COREs/野本昌宏さん

野本昌宏さんとの出会いから始まった、9月の展覧会《COREs》dpisode 1 。
閉幕したのち、会期中にアップしきれなかったご紹介を少しずつ書いてきました。







designed by. NOMOTO Masahiro






フライヤーは、全員を知る野本さんに作成していただきました。

私にとっては初対面の4名を含む7人分のお伝えしたいことは、あり過ぎて、
私も咀嚼が追い付きませんでしたが、受け止めてくださる方にとっても、

情報過多で流れ去ってしまうのではないかと、もどかしい気持ちで会期を過ごしました。


改めて、野本さんが書いてくださった出会いやつながりについてのメッセージと共に、
今回の出展作品のことを振り返りながら、このあとの出展予定と併せて、
それぞれの今後をたのしみに思う気持ちを味わいました。

たかだみつみさん、近藤綾さん、AsakoOgawaについては、
このあとすぐにご出展予定の展覧会やイベントの予定を
ご紹介しました。
ブログを遡ってご覧ください。


彼女たちの作家としての活動も、大学院1年の安藤光晴さんの研究も、
ものつくりの会社に勤めたSOUKAの松永晋弥さん、宮田能吾さんがこれから手掛けることも、
野本さんが自社を牽引しながら、独自の表現世界を更に発揮していかれることも、

全ては続いていくこと。

皆様にも今回の出会いを機に、引き続き活躍をご注目いただけますことを願います。







何より、多彩な顔をもつ野本昌宏さんの全容を、お伝えしたかった展覧会でもありました。

旧知の皆様におかれましても、いかがだったでしょうか。


急性骨髄性白血病のサバイバーとしての活動を通して出会った方に、
野本さんの本業(パッケージデザイン・設計を手掛ける包装士)の一端や、
グッズ化されたキャクターデザインだけでなく、内面表現としてのアート作品にも、
出会っていただけたことが、とてもうれしいことでした。







新潟日報さんが、広報のご許可をくださった過去記事



 



同じ病気で闘病する方へのサポート活動やイベント出展については、
引き続き野本さんのブランド「g.m.design&art works」のHPやInstagramをご覧ください。

今回のグッズ売上も、一部、寄付にあてさせていただいています。
どうもありがとうございました。


Instagram⇒
HP⇒ 

病気をタブーにせず、どんな状況に直面するのか、どんなことに困っていて、どんなサポートが必要なのか、、、
患者の方への励ましとともに、社会の中で理解が広がることを願う活動でもあります。






野本さん手製本の闘病記は完売したので、追加で作っていただきました。
喫茶室の書棚にございます。どうぞご覧ください。




Life goes on.


Speciaⅼ thanks for COREs.



2023年9月27日水曜日

COREs/SOUKA

9月の展覧会《COREs》dpisode 1 
ご紹介しきれなかったいろいろを綴っています。


SOUKAのおふたりと野本昌宏さんは、「デザイン」を商品として「カタチ」にする仕事に携わっていることから、共通する苦心や、学びや、達成感への共感がおありのようでした。


野本さんは紹介文(下記掲載)の中で、彼らを「同志」だと思っていると書いておられます。


若者たちにとって、それはどんなにうれしい励ましであるかと思うと同時に、
野本さんの気持ちに応えるべく、今回の展示に臨んでくださったことを感じます。







~会場に掲示されていた野本さんからのご紹介文より~

SOUKA (松永さん、宮田さん)
ブランド立ち上げの際に、バックアップをしてもらったセレクトショップid の酒井君を通じて知り合う。
卒業に向けた展示・販売のために、商品を入れるショッパー(紙袋)の相談を受けて、二人のデザイン案を実際に商品化させてもらう素晴らしい体験をさせてもらって以来、年齢を超えた
同志だと勝手に思わせてもらっています。







2022年春に長岡造形大学を卒業した二人が在学中に立ち上げたアパレルブランド「SOUKA」。
(就職に伴い現在は活動休止中)

当時、
ふたりで綿密に打ち合わせて共同制作したアイテムと、ものつくりの会社に就職して1年半を経た「今」を込めた、単独制作のアイテムをご出展くださいました。







初めて拝見し、ふたりは、実は随分異なる志向を持っていること、
在学中は別々の先生の研究室に所属していたことなども知るにつけ、

そういう二人が、どこか通ずる(気の合う?)ところがあって、
ひとつのブランドを立ち上げていたということに、驚くとともに感動しました。


それぞれの違いと、共通して大切にしていること、卒業時の進路の選択、現場で得た経験… 
作品から様々なことを感じ、これからのこともたのしみになるような、とても印象的な展示でした。






◆松永晋弥さんのプリントTシャツ


プリントとしてデザインされた(sm)は、無形商材に使われる商標の一種「サービスマーク」を表しています。

ライダースジャケットとハートのモチーフに重ね、男性らしさや女性らしさといった目に見えない既成概念を無形商材として表現し、形のない物を商品にしようと試みた作品です。

Tシャツ本体は、プロダクトとして量産されているボディの中から、シルクスクリーンとの相性や着用時の透け感の有無などにこだわってセレクトし、自らデザインした版を、シルクスクリーンで手刷りしています。

プロダクト品の揃ったうつくしさと、ひとの手による細やかな差異のある表現、
両方を大切にしたいという、松永さんの意匠が現れた作品でした。






傍らには松永さんのシルクスクリーンTシャツの「版」も展示されていました。

同じ版を用いて、どのように異なるカスレや滲み具合に仕上げるかなど、
影響を受けたアーティストへのオマージュも込められていました。












crack hat
clown smock



◆宮田能吾さんは、本当は生地からつくりたい、とおっしゃるくらい、極力手仕事にこだわり、染めや縫製を手掛けた帽子と、道化師(clown) のスモックをイメージしたシャツコートをご出展。


このスモックは、最初のハリのある状態は、着ていくとやわらかくなる素材とのこと。
何人もの方が気に入ってくださいましたが、なにしろ身長180㎝くらい(?)の宮田さん自身の体格に合わせた上にオーバーサイズのデザインということで、なかなか体形に合う方がおらず、、、

シンデレラガール&ボーイがいらっしゃるのを待ちましたが、、、残念でした。



 


比翼仕様の前立て部分やボタンホールに施された、蛍光ピンクが混ざったような赤い糸のハンドステッチがとても素敵でした。
アンティークスモックにみられるイニシャルネームの赤糸刺繍のイメージを重ねているとのこと。






帆布に特殊な顔料をプリントし、更に塗り重ねた帽子は、漆喰が剥がれた壁をイメージしたもの。
使っていくうちに顔料が剥がれていくという、その名も「crack(亀裂・ひび) hat」。

こちらもかなり衝撃的な作品でした。


ブリム(ツバの部分)の湾曲のラインがとても素敵だったのですが、それは
「顔料をランダムにぬることで、不規則に記事へ浸透し湾曲」していき、
なんと「芯地を使わず、立体にしてからプリントすることで、意図せず変形する」とのことでした。
(掲示された解説文より)


意図しないことが起こることを、意図して行う、、、

宮田さんの志向の一端に出会えた作品でした。





壁面にさりげなく貼られていたのは、宮田さんの世界観を伝える写真をプリントしたもの。

洗いを経る毎に、馴染み、ほぐれ、色褪せたり、剥離したり、、、(crack hatは洗濯は不可)
愛用するひとの過ごし方(扱い方)によって、しずかに変容していくアイテムの息遣いと、
その壁の景色は、確かに重なって感じられました。







fold collar shirts 

ふたりそれぞれの体格に合わせたパターンで作られた
サイズ違いの同じシャツは、テーラーへの敬意が込められた意匠
安藤光晴さんの真鍮の釦とバックルが用いられています



長くなりましたが、最後にふたりの現在について少し。
(コレが書きたかったのです! 今のこと、これからのこと!


◆学生時代にファッションデザインを学んだ松永晋弥さんは、現在は多くの方がご存知のブランドで(社名は非公表)、この春から企画部門に配属されたとのこと。

松永さんの企画が商品化された暁には、そっと教えてほしい!と願っています。


◆テキスタイルを学んだ宮田能吾さんは、「綿の栽培から染め、織り、編み、縫製、販売まで、自分たちの手で取り組み、ほぼすべてがイッテンモノ」というこだわりのあるものつくりの会社(こちらは公表可とのこと)「tamaki niime」さん (兵庫県)に勤務しておられます。


暮らしや生き方、いのちのトータルに目を向け実践している、こちらもただならぬ会社である様子。
ぜひHPをご覧ください⇒ 





それぞれの環境の中で、どんなことに出会い、どんなふうに変容していくのか、
これからのご活躍と、再会の日を、心からたのしみにしています。



2023年9月24日日曜日

COREs/安藤光晴さん

9月の展覧会《COREs》dpisode 1 
展覧会は終わりましたが、いましばし、語らいの続きを。







真鍮の釦(ボタン)をご出展くださった安藤光晴さんは、
長岡造形大学大学院、修士課程1年に在籍中。

学部生時代は金工を学び、現在はひとの感じ方の部分、
「味/趣き」について研究しておられます。







~会場に掲示されていた野本さんからのご紹介文より~

安藤光晴さん

SOUKA の服に取り付けられていた、真鍮のボタンの製作者。
カーディガンに取り付けるボタンを作ってもらうため、SOUKA のお二人に紹介してもらい、
私のデザインを彼の感性でブラッシュアップして仕上げてくれました。






コットンの黒いカーディガンは、
安藤さんの真鍮の釦と、近藤綾さんのガラスのボタンが用いられた
野本さんのブランドのオリジナルアイテム

入院時の患者としてのニーズや様々な思いが込められています




自ら設計し、旋盤や工具を駆使して、ひとつひとつ仕上げた真鍮の釦




SOUKAの二人がテーラーへの敬意を込めてデザインしたシャツに用いられた
安藤さんの真鍮の釦とバックル


 

開幕初日の在廊の折、SOUKAの二人も交えて、
安藤さんの研究テーマについて語らえたことは、とても印象的なことでした。


何に対して、どの部分に、「味」や「味わい」を感ずるのかという問いは、
とても難しいテーマです。


言葉にしきれない時や、厳定・断定を求めない時に用いる言葉でもあるかもしれません。


私は「味わう」という言葉をよく用います。

「味わい」という、対象物への考察より、
自身の行動、「味わう」ことへの意識が、強いのかもしれないと気づかされます。



瞬時に通り過ぎたくないものに対して意識的に立ち止まり、
経験した事象、出会った対象物と、もう少し過ごすこと、、、


私は、立ち止まって、茫洋と反芻したいのです。



たびのそら屋が月にひとつしか展覧会をしないことの意味の一端も、そこにあります。





とりとめなくなりましたが、こうした思いを綴るのは、
また次回、お会いできたお客様と、このことについて語らいたいからでもあります。

お越しくださった皆様と、様々な出来事を共有しながら、自問したり、気付かされたり、
時間を重ねられること、、、

それはなんと贅沢で、しあわせなことかと思います。 


件の安藤さんとの語らいの場にいた方、のちにその話題を向けてみた方、
それぞれに、思う所がおありでした。

安藤さんが、様々な方からのリサーチを通してどのようなところへ到達されるのか、
修了時のご発表を、たのしみにさせていただきたいと思います。







to be continued


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こうした”たのしみごと”との出会いが、
次回10月の展覧会でも繰り広がる予定です。

長岡造形大学の学生・大学院生8名の展覧会。
どうぞおたのしみに。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2023 October Exhibition 《 Progress 》 

2023/10/6 fri. ~ 15 sun.
Open 11:00~17:00
Last day 11:00~16:00
Closed 10/11 wed.


【出展者】

◆大嶋周二朗 絵画/大学院 美術・工芸領域(絵画)修士2年
◆佐川和暉    鍛金/大学院 美術・工芸領域(鍛金)修士1年 
◆長井良太  彫刻/大学院 美術・工芸領域(彫刻)修士1年
◆井上結衣  金工/美術・工芸学科(彫金)3年
◆江濵陽莉  絵画/視覚デザイン学科(絵画)3年
◆小林優月  ガラス/美術・工芸学科(ガラス)3年
◆坂井優斗  写真/視覚デザイン学科(写真)3年
◆堀内路加  日本画・ミクストメディア/美術・工芸学科(絵画)3年


(氏名の後の記載は出展作、学年の前の( )内の記載は、主に学んでいる分野です)




詳細は近日アップいたします。

2023年9月22日金曜日

COREs/Asako Ogawaさん

9月の展覧会《COREs》dpisode 1  の出展者の皆様の、このあとのご出展予定を
振り返りと共にご案内しています。


東京在住のOgawa Asakoさんは、10月に新潟市での企画展に出展されます。

写真詩集『東京』や、写真歌集『待つほうじゃなくて探しにいくほうをいきていきたい浜百合 片手に』は、写真と言葉のハーモニーがとても印象的でしたが、
その共同制作者として
詩や短歌を創作した「MAIさん」もご出展。

《COREs》で出会って下さった皆様、長岡には来れなかった皆様、どうぞお出かけください。




Light 写真展
LIGHT IS YOURS 10

2023.10.7 sat. - 10.15 sun.
8:00-18:00
10日(火)店休/土日祝は9:00-18:00
会場: dab COFFEE STORE

詳細はInstagram@ _light_niigata をご参照ください。





~会場に掲示されていた野本さんからのご紹介文より~

Asako Ogawa さん

まだまだ行動範囲が狭かった退院後1 年から2 年くらいの頃、セレクトショップid で知り合う。
その後彼女の個展を見たときに衝撃を受けて、忘れていた写真の魅力を思い出す。
学生時代、スポーツ新聞の記者をしていた従兄弟からフィルム写真の手ほどきを受けて、
出版業界を目指して撮影の練習をしていたことを思い出し、少しずつ写真も再開。
avoid UV bucket hat をリリースする際に、
自分でLOOKを作ることにチャレンジするきっかけを与えてくれた方です。






野本昌宏さんつながりの《COREs》では、私とは初対面の方、4名がご出展くださいました。

SOUKAのお二人と、大学院生の安藤光晴さん、
そしてAsako Ogawaさんこと小川愛咲子さんと出会えたことは、
いずれも新鮮で、作品からも、ご当人からも、思うことが様々ありました。





事前にメールではやり取りしていましたが、その全容は定かには見えず、
ドキドキしながら、お会いできる日をたのしみにしていました。

会ったからといって、すぐに何がわかるということでもないのですが、
対面することに勝るものはないと、改めて思います。



空間を共にし、過ごす中で、私との対話だけでなく、他の方との語らいを通しても、
私はしばしば、ハッとさせられていました。

直接的な語らいが、作品の見え方や、ときに世界の見え方に影響をもたらすことは、
日頃も感じていることですが、何より、あさこさんの存在に、ハッとしていた気がします。



毎日細胞が生まれ変わるのと同じように、
私たちは有形、無形な出会いのひとつひとつで、日々、変化しているのだと思います。

野本さんにとっても、あさこさんとの出会いが特別なものであったこと、
今は共感するような気持ちで感じています。



8月にアップしたAsakoさんのプロフィールには、
「”あなた”との対話のための手段として主に写真を用いて表現活動をしている」
と書かれています。

その続きを、お聞かせくださいました。


「ここで言う”あなた”は、人だけでなくものや事柄、時間など・・・

どちらかといえば人以外のもの、曖昧なもの、空気、間など、目にみえないものという意味合いが強いです。

それらは見ることはできなくて、想像することしかできません。
それでも知ること/知ろうとすることから、対話は始まります。
私にとっての知る/知ろうとすることの具現化が写真を撮るという行為でした。
そこのなにかが写っている気がして、なにかがこちらをみている気がして。
ちいさな声を聞きたくて。

そして写されたなにかは私も含めて、見ている”わたし”に委ねてくれます。

わたしの中の”わたし”や”あなた”を繋げてもくれます。

写真は本来そういうやさしくてあたたかいメディアなのだと信じています」





作品集が世に出て、遠方での個展も開催されるようになるにつれ、
作品と、自分と、”あなた”との関係性を自問することもあるようで、

「悩んでたどり着いた答えの一つ」が、インスタントフィルムで日常を撮った、
「自己開示」のシリーズ。
「特にテーマはなく、生活そのものと撮ってみる」ということをした作品。


対話の手段としてのAsakoさんの写真は、
自らを開いていくところから、また新たな展開を経て、
更に広がり、深まっていくのかもしれません。




出展者それぞれの作品がそれぞれの世界観を放つ中で、
「わたし」に問いかけてくるのがAsakoさんの写真のコーナーでした。



COREs/近藤綾さん

9月の展覧会《COREs》dpisode 1  の出展者の皆様の活躍はこのあとも続きます。
振り返りと共にご案内いたします。

近藤綾さんは「とちびまつり」にご出展。






とちびまつり

9/30 sat. - 10/1 sun. 10:00-16:00
会場|長岡市栃尾美術館 アトリエギャラリー

とちびまつり に関するお問合せはこちら
▶︎長岡市栃尾美術館
▶︎TEL 0258・53・6300

詳細は、大変充実してうつくしいInstagramをご覧ください。
@tochibimatsuri







~会場に掲示されていた野本さんからのご紹介文より~


Aya Kondo(近藤綾)さん

ブランド立ち上げ直後、たまたま私のデザインを見つけて気に入ってくれて、Instagram でフォローしてくれたことがきっかけで、たびのそら屋での展示の際にお話をするようになる。
実は共通の知り合いが多く、面識ができるのが遅すぎるくらいだったということが後で分かる。
ガラスで作るボタンに私が一目ぼれして、カーディガンに取り付けるガラスボタンをお願いしました。







~たびのそら屋のInstagramより再掲~


ただただウットリ。
近藤綾さんのパートドヴェールのガラスのうつわ。


2021年1月に、たびのそら屋で開催してくださった個展を折々に思い出します。
綾さんにとっての節目の気持ちも込められた、気迫に満ちた展覧会でした。
広い会場をひとりで埋めるのは大変なことだったと思います。


冬景色の中でみるやさしい色彩のガラスに、
来たる春を重ねて想った方もたくさんおられたと思います。

とても印象的な展覧会でした。







あれから2年半。
日々、とどまらない変化を感じさせてくださいます。

これからもますますに魅力的な作品を手掛けていかれることと思いますが、
先頃、新たな転機を迎えた綾さんの「今」の作品を、お手元にどうぞ。








2023 September