2021年2月1日月曜日

【御礼】近藤綾ガラス展2021

2021/1/15〜27に開催いたしました「近藤綾ガラス展~2021~」と、
同時開催の「さかいともみ・ちいさな記憶展」は、
平日の最終日もうれしいご来訪をいただきながら、無事に閉幕いたしました





作家の挑戦と模索が現れた作品は、
未来の輝きをも内包しているように感じられました

綾さんの在廊日をめがけて会場を訪ねて下さる旧知の方々との様子に、
彼女のこれまでの道のりを感じ

初めて作品を観て下さる方、手に取ってくださる方とのやり取りに、
彼女がガラスを通して表現したいものと、届けたいものが伝わってくるようでした




大らかさと繊細さを併せ持ちながら、

〔もよう〕のひとつひとつを愛おしむように、
出会うひとのことも、ちいさな出来事のひとつひとつも、大切にこころに刻みながら、

その道を切り拓いていくひとだと思いました




それは喫茶室に絵画を展示してくださった さかいともみ さんにも思うことです

自らの制作の追求に、近藤綾作品へのオマージュと作家と会場への想いを折り混ぜ、昇華させた作品は、
館内に絶妙なハーモニーと奥行をもたらしながら、


やはり彼女ならではの世界として、観るひとのこころをひきつける様子は、
とても印象的でした





 ”開拓” は自らのためでありながら、

その情熱の発露が世にもたらすもの、ひとのこころに届くものの決して小さくないことを

今回も確かめるように、

そしてもう確かめなくていい、と確信を掴むような気持で、

過ごさせていただいた会期でした




年明けから厳しい寒波・降雪が繰り返しているこの冬ですが、
最も穏やかな天候の頃合いの開催となった奇跡的な天の采配と併せて、

「新潟日報」さんの紙面でご紹介いただけたことも、大変ありがたいことでした


外出をためらうような道路事情の日も多々あった1月ですが、
おかげ様で、年齢問わず、たくさんのお客様にご来訪いただきました




新潟日報朝刊 2021年1月19日 付



美術館などでDMを見て初めてお越しくださった方や、
人づてに勧められて来てくださった方々も複数おられ、

この冬の季節にも心惹かれるものに足を運ぶ方々が
たくさんいらっしゃることのあたたかさにも励まされました






うれしい笑顔たくさんの展覧会でしたが、それは会期が始まってみての結果であり、


「ガラスのボタン」に込めた覚悟と、この度の個展開催には
どれだけの重圧があったことか


みなさまのお陰で、作家のうれし泣き笑いでしめくくられた最終日でした




長いご報告の最後になりましたが、

遠路から、あるいは雪道を歩いて、ご来訪くださいました皆様、
開催をインフォメーションしてくださいました皆様、
そして素晴らしき展覧会を開催してくださいました作家のおふたりに、
こころより感謝御礼申し上げます

どうもありがとうございました




作家の情熱をもって始まった展覧会は、
たびのそら屋にとって2021年の始まりの展覧会であり、
ギャラリー3年目をしめくくる展覧会でもありました

2018年4月の開廊からのすべての展覧会を思い返しながら、
言葉にしきれない思いとともに、いましばらくの冬の日を過ごします

春と、新しい一年のための準備をしながら





2月は冬季休廊です


次回展覧会は、3月29日より

2021 SPRING EXHIBITION ー hope -


5名の作家による「絵画」の展覧会を開催いたします


どうぞおたのしみに




2021年1月26日火曜日

近藤綾ガラス展④もよう・色・カタチ

近藤綾ガラス展 ~2021~

名残惜しくも会期は最終盤となりました



新潟の海辺の町に育ち、幼い頃から自然にできた模様(雨跡や何かの液体が落ちた跡、落ち葉が重なり道路に散らばっている様子など)連なっているものや建物の装飾、食器棚にしまってあるたまに使う器の模様に興味を持っていた、という綾さん



年齢を重ね、工芸品や装身具、壁紙の模様が好きになるにつれて、幼いころに感じていたそれらのことを美しいと感じるようになり、世界各地に特別な意味をもって大切にされている〔模様〕があることにも出会いながら、自分だけの〔もよう〕がほしい、、、の気持ちが、つくりたい、の行動になっていった様子


チェコの「ガラスボタン」との出会いから、自分の〔もよう〕を描いたものをボタンにしたいという志が芽生え、

長岡造形大学やアメリカ留学で幅広く学びながら、約10年の歳月、様々なトライを続けてこられました





学生時代に作ったお皿


ひとつひとつボタンのような、
おはじきのようなパーツを作ったものを集合させて形成されています

非売品ですが会場でご覧いただけます






こもれび 

光にかざすときらきらと透けるみどりがとてもうつくしいお皿


販売品の器が少なくなったため、旧作ですが、と持ってきてくださいましたが
即、旅立ちました






板ガラスへの絵付けや地模様の個性と色彩のうつくしさを追求した年代を経て、今、
これまで苦手に思ってきたという「カタチ」への挑戦と好奇心が表現された、2021年のはじまりの展覧会




「苦手」の中に表現したいものがあることを認めての、挑戦のうつわ

コロナ禍で感じた「作りたいものは作ったほうがいい」という決意の込められたガラスのボタン




ひとつのためだけの石膏型でつくります


「型」を量産すれば同じフォルムでたくさんつくれますが、技法も模様も追究の途中ということもあり、ひとつだけの〔もよう〕であることを大切にしたい思いから、手間暇を惜しまず、ひとつひとつ生み出されます





ガラスの粉を用いてつくるパートドヴェールの技法ならではの
結晶のような景色がうつわの表面やボタンの裏側に表れているものもあり
こころときめくポイントですが

それが出る時と出ない時とがあるとのこと

不均等、不均一の中で不意に出会うものへの歓びがあることを感じます





うつわも、ボタンも、どうぞお手にとって
表と裏で異なる表情をゆっくりとおたのしみください


最終日1/27(水)は近藤綾さん在廊

16時にて閉幕です



2021年1月23日土曜日

さかいともみ「ちいさな記憶展」油彩

「近藤綾ガラス展2021」と同時開催中の さかいともみ「ちいさな記憶展」では、水彩画と併せて油絵も2点、展示されています





昨年末、新潟市内でのグループ展に出展された作品とのことですが、
私を含め、伺えなかったお客様にはとても新鮮な、うれしい出会いとなっています






「かんちがいの湖面」













「瞬きの多い森」



2枚とも、キャンバスに小国和紙を張り込んだ下地の上から、和紙の質感が残るように描かれていて、直にご覧いただけるようにアクリルガラスを外した額装になっています








水彩のにじみのように見せたタッチと、油絵でありながらあわく、それでいて奥行きある不思議な世界に、多くのお客様が、瞬きを忘たかのように、間近でじっくりとご覧くださっています





二羽いるように見えますが


どうでしょう、、、







どこかに淋しさの気配を感じるのは


その辺りにも由来するのでしょうか。。。













(こちらは先にご紹介した水彩画)






大学院生として研究テーマに取り組みつつ、絵画での表現の探究を続ける さかいともみさん


この後、新潟市での二人展、見附市でのグループ展、そして3月末からは、たびのそら屋の春の展覧会へと出展が続きます


画材の探究、表現の変化、進化を追っていきたいと思います






ともみさんとはトリ談義に花が咲くこともしばしば




私が今冬覚えた野鳥





彼女に捧げる  ”シメ”  ショット



遠くからそっと・・・ で写りがぼけぼけですが
もう気づかれています



2021年1月22日金曜日

さかいともみ「ちいさな記憶展」水彩

 「近藤綾 ガラス展2021」を更に味わい深くしてくれているのが、喫茶室で同時開催している特別展示、
さかいともみさんの水彩・油彩の「ちいさな記憶展」です





立体作家の展覧会の際、未使用となる喫茶室の壁面にイメージの合う作家の絵画を展示させていただく試みは、ちょうど1年前、陶芸家・矢尾板克則さんの個展で高木秀俊さんの絵画を飾らせてもらったのがはじまりでした→  


喫茶室奥のガラス棚には、それ以前より蓑輪朋和さんの銅を用いたオブジェを展示していただくことがあり→


ギャラリー作品と喫茶室作品との絶妙なハーモニーがもたらす豊かな影響に、心高鳴る経験をさせていただいたことが、喫茶室壁面の「特別展示」開催につながっています


昨年11月の平野照子陶展の折の特別展示・大橋麻耶さんの銅版画展もまた、ギャラリーに繰り広げられた照子さんの366個の「Present」の世界と、どこか通ずる麻耶さんの版画のモノトーンの世界が、展覧会を格段に味わい深いものにしてくださっていたことを、覚えて下さっている方もおられることと思います→






今回は近藤綾さんに、ご希望の作家さんがいらっしゃれば… とご相談したところ、
綾さんからのオファーで、さかいともみさんに展示していただくことになりました


以前から共にグループ展をするなど親交があり、
お互いの存在を刺激に、それぞれの道を切り拓きゆく、同世代のおふたり






「彼誰時」



実は私も、さかいともみさんの作品をこころに思い浮かべていたのですが、来たる春の展覧会にご参加いただくことが決まっていたこともあり、私からはお名前を出さずにおりました


でも、ともみさんに展示していただけて、本当によかった


彼女と彼女の作品がこの新年の展覧会にあることのうれしさは
きっと私だけのものでなく








打ち合わせ無しの、みごとなシンクロ







(上)さかいともみ「語り直されるうた」

(作品部分)







(下)近藤綾「グミのうつわ 花」





「四つ辻」



鳥が大好きなともみさん
今回は、綾さんからのリクエストに加えて「たびのそら屋」での展示ということもあって、
この季節の使者でもある、旅する渡り鳥の白鳥を描いてくださいました



届きそうで届かないもの



傍らに描かれているモチーフは、綾さんのガラスのボタンに通ずるような…
と思って聞くと、このところは「星」を描いていることもあり、
綾さんの作品のイメージも込められているとのこと





綾さんの glass buttons



こうして全体の色彩と、その淡い様子やモチーフが実に調和しているものですから、
ご来訪早々で展覧会の全容をお知りになる前のお客様には、絵画も綾さんが制作されたものと思われることもしばしば


綾さんが水彩画を描いたらこうなるのかな・・・ と思いきや、
どうも写実は得意ではないらしい綾さん


やはりそれぞれの、比類なき道です




「星をひろう日」



近藤綾さんより

坂井さんの作品が好きです。ほわほわしたやさしい絵の中に、強い信念やさみしさ、悲しい感情のダークな側面も見られるけれどそれらが柔らかくしなやかな光で内包されているような感じがして、頑張ろうとか穏やかな気持ちになります。





写り込んだ照明が「星」みたいで


どうやったらかごに入ってもらえるかなと

カメラの角度をうろうろ





ともみさんが描いた「星」と

重なりました





2021年1月21日木曜日

近藤綾ガラス展③彼女の〔もよう〕

近藤 綾 ガラス展 ~2021~
2021/1/15~27 ※ 1/20(休)






天候に恵まれてうれしいご来訪が続く中、作品と、お客様と、そして作家本人から、
勢いのあるパワーをいただく毎日

それは綾さんをめぐって、共鳴し合って、何かエネルギーが、この空間に
ほとばしっているように感じられます





展覧会のお話をいただいた折、当初はグループ展開催の打診でしたが、

それが実現しなかった時には自分の個展をしたい、とおっしゃった綾さん






コロナ禍に翻弄されたこの1年、出展予定が流れたり、講師を務める教室が休講になる中で、

留め置こうとしてもとどまらない、マグマのように溢れ出すエネルギーの衝動






ガラスは夏のものとイメージされがちなところに挑む

雪の季節の展覧会


自身の手掛ける作品は、雪の中でもうつくしく映えるに違いないと

確信をもってか


あるいは、季節など問うている場合ではない、という

切迫さをもって








「作りたいものを作る」


というシンプルな決意を込めて






制作の原点である glass buttons


日々の暮らしを彩る〔もよう〕を

つくり、見ていただくという願いを込めて






pollen spring



はっきりとは見えないけれど そこに漂うもの

季節のはざまの 霞のような 

淡いうつろい






harumeku


仕上げ工程で ”幻” となってしまった大作は

春を迎えた雪山か、氷塊か



それはそれは、うつくしく印象的な作品でしたが

残念ながら展示からは取り下げられました








その作品と対で、冬から春に向かうイメージを現したのがこちら





春めく

sold out





pollen vase



綾さんがが併せもつ

力強さとしなやかさ

繊細さとおおらかさ



確信的なゆらぎとあわい



技巧と、自然の成せる化学反応



クールで熱くてキュートな


まるで作家そのものみたいな作品たちを
どうぞおたのしみください



後半の作家在廊は 1/23・24・27です





※作品の微妙な色の再現がとてもむつかしいです
もっと淡く複雑な色彩です
ぜひ実物をご覧いただきたいです





小さい器は即売でお渡しできるのですが、
展示して観てもらってくださいと、後日の受け取りにしてくださるお客様が多く、
中央の展示台は売約済みのものが多くなっています





ガラスのボタンとピアスなどのアクセサリーは、先日少し補充していただきました
終盤の作家在廊日には、器も少しお届けいただけるかもしれません



Facebookにも書きましたが、ガラス作品は窯に入れて焼いたのち、自然に冷えるまで数日間待ってから取り出さなくてはならない上に、取り出したのちには磨きの工程があります。
綾さんが手掛ける「パート・ド・ヴェール」という技法の作品は、石膏型を作るところから始まり、仕上げた型にガラス粉を詰めて焼いて仕上げるまで・・・いくつもの細かな工程を経て、作家の満足のいく仕上がりになって、ようやく私たちに姿を見せてくれます



近藤 綾 ガラス展 ~2021~

2021/1/15~27 ※ 1/20(休)
OPEN 11:00~17:00 ※最終日は16時まで

同時開催・喫茶室特別展示 
さかいともみ「ちいさな記憶展」