2023年11月14日火曜日

作品紹介/佛淵静子

開催中の《 有元利夫 オマージュ展 》
会期は11/15(水)の休廊日を挟んで終盤に向かいます。
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2023/11/7(tue.)~19(sum.)
Open     11:00-17:00
Closed     11/10(fri.),15(wed.)
Last day  11:00-16:00


【作家在廊予定】

11/18(土)佛淵静子
11/19(日)猪爪彦一、広沢仁、大橋麻耶(午後)、佛淵静子(午後遅め)
※最終日は16時にて閉幕です。

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佛淵静子さんの日本画をご紹介します。

線で描かれた人物画を印象に刻んでいる方が多いことと思います。
銀箔を貼られた大作《テレスコープ》は圧巻です。








《テレスコープ》作品部分

木製パネル、麻紙、墨、胡粉、鉛筆、銀箔
1830×920㎜/2021年





それらに加えて、今回は有元利夫の世界に寄せて、風景画もご出展くださいました。

喫茶室奥のガラス棚に展示された《遠い休日》と《階段》は、大学を卒業したての頃の作品。
佛淵さんのファンの方にも貴重な機会かと思います。どうぞお見逃しなく。






《遠い休日》

木製パネル、麻紙、胡粉、岩絵具
F4号/2002年






《階段》

木製パネル、麻紙、胡粉、岩絵具
F4号/2003年






照明を点ける前の静けさも

晴れた日に外の光が反射する様も


息を呑んで魅入ります





《テレスコープ》





魅入るといえばこちらも





《瀞》

木製パネル、麻紙、墨、胡粉、水干、岩絵具、プラチナ泥
M15号/2023年





人物画はモデルの方がおられてこそ描けますと、全幅の敬意を込めておっしゃる静子さん。
作家紹介のページにあるメッセージも、再度ご参照ください⇒


モダンダンスをする友人をモデルにした
作品のひとつが《瀞》。
その方の躰の「線」のつながりは、特別なのだとか。

【瀞/とろ】川の水が深くて流れが非常に静かな所。


私はかつてここで公演してくださった平井紫乃さん(とりふね舞台舎)が見せた動きが、やはり”特別”であったことを思い起こし、存在する全てが確かな意識をもっているように感じられる気配に身を沈めます。


 



《花のまち》

木製パネル、麻紙、墨、胡粉、プラチナ泥
P6号/2021年






日本の愛唱歌「花の街」(江間章子 作詞/團 伊玖磨 作曲)のイメージで描かれた作品。

YouTubeで検索して、ああこの歌、、、聞き覚えのある、郷愁を誘う曲でした。
私たちの世代だと合唱曲として聴くことがあったでしょうか。


第二次世界大戦後の1947(昭和22)年、まだ焼野原残る中で作られた歌で、
江間章子さんは「たくさんのひとに夢を与えるような詩を」との依頼で作詞されたとのこと。


それは有元利夫(1946~1985)がまだ1歳だった頃、
猪爪彦一さん(1951~)はまだお生まれではなかった頃のこと、、、

その頃、父は、、、 母は、、、 祖父母は、、、





この11月と12月の展覧会は、私にとって、有元利夫を軸に時代を遡り、
今の時代までの道のりをなぞり、
未来につないでいきたいものに思いを巡らせる機会にもなっています。







静子さんが「天井が抜けているイメージ」と感じている有元の世界を意識して
選んでくださった風景画2点。

そのお隣りには、静子さんの作品に合わせて、
中村玄さんのコレクションから1点を、展示させていただきました。






有元利夫

《 THE MOONMAN 》

中村玄コレクション:版画集「一千一秒物語」より






夢か 現か


この会期だけのコラボレーションを
おたのしみください