2019年10月11日金曜日

猪爪彦一展③一本の道

「頭の中にある世界のどこか」を描き続ける猪爪先生




「夜のはじまり」


どの国の、どの時代、ということなく、
観る者には何処と知るよしもないその世界は、
時を止めたかのように見えて、実はしずかに動き続けています

ひとたびの「完成」を見せた作品も
物語は紡がれ続け、先生はそれを捉え、折々に加筆されます


今回、まっすぐにのびる道が描かれた作品が3枚
届けられました





「忘れられた街」


「ようやくこの 道 になりました」と猪爪先生

画面中央をゆく道は、これまで随分、右に、左に、蛇行してきたのだとか

この道の下には遺跡のごとく、かつての迷い道が堆積しているのでした

それがこの度まっすぐな 道 になり、「その間に ″箱” が増えました」と
清々しさを漂わせて仰る先生


容易な道でないことを感じます


奥に続く道の彼方は、行く先か、来し方か、

土煙に霞み、まるで墓標の間をただ真っすぐに、
暗雲の向こう、燃ゆる太陽の茜さす道

ほの明るく拓けしところまで辿り着きし


あるいはその道もすでに遺跡となりしやも、、、


「NOTEBOOK」に綴られた言葉たちと重ねあわせるにつけ
印象的な1枚です




「道」


こちらの道は晴ればれと


ねぎらい、祝福、、、

この道をゆくしあわせ


天の巡りと世界の煌めきに

背筋を伸ばして安堵するような


ただひたすらに真っすぐ続く

一本の道




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特別な1枚との出逢いがありますように

猪爪彦一展 -忘れられた物語Ⅱ-
2019/10/5~15
OPEN 11:00~17:00 ※最終日は16時までです

◆作家在廊 10/15


※台風19号の影響が心配されますが、たびのそら屋は通常営業の予定です
ですがご来訪はくれぐれもご無理なさいませんように
会期は連休明けの火曜日までございます

各地、酷いことにならないことを願うばかりです