2024年3月17日日曜日

出展者紹介①LICACO

2024 SPRING EXHIBITION - Restart

4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)

春が、会期が、近づいてまいりました。
出展者の略歴とメッセージを、順次ご紹介します。






LICACO / 版画 


【略歴】

2000年生まれ。新潟県長岡市栃尾出身。
新潟県立長岡高等学校卒業ののち、東京藝術大学美術学部油画専攻に進学

2019年     東京藝術大学久米桂一郎賞受賞
2024年度  同大学の大学院美術研究科版画研究室に進学予定

現在は東京を拠点に「人間の奥底にある愛しさ」をテーマに
油彩・版画・立体作品など、媒体を問わずに制作をしている。


Instagram @licaco_painting

◆在廊予定はありません。




【メッセージ】

2023年秋、約2ヶ月間「工房このすく」にて滞在制作を行わせていただきました。
今回は、滞在制作の期間中、地元でしか得ることのできなかった経験や感性をもとに制作した銅版画作品、そして、2022年に一年間かけて制作した銅版画作品を展示させていただきます。

イメージから湧き立つ人間特有の感情を感じていただけると幸いです。






DM紙面で異彩を放ったLICACOさんの作品画像。
何が一体どうなっているの? と、頬がゆるみながら細部に引き込まれます。

いずれもデフォルメされているものの、リアルな日常の中で愛おしさを感じるもの、記憶にとどめたい、かけがえのない瞬間が描かれています。


メッセージに書かれているように、昨年10月中旬から11月にかけて、長岡市栃尾のご実家に滞在しながら「工房このすく」に通い制作活動をされました。

その折に、幼少期から絵描きになりたいと志していたこと、その道を応援してくれたご家族のことや、大学進学までの努力、学ぶ中で油画から版画へと制作が変化したことなど、今日までの遍歴を伺いました。


そのたゆまざる努力は想像も及びませんが、加えて感心したのは、大学を卒業した昨春からの1年間を、自分の仕切り直しのための時間として確保したということ。


そのまま進学したり、就職したり、あるいはフリーで作家活動に入ったりと、様々な選択肢があると思うのですが、

LICACOさんは一年をフリーにし、上半期は美術系の専門学校で教える仕事に携わり、下半期の数か月は、ふるさとに滞在しながら存分に制作して過ごすことを選びました。


走り続けてきたであろう彼女にとって、
とても貴重な1年だったことと思います。


この春からは再び東京藝大に戻り、版画研究室に進学されるとのこと。
どんな探究が続くのでしょうか。


今回は、滞在制作の際に、このすく内に「半分」だけ展示されていた卒業制作をフルバージョンで展示していただきます。


大学4年時の1年間が注がれた大作です。

自分のために確保した2023年を経て、新たなステージへと向かう春に観るそれは、
ひとつの集大成であり、あらたなはじまりの詰まったものであると
改めて感じられるのではないかと思います。


在廊予定はありませんが、今後の展開にも期待しながら、ご覧いただきたいと思います。







たびのそら屋に隣接する「工房このすく」が、様々なご要望にフレキシブルに対応しておられることで、いただくことのできた新たな出会いです。

滞在制作の際にご覧になれなかった皆様にも、改めてご紹介できることがとてもうれしいです。