2024年3月22日金曜日

出展者紹介④不破妙子

2024 SPRING EXHIBITION - Restart
4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)




不破妙子/ FUWA Taeko(漆)

在廊日:4/1・6・13(その他、随時) 

【略歴】

1988年 新潟県上越市生まれ

2011年 長岡造形大学オブジェクティブアートコース卒業

2013年 長岡造形大学 造形研究科  彫刻 修了

            塗師  赤木明登氏に師事  

2017 年季明け

2018 長岡市在住

 

【グループ展】

2011年「ウラニワストーリィ」SAKuRA GALLERY(東京)

2011年「ONE Mart  EXPRESS   10人の表現」新潟市美術館市民ギャラリー(新潟市)

2012年  西方彩子/不破妙子 二人展「サングリア」ギャラリーmu-an(長岡市)

201811月 ヤングアート長岡 芸術工事中オープンアトリエ参加(長岡市)

20194  「はな・みず・き」GalleryCafe VUCA(新潟市)

20196月    西方彩子/不破妙子 二人展「-日々-」長岡市栃尾美術館1Fギャラリー(長岡市)

201911月  芸術工事中2019 オープンアトリエ参加(長岡市)

20203月  「izumimaison de たびのそら屋(長岡市)

202011月  芸術工事中2020 オープンアトリエ参加(長岡市

202212月 「トキノツモリテ」maison de たびのそら屋(長岡市)



 【メッセージ】

発表は一昨年の冬の以来となり、今回も木地と乾漆
(古い麻布と漆を貼り重ねてできたかたち)の漆器が並びます。

新しいアイテムと、ぱっと見はわかりづらいですが木材の種類、かたちやなど
細々と変更や改良をした器等を展示します。

漆がお好きなかた、初めてのかたもぜひお手に取って
触感や軽さを感じてもらえたら幸いです。





5名の出展者の中では唯一、開廊当初からのつきあいとなる不破妙子さん。

長岡造形大学を卒業後、石川県は能登輪島の塗師・赤木明登さんの元で5年間修行したのち、
古巣の長岡市に工房を構えて独立したのが、たびのそら屋の開業と同じ2018年。

しかも「お隣さん」という本当に近しい距離に住まわれていることもあって、
冬の雪や、夏の暑さ、地震が来れば同じように不安を感じながら言葉を交わしたり、

若き作家の6年の模索と蓄積の日々に、どこか思いを重ねながら手元を垣間見てきました。





漆作家として生業を確立するのは容易なことではないと、覚悟しての道だと思います。

暮らしを支える引き受け仕事と、作家として作りたい作品を追求すること、
昨今はその狭間の葛藤もあったご様子でした。


【Restart】

DMにも書きましたが、それはただスイッチを押せば始まるものではなく、
独立します、と宣言すれば始まるものでもなく、

ひたすら手を動かし、カタチにしたものを発信し、
お客様に手に取っていただいて、地道につながっていく、その積み重ね。


気の遠くなることのように思いますが、漆という素材のことを教わるうちに、
彼女の歩みにも、漆塗りと通ずる時間の流れを感じるようになりました。




妙子さんが作る漆器は、杉板のトレーや塗り箸など一部を除き、
ほとんどが「脱乾漆」(だつかんしつ)という技法によるものです。

古来より仏像をつくる伝統技法で、軽くて丈夫で独自の形状を創ることができます。


粘土で型を作り、漆を塗った麻布を貼り、固まったら粘土を掻き出して、更に塗り重ねます。

その間に、乾かすための時間も必要です。磨く工程もあります。
漆の特性として「湿度がないと乾かない」ため、季節や天候によっても影響を受けます。

手間のかかる人生の縮図のようではありませんか。





修行した能登輪島やお師匠さん、仲間の職人さんたちのことも案じながら、
その地で学んだ伝統工芸を、長岡の地で、新たな形でつないでいく道を模索する、
不破妙子さんの手仕事に出会っていただきたいと思います。

展示数は限られると思いますが、オーダーをお受けできます。
実物の軽やかさなど、ぜひお手に取ってお確かめいただけたらと思います。