「 ー 忘れられた物語 ー 」 が閉幕しました
梅雨空いずこ、連日の猛暑となった中
お越しくださいました皆さま、どうもありがとうございました
今回の展覧会では、日ごろ拝見する機会の多い油彩・版画のほか、
色鉛筆で着色されたドローイングや、板や和紙に描かれた作品もあり、
幅広い猪爪彦一ワールドに出逢っていただけたのではないかと思います
先生は「描かれているものと対話をしていただければ」と取材に答えておられましたが
そのように、ゆっくりと味わってご覧くださる方が多かったのも印象的で
喫茶室で余韻を過ごしていただきながら
感想や様々な思いを聞かせていただけたことも、うれしいことでした
とりわけお客様から興味を示されることの多かったのが
「月の間」の一角に展示されたオブジェたち
日頃は先生のアトリエにある品々で、
こういうものからインスピレーションを得たり、
いつかモチーフとして作品の世界に描かれたりもする
という「参考資料として」展示してくださいました
自分が主宰する絵画教室などは持たない先生ですが
伝えること、示すことを惜しまず
とりわけ若い作家の方々に対しては
経歴ある年長者の立場で、というのでなく
あくまでも共に描き続けるものとして同じ目線にたちながら
制作することを、穏やかに、けれど力強く励まされいてるご様子を
垣間見させていただいた会期でもありました
展覧会は終わりましたが、
先生のアトリエに戻った作品たちの世界はこれからもゆるやかに動き続け
お客様の元に旅立った作品たちは
今度はその方々と新しい物語を紡ぎ出すのだと
あたたかい心持ちで、搬出後の白い空間に佇みました
終わらない旅の途中に居合わせていただきました
ありがとうございます