2018年4月25日水曜日

第Ⅱ期 作家紹介③



松坂渉さん

長岡造形大学大学院卒業後、
現在は地元・岩手県盛岡市で制作しておられます





日頃は革を用いた作品も作られますが、
今回はシルバーのアクセサリーと、響銅(さはり)の馬鈴を

タイクリップやカフスリングといった、メンズアイテムも届いています

エレガントに研ぎ澄まされたシャープさと、
やさしさ、やわらかさを併せ持つ意匠

蝋型鋳造で制作することで、そうした表情を表現できるとのことですが
そこにはやはり、作家の人柄そのものが現れているように感じます





馬鈴は雪融け後の春一番の作
熊よけ鈴として古くからある形だそうですが

彼の鋳造によるうつくしい音色は、なにものからも守ってくれそうな

あるいはなにものも味方にしてしまうような
気がします




やさしく繊細でありながら力強い
自然から得たモチーフをご覧いただきたいと思います







赤穂恵美子さん

館内最初の展示室「太陽の間」に入ると一番に目に飛び込んでくる
印象的なタペストリー

この新たな表現の場に、大いなる祝福をいただいた
と感じます

宇宙のちからをテーマに、染めた布を用いて作品をつくる赤穂さん
瞬時に時空を超えたところに引き込まれます


巧みな染色技術はアート表現の手段として位置付けられており
本来、第Ⅰ期でのご参加をご依頼するべきところ
今回は第Ⅱ期にご参加いただきました
おおらかにお引き受けくださったことに感謝しています


29日まで、長岡中央図書館2階・長岡市美術センターで開催中の
「新潟の美術家たち展」にもご出展されています

※第Ⅰ期ご参加の高橋洋子さんの作品も展示されています
やはりトンパ文字シリーズの作品が興味深いです
併せてお出かけください





蓑輪朋和さん

もうひとつの展示室「月の間」で、しずかに
そっと迎えてくれるのはこちらの作品

蓑輪さんは先にご紹介した大橋保隆さんと同じく鎚起銅器職人
でいらっしゃいますが、個人として作品をつくるときには、
同じ「鍛金」でも「鎚起」ではないことをなさるのだとか

それは「金属」の追究であり、「自分」の研究でもあると
教えていただきました


「たびのそら屋」があらたなはじまりを迎えるのと機を同じくして
蓑輪さんの中でもなにかが、そのときを迎えたような…

雪融けの清らかな流れのごとく

ここにも歓びと、祝福が