《 ヒラタヒロヒコ展 》と同時開催の喫茶室特別展示《鈴木雅詩 日本画展》の傍らに、
もう一つ、 ”特別展示その2” のコーナーがあります。
「あなたならどう使いますか」
使えそうで、 なぜだか、ちょうどよく使えない、
これらのアイテムは、オブジェなのか実用品なのか
ココがこうだったらいいのにと
もやもやの募る部分も多々あるかもしれません
これらを構成する「余った存在」だったものたちは
形を変えることで新たな使命をもつのか、それとも
金属をこよなく愛し、その加工を生業としてきたH氏からの問いかけは
誰へのはなむけか。。。
思うことあれこれ、お聞かせください。
▶ ヒラタさんではない「H氏」の作品は、お好きなお値段でお求めいただけます。
以下はすでにお迎えいただいた作品たちです。
7月のある日、「置いてくれませんか」と近所のH氏が持っていらした品々。
作家ではないそのひとの手掛けたモノたちに、少々戸惑ったのは正直なところ。
折しも夏の展覧会《Daydream》は、手仕事のプロフェッショナルたちによる
クオリティの高い作品がひしめき合う会場。
まずは本職作家たちの作品を語ることに専念せねばならぬので、
しばらくお預かりすることにして、ひとまずカウンターの棚の上に並べると、
「筆ペン」立てにと、具体的な用途を思い浮かべて早速おふたつ。
幸先のよいうれしい旅立ち。
お選びいただいているのが印象的。
そうした言葉から、モノの向こうに作り手を思うあたたかなまなざしを感じさせていただいたり。
夏休みが明けてから、H氏が追加で届けてくださった《5》は、
実は「4」と「6」の意味も仕込まれていて、《4・5・6》なのですって。
こういうの大好き。
もっとあったらいいのにと思うけれど、

師走の今、最終ステージにあるのは
きれいに切れないペーパーナイフ
掛けたものが落ちそうなフック
それらは溶接現場で「余った素材」を、
H氏がおもしろがりながら組み合わせて、創り出されたモノ。
新たな役割を得られなければ、「手間暇をかけた末に余ったモノ」
になるかもしれない素材たち。
これらをどう受け止め、この場でできることは何かと、思いを巡らせてきた半年でしたが、
フォーカスすべきはモノそのものよりも、関わるひとのこころ模様かもしれないと思い至る年の瀬です。
うつくしさ、素材へのこだわり、完成度の高さの追求が果てしなく繰広がるギャラリーで、
幾分、様子が異なって見えるそれらは、
役目を果たし終えた金属素材に、新たな使命を与えることを願うワークであると同時に、
職人そのひとにとっても、もうひと仕事、ありやなしや、、、 と問うような挑戦
であったりはしないかと、、、
ちょっと新しいステージに、欲を向けてみた、、、
自分のアイデアは、どんな反応をもらえるのか、、、
自身満々でもなく、極めて控えめに、でもほのかな期待を込めて、熱く、、、
お客様からどんな反応を受けているか、
見向きもされなければ回収しなくてはならないと言いながら、
毎月の展覧会に顔を出してくれるH氏の言葉の端々が、
まるでご自身に向けられたものでもあるかのように感じられるのは
想像が過ぎているかもしれませんが、
いろんな内なるせめぎ合いが、ここには繰り広げられているような
気がするのです。。。
《tool》のシリーズを思い返します。
それは「こころのための道具/tool」
(当時、Instagramの方に綴りました⇒★
そこに在ることで、誰かのこころに作用する、
それが在ることが、こころを支えたり、耕したり、潤したりする、、、
そのために創り出されたものたち。
H氏が手掛けた品々は、「あなたならどう使いますか」という問いかけとともに、
お客様との語らいの中に存在させることで、(最後となるかもしれない)役割は与えられ、
モノは在るだけで十分に、その役割を果たすのかもしれません。
ヒラタさんの略歴とメッセージを紹介したこのトピックス⇒★ の結びの方で書いた、
「別の文脈で投げかけられていたひとつの”問い”」というのはこの「H氏からの質問」のことでした。
ものすごく「用途」を考えて作られている(が実用には遠い(ことが狙い?の)
ヒラタヒロヒコ作品と、
もうひとりのH氏の、実用品にありそうでいて、どこかどうしても違う作品が、
こころの中で、ほのかにクロスします。
ヒラタさんがたびのそら屋に設えた”装置”は、案外、大きな仕掛けなのかもしれません。
他者に追随を許さない、ヒラタさんの独自の世界と、仕上がりのうつくしさ、
綿密に仕上げられたコンセプトの妙の中で、
不意にどこかで、ピコーン🔅と鳴る音が、
聞こえるでしょうか。。
《 ヒラタヒロヒコ展 》
喫茶室特別展示《鈴木雅詩 日本画展》
2025.12.9(火)~21(日)
OPEN 11:00~17:00
▶12/20(土)21(日)は午後から、ヒラタさん・鈴木さん在廊
▶最終日は16時にて閉幕です










