2023年7月13日木曜日

長島裕子「雑談中」

長谷川由香さんの染付のうつわ展と同時開催の、長島裕子さん版画作品展《雑談中》。

作品それぞれへの裕子さんのコメントを読むと、たのしさと味わい増し増しです。



◆画像は実際の色を再現できていません。
ぜひ実作品をご覧ください。

◆サイズは版の部分のおおよそです。

◆作品は全て2023年制作。
サイズ後ろの( ) 内の数字は、版を最初に作り始めた月日です。
作品の中にその数字が描かれていることもあり、それを探すのもひとつの愉しみ。






《 花器 》

器と花が合体した姿をイメージ
毛のうねりもある

塩ビ版ドライポイント・コラグラフ 凹凸版
h125×w149㎜/(213)


※色が異なるエディションが複数あります。
ご覧になりたい方は気軽にお声がけください。




《 上昇 》

月曜版画部で制作中に (刷り上がった時だけど)
秋田の旅をされたHさんのお話を伺った
紙風船まつりのイメージがふくらんだ

塩ビ版ドライポイント・コラグラフ 凹凸版
h100×w157㎜/(213)






※こちらは額装されていない別のエディションのもの。
ジェッソを用いたという炎みたいなところをお伝えしたく。
シートを貼りつけたり、コラグラフならではの面白さの出た刷り上がりに、
お友だちの旅エピソードが重なった作品🎈✨
裕子さんの最初のイメージも気になります。





《 雑談中 》

「何かに見える植物の姿シリーズ」からの組み合わせ
雑談のなかみは何でしょう?


エッチング・アクアチント
h105w×92㎜/(527)




《 聴いている 》

「オダマキの花びらの作った形」

集まった それぞれの人形が  小さな器のようでした

寝ながら聞いている人もいる…。

それぞれの時間。


エッチング・アクアチント
h75×w92㎜/(528)







《 夏の夜 》


「オダマキが姿をかえた」

首を傾けて見ると  歩いているような

夏の夜に  ゆらゆら飛んでいるような

当たりつきアイス食べながら…。


エッチング・アクアチント・塩ビ版ドライポイント
h145w×83㎜/(527)





エンボスがしっかりかかった棒のところも印象的です





《 ばら ワッペン 》

「ばらが咲いた」

ばらの消しごむハンコを 写しとって
塩ビ版の形で遊んでみました。

ばらのつぼみ  咲はじめ  満開
よこ顔 どの姿も可愛いですね。

塩ビ版ドライポイント・コラグラフ 凹凸版
h101×w96㎜/(527)

__________


※裕子さんお気に入りの自作の消しゴムハンコの絵柄を
写し取とって
塩ビ版で新たなデザインに仕上げた作品。
窓枠のようなアーチのフォルムはヤスリで整えるとのこと。
線のにじみも塩ビ版ならでは。 銅版画とは異なる味わいがあります。

モチーフ下部の影のような部分は塩ビ版をカットする際に割れてしまったカケラ。
花がらだけでなく、こうした偶然生まれたカタチを様々に見立てる裕子さんの眼。






《 絡まりやすい 》

植物のつるのくるくるを見ているのが好きで
そのまま絡まってしまった人。
抜け出せないのを喜こんでいるようです。

塩ビ版ドライポイント・コラグラフ 凹凸版
h160×w110㎜/(522)





《交信中》


「 小さな人のメッセージ

 解読できるかな…。 」


塩ビ版ドライポイント・コラグラフ
h160×w110㎜/(522)




※Instagramにアップしていましたが、
白地に紺のインクで刷られているのが染付みたいに思われて、
何を入れても入れなくてもよい由香さんの【灯台】と一緒にパチリ。

こういう、作家の意図せぬハーモニーが、うれしいのです。

「交信」しているかもしれない【灯台】。
てっぺんに、ぽちっと付いているのが「交信しやすそう」と言ってた裕子さん

ぽちっ、のついた小さい方は旅立って、すらりと背の高い方のみになりました




遠くても「交信」できるかもしれません




不揃いがたのしいうつわたち
賑やかに雑談中

(手前ふたつは sold out)



◆7/13(木)休廊日を挟んで、会期は後半へと折り返します。

《長谷川由香 染付のうつわ展》

【同時開催/喫茶室特別展示】 長島裕子 版画作品展「雑談中」
________________

2023.7.8(sat)~18(tue)
open 11:00~17:00
closed 7/13(thu)

【在廊日】
◆長谷川由香  7/8・7/15    
◆長島裕子   7/8・9・10・16・17(午後)、平日(昼ごろ可能な範囲で)