2024年4月20日土曜日

【御礼】Restart

2024.4.1~14に開催いたしました春の展覧会《Restart》は、無事に閉幕いたしました。

素晴らしい展覧会でした。

開幕二日目に開花した裏の桜も、更に後から咲いた対岸の桜にバトンタッチしながら、
会期を通して見事な景色を見せてくれました。





2024.4.13 

そら屋は葉桜、柿川水面は花筏
御幸橋の向こうに桜吹雪が見えた朝








桜が咲き進むにつれ、ギャラリー内の色彩も移り変わるのを、例年以上に感じられたのは、
出展作との組み合わせの妙だったように思います。

大地の芽吹きのように、深い色の中から瑞々しさが溢れるような作品たちが揃った展覧会でした。





自分の壁を乗り越えたうれしさと、
新たなステージに向かうワクワクと、
独自の道を拓く挑戦とをイメージした展覧会《Restart》。

LICACOさんと小山紀子さんから、大学4年次の集大成を展示していただいたことも、
とても意義深いことでした。

この春、それぞれの卒業大学の修士(前期)過程に進学された2000年生まれのお二人。


ここから始まる、否、既に始まっている、刻々と、、、

作品は過去の瞬間でありながら、作者と共に今も躍動していることを、
こんなにも体感したことがあったでしょうか、、、。






今井リエコさん、不破妙子さん、筒井早良さん、
どなたの作品にも、節目や転機の”内包”ではなく、思い切り発露していることが感じられ、

《Restart》は《Restarted》であったと、しみじみ思った会期末でした✨🌠





5名分の作家紹介を書き終えたのは会期末ギリギリになってしまいましたが、
それは営業時間中のうれしい賑わいを反映したものと思っていただけたら幸いです。


多くの方にお越しいただき、喫茶室での語らいも、桜咲くテラス席でのくつろぎも、
ゆっくりと愉しんでいただけましたこと、どうもありがとうございました。






作品が、作品単体では存在していないことを、改めて感じながら過ごした会期でもありました。

創るひと、愛でるひと、使うひと、言葉、笑顔交わして行き交うひととひと、、、
私たちを大きく包む自然の流れの中に在ることを、
いつにも増して愛おしく、かけがえのないことに感じられたのは、
お越しくださった皆様が笑顔で、うれしそうなご様子だったからだと思います。


作家のご家族皆様含め、遠方からも多数、足をお運びいただきました。
どうもありがとうございました。

SNS等で発信してくださいました皆様、DMを設置してくださいました事業所ならびに、
新潟日報紙様、いつもありがとうございます。

素晴らしき作品を寄せてくださいました5名の出展者の皆様に、
こころより感謝申し上げます。


そして、若者たちの未来に祝福を✨






今回の作品搬入は連日に分かれてお一人ずつの作業で、徐々に会場が仕上がっていったのですが、搬出も最終日と後日に日程が分かれ、閉幕から一気にリセットされることなく、少しずつ空間が変化していくのが、また季節のうつろいと相まって印象的です。(主だけの愉しみですみません)






ギャラリー内に桜色を招いてくれた小山紀子さんの写真のインスタレーションも、
一昨日、搬出を終えました。


大学での卒研発表の際は、照明がきれいに当てられ「塊」としてうつくしい展示でしたが、
自然光のあるこのギャラリーで展示できてよかったと、言っていただけたのはとてもうれしいことでした。

今回は(私が場に滞在している存在だからか)観るひとや刻々と変化する外の景色が作品に映り込む様子を通して、作品と周囲の存在との「関わり」について感じられたことが印象的でした。


いつだって作者や鑑賞者のこころの中では、作品との出会いの物語が動いていると思うのですが、
写真と貼り合わせられたミラー紙が目の前の出来事を視覚的にも見せることや、気流で静かに回転することで、過去である写真面と、映り込んだ今が交互に立ち現れる仕掛けの妙が気づかせてくれるものごとに、私は目が離せず、感動し続けていました。






ギャラリーには最後、LICACOさんの作品が搬出の日を待ちながら残ってくれています。

紀子さんの作品のように物理的には動かない版画作品ですが、これから作家の手を離れ、お客様方の元で豊かに動き出す時を待っているケハイが満ちています。






さあ、私も次の季節へ。

次回展覧会は、柏田良彰さんの油絵の個展です。
詳細は後日改めてご案内いたします。

どうぞおたのしみに。





《柏田良彰 展》

2024. 5.14(火)- 26(日)

OPEN 11~17時  ※最終日は16時まで
※5/17(金)22(水)休廊日



2024年4月14日日曜日

今井リエコ/自らの道

LICACOさんと同じく長岡市栃尾のご出身の今井リエコさん。

LICACOさんは、大学の途中で油画から銅版画に転向したことをご紹介しましたが⇒
リエコさんが描くものは、出産・育児で制作を中断したのち、
抽象画から二足歩行のひとのような存在を描くように変化しました。



《 はじまるよ 》

アクリル絵具、F6/2023年


描きたいもの、表現したいものに向かう、自らの道を見つけたときのうれしさ。

初めての出産からの育児は学生時代の部活動を思い出すような日々だったとか。

でも、我が子の成長を見守るだけの日々ではないよ、と
足元には「煮えたぎったマグマ」が描かれています。




連れてきてくださったお子さんは、こんなふうにパパさんに抱かれてとーってもかわいかったですが、
2歳児さんの無限のパワーは計り知れず、、、

会場にはゆらゆらキラキラ、触りたくなっちゃう魅力的なものが吊るされていることに
お気遣いくださり、ギャラリー床に降り立つことなく。。。

(ご配慮ありがとうございました😆また来てねーーー




《 ギャー 》

アクリル絵具、クレヨン、F30/2024年

sold out


そう思うと、こちらは子どもさんを描いたものかと思いきや、
もっと普遍的な、人生の、、、 ワタシの人生の歓びが、描かれています。

誰もがそのひとだけの舞台の主役であり、表現者であると、
子育てをしながら思い至ったのだとか。


この作品をお求めくださったお客様は、
「この絵は元気が出るね(飾ってあったら)元気が出そうだわ」と幾度もおっしゃいました。

とてもお元気な方なのですよ。
新しい楽しみ事をみつけて、どんどん出かけて。

でも、歳とともにの離別もあり、様々な思いがあることが窺えて、


そのひとを励ますものが、この1枚の絵であることに、
私は尊いものを垣間見た気持ちになります。




《 わたしになった 》

アクリル絵具、P10/2024年



こちらは、リエコさんの将来の夢が描かれているとのこと。

もう、なんてうれしそうに飛び跳ねているのでしょう。

このひとは、坊主刈りで、「まっぱ」(素っ裸)なのですって。

彼女が聞かせてくれる気持ちは、
目の前の、おっとりと静かに話す彼女からは想像できないことばかり。


叶うよ、

夢は、ちゃんと叶えられるよ、、、 私は胸が熱くなります。






《 旅人 》

アクリル絵具、F8(2024年)


マグマ色の川を遡っていく魚たちとは逆方向に
確かな足取りで、歩むひと。


私が解説せずとも、リエコさんの作品が放つものは、
お客様に届いています。


「その掌の上の大切なものだけを見て、しっかりと歩いているんだね・・・」と。


私は、50歳、60歳になったリエコさんに、会いたい気持ちです。





奥の壁面、LICACOさんの作品中央でベロを出しているのは、彼女が描く ”ワタシ”。
紀子さんの作品《ギャー》も、リエコさんが描いた ”ワタシ”。

小山紀子さんのインスタレーションのミラーに映り込んだ《ギャー》は、
実際は大きく口を開けて叫んでいる絵ですが、
ミラーの中で歪んで、ベロを出しているみたいに写った瞬間がありました。


きゃー(≧∇≦)


先に紹介した小山紀子さんのトピックスで、ひとはなぜ写真を撮るのか、
という彼女の問いについて書きました⇒
撮ったあとに、こんな瞬間があったことに出会えるのも、
写真ならではのうれしいことでした。



LICACO②愛おしいものしか描かない

卒業制作の大作《それだけで、わたしの》以外は、
工房このすくでのレジデンスで制作された銅版画です。





上《 Memory NO.1 》
下《 Memory NO.2 》

紙にエッチング、アクアチント/355×435mm

どちらも非売品





大学を卒業した年の1年は、あえて進学や就職をせずに、
自由な時間に充てたというLICACOさん。





上期は絵画教室でアルバイト、下期にはふるさと長岡市は栃尾に帰省して、
工房このすくに通いながら存分に自身のための自由な制作をされました。

描いたのは愛おしき家族や、住み慣れた家の隅々、ふるさとの暮らし、滞在時の出来事。







《 お晩になりました。》

銅版画エッチング/アクアチント
150×180mm





《 恐縮です。》

銅版画エッチング/アクアチント
150×180mm


と言いながら畑でムシャムシャ青虫さん?
蟲も大好きなLICACOさん





《 ごちそうさまが言えません。》


銅版画エッチング/アクアチント
180×240mm


こちらはエクレアをゴクゴク、LICACOさん
誕生日のお祝いがそんなことになっていたとは…
私にとっても衝撃の思い出




《 台所小散歩 》

ed.5/5 sold out

銅版画エッチング/アクアチント
90×90mm


おおらかなること 蟲愛ずる姫君







小品は全作品、LICACOワールドに魅了されたお客様に、続々お求めいただいています。
エディションは各5枚。
一番人気の《台所小散歩》は 最終日前日、4枚が売約済となっています。
⇒ 最終日、完売しました。





2024 SPRING EXHIBITION - Restart- 
会期:4/1 mon-14 sun
11:00-17:00(最終日は16:00まで)
________________

出展者

・LICACO/版画(東京都)@licaco_painting
・今井リエコ/絵画(長岡市)@irassyaidesu
・筒井早良/絵画(新発田市) @sawara_tsutsui
・不破妙子/漆(長岡市)
・小山紀子/写真・インスタレーション(長岡市)@_800190


◆最終日は午後から不破妙子さん、筒井早良さん、今井リエコさん(14時~)在廊で
16時にて閉幕です。


LICACO①それだけで、わたしの

左右正面ぐるりと囲まれ、その世界に浸っていただきたいLICACOさんのコーナー。
小山紀子さんと同様、今春、卒業大学の修士課程に進学されたLICACOさんにも、
学部卒業制作をご出展いただきました。





正面

《それだけで、わたしの》

エッチング、アクアチント / 2022
1180×3360×30mm



❖大きいですが販売品です。
ねじ止めしてある裏面の連結を外すと8枚のパネルになるので、
搬入時は驚きの軽量、コンパクトでした。






展覧会《Restart》は、昨年の出会いの中で、停滞していた制作を再開できた喜びを聞かせていただくことが相次いだことが発端となった企画です。


絵を描くことが好きで、幼少期から画家になることを夢見て、油絵を志向し、高校時代は基礎の確立に邁進し、一直線に藝大へと進んだLICACOさん。

その念願の油画の学び舎で、まさかの行き詰まりに陥ったのだとか。。。





(作品部分)


行く先が拓けたのは、銅版画との出会い。

「これなら、またいくらでも描ける!」と思ったと、昨秋、工房このすくでの滞在制作(レジデンス)でお会いした折に聞かせていただきました。


それからのこの大作への飛躍は、想像するだけで鳥肌が立ちます。





(作品部分)


レジデンスの折、工房壁面には大学4年次の一年をかけて制作したというこの作品の、
「半分」が展示されていました。

今展ではフルサイズで展示していただけないかと壁面を測りましたら、、、
ピッタリ~☆(*´∀`)人(´∀`*)☆ 


ということで、潮騒に包まれるように作品と対面できている次第です。




 


細部のどこを観ても愉しい

それはLICACOさんが愛おしいものしか描かないから、なのかもしれません



小山紀子さんのインスタレーション越しや、
ミラー面に映り込む様子にも見惚れます。






まるで いつかの記憶の おぼろ

 



2024 SPRING EXHIBITION - Restart- 
会期:4/1 mon-14 sun
11:00-17:00(最終日は16:00まで)
※休廊日 4/4 、10 

________________

出展者

・LICACO/版画(東京都)@licaco_painting
・今井リエコ/絵画(長岡市)@irassyaidesu
・筒井早良/絵画(新発田市) @sawara_tsutsui
・不破妙子/漆(長岡市)
・小山紀子/写真・インスタレーション(長岡市)@_800190


2024年4月13日土曜日

筒井早良②憧れ

「こんなお菓子の箱があったらいいわねぇ✨」と
お客様がうっとりされた、スクエアのパネル作品《花園》。





《 花園 》Ⅰ、Ⅱ

20×20㎝ キャンバス(2024)






7月に東京で個展を予定しておられる早良さん。
この作品は、連作として更に描いて増やしたいとのこと。

展示作は、一面の花園が生まれる前の、最初の芽吹きの作品です。


※今回お求めいただいた作品は、夏の個展で更に多くの方にご覧いただいたのちのお渡しとなります。

※画像は実作品を再現できていません。実作品をぜひご覧ください。











そしてもう1枚、ご紹介したいのは、たびのそら屋所蔵のこちら。





《 それぞれの意志 》



昨年、早良さんにとっての【Restart】となった、
陶芸家・うすだなおみさんとの二人展(新発田市・seatsさんにて)で求めた鉛筆画です。



 













スーーーーー


この迷い無きやわらかな線に、憧れます







筒井早良①肉筆で描く

新発田市でご主人と営むパン屋さんの他、子育てをしながらイラストレーターとしても活躍しておられる早良さん。

イラストのお仕事の時も、原画はデジタルではなく肉筆で描くことにこだわっておられるとのこと。

筆痕を残した絵具の僅かな影が、画面に独特の奥行きを生み出しています。





《 さようならの挨拶 》

(作品部分)

B4 イラストボード

sold out





《 三日月の下を渡ル 》

(作品部分)

F15 キャンバス(2024)






ギャラリー側のワクワクとは、また異なるわくわくがある喫茶室。





季節の巡りを感じる作品を寄せてくださいました








《 蒲公英 》

MS キャンバス(2023)




《 月と曇り空 》

MS キャンバス(2023)





《 足下採集 》

MS キャンバス(2023)





《 秋、夕暮れの出会い 》

F8 キャンバス(2023)






《 雲のスキマ 》

A3 イラストボード




通り過ぎた季節を思い、再び巡り来る季節を思うようであり

今、目の前、足元、見上げる空を、指し示すようでもあり

淡い色彩の中に迷いのない確信を感じます。

線のひとつ、色のひとつを、明確に選ぶイラストレーターでいらっしゃることが現れています。






机の上には、ポートフォリオとともに早良さんが掲載されているイラストレーター図鑑もあります。

こうしたところを手掛かりに、イラストのお仕事が来たりもするとのこと。

なんと、この春からスタートの『NHK俳句』のテキスト(NHK出版)内、
【器に季語を盛る】の挿絵を1年間担当されるとのことです。

俳句には縁遠いですが、俄然、気になります✨






4種類のポストカードがあったのですが、ご紹介せぬうちに最終日前日、残り1枚となりました。
素敵ですもの。

「ぱろぱとべーかりー」さん店頭で、そのポストカードを見つけたのが早良さんとの出会いでした。
皆様にも気に入っていただけて、とてもうれしいです✨🐤

________________

2024 SPRING EXHIBITION - Restart- 
会期:4/1 mon-14 sun
11:00-17:00(最終日は16:00まで)
※休廊日 4/4 、10 

________________

出展者

・LICACO/版画(東京都)@licaco_painting
・今井リエコ/絵画(長岡市)@irassyaidesu
・筒井早良/絵画(新発田市) @sawara_tsutsui
・不破妙子/漆(長岡市)
・小山紀子/写真・インスタレーション(長岡市)@_800190

◆筒井早良さんは4/14(午後)在廊です