2025年11月1日土曜日

【次回】山田貴広 個展

山田貴広 個展    焼き絵と木版画で観る -我が島の世界展-

2025.11.11(火)~23(日)
OPEN  11:00~17:00 ※最終日は16時半まで
休廊日  11/14(金)19(水)


 
喫茶室特別展示】 

藪沙織作品(アクリル画)と 藪×山田 コラボ版画作品展

 




▶山田貴広 / YAMADA Takahiro

1984年 新潟県三条市生まれ

2005年 新潟デザイン専門学校イラストレーション科卒業

2010年〜 各種イベントでの展示販売を中心とした発表を開始

2017年 日本ウッドバーニング協会 ウッドバーニングコンテスト奨励賞を受賞

2019年 ギャラリー蔵織(新潟市)個展 音楽演奏とのコラボ鑑賞会開催

2021年 ぎゃらりー浜つばき(新潟市)個展

2025年 あとりえきっか(加茂市)木版画限定の個展



▶薮 沙織 / YABU Saori

新潟市西蒲区出身
2006年 名古屋造形大学卒業 日本画専攻

大学卒業後しばらく制作から離れるが、
2014年ギャラリー郷でのグループ展参加をきっかけに制作活動を再開。

ギャラリー、カフェ等の店内展示、イベント出展、グループ展参加、
繋げてくれる方々のおかげで続けることが出来ていると感じます。





次回展覧会は、焼き絵(ウッドバーニング)から木版画へと制作の幅を広げる山田貴広さんの個展です。


主に新潟市、加茂市での展示活動のほか、各地のクラフトイベントに出店しながら、独自の世界を描く技を磨いてこられた山田さん。

このたび長岡にも活動の場を広げたいということで、たびのそら屋での展示をご希望くださいました。


ギャラリースペースは壁面も空間も広く、ここで満ち足りた個展をするのは、
相当のエネルギーを要することではないかと常々思っています。


山田さんにとって、初めての会場でもあり、
気合を要することだと思いますが、
40歳を迎える節目の熱き挑戦の気持ちがうれしく、引き受けさせていただきました。


手仕事とアートの狭間をゆくその作品世界は、空想的でありながら、
アウトドアが好きという山田さんのLIFE/日々・
人生と、地続きのものである様子。


会期を通して、技法のみならず、山田さんのそんなLIFEの一端も、
感じさせていただけることをたのしみにしています。


従来からのファンの皆様や、とりわけクラフトイベントの会場で出会われた皆様には、
もしかしたら印象が新たに飛躍するような感覚をおたのしみいただけるかもしれません。


______________



喫茶室では特別展示として、日頃より山田さんと二人展を開催している作家仲間の
藪沙織さんの作品と、おふたりのコラボ作品を展示していただきます。

藪さんも、たびのそら屋では初めてご出展いただきます。

常々作品を拝見させていただき、とても気になる作家でいらっしゃり、
また、山田さんとのコラボ作品も、新たな展開としてとても素敵で、
今回の「喫茶室特別展示」は私からリクエストさせていただきました。


初めて出会ってくださる皆様も、どうぞおたのしみに。



▶後日、作家メッセージと在廊日を加筆いたします。



2025年10月21日火曜日

【御礼】Cantabile

10/8~19に開催いたしました《 野坂衣織×川村翠 2人展「Cantabile」》は
最終日もにぎわいながら、無事に閉幕いたしました。





在廊のために遠路、幾日も通ってくださった作家のおふたり。


野坂衣織さんは長野県信濃町から電車で川村翠さんが住む上越市の最寄り駅まで行き、
翠さんが運転する車で一緒に長岡のたびのそら屋まで。


毎回ちょっとした旅レベルの移動だったと思うのですが、
それはひとえに、お客様との語らいを、手掛けた作品を、それらが形作る空間を、、
大切に、いとおしんでおられることのあらわれであったと思います。






ギャラリー窓辺に二つのスツールが並ぶ様子は
搬入日の作業が終わったあとのお二人に重なる風景でしたが、

最終日、お客様との語らいが区切れた僅かなひとときにも、
名残惜しむかのように並んで座っておられた瞬間があり、、

往復する道中でもたくさん語らっていらっしゃるでしょうに、話は尽きないのか、、
展示空間で共に過ごすというのは、また格別なことなのかもしれないと思う光景でした。




ある日の特別なひととき


作家の皆様には、この会場でやりたいことをやり尽くしてほしい、といつも願っています。


当初、ご友人によるハンドパン(金属製の体鳴楽器)の演奏と舞踏のコラボ企画も
希望されたことのひとつだったのですが、
その時点の展示構成ではスペースを確保することが難しいと判断し、
制作と展示に専念、イベントの開催は見送られました。


その一部がサプライズ的に実現したのが、上の画像の秋晴れの善き日 。

ハンドパン奏者の「ゆずりは」さんが奏でるやさしき音色に、
居合わせた皆さまと、こころを浸した、忘れがたいひととき。


ゆっくりと過ごしてくださるお客様の多かった展覧会。

昼に、夕に、たくさんの印象的な語らいがありました。




衣織さんのみ在廊だった日の夕暮れ



川村翠さんは、上越はもとより三条でも個展を開催しておられ、
独自の「青」に彩られた空間と、既に出会っている方もいらっしゃると思いますが、


長野県在住の野坂衣織さんは、長岡にも巡回する「多摩美展」などのグループ展で
数点を断片的に拝見する機会はあるものの、
これだけのボリュームをもって展示されたことは、作品世界への印象をも変える、
大変貴重なことであったと感じます。


衣織さんの作品は色彩豊かで、画面から訴えかけてくるものも力強く、
ご本人の、初対面のお客様へのアプローチも極めて積極的なのですが、、、


語らいを通して感じられたのは、むしろそこに在るのは「受容」と「寛容」※
ではないか、ということでした。


日を重ねるごとに、作品が発するもののこと、
この二人展の成り立ち、「2人展」をこのように開催できることの根幹と、
ありそうで、そうそうあるものでは無いことに、思いを巡らせました。



※それは折しも会期中の10/10の夜に開催された富川岳さんのトークイベント
を通した語らいの中でも感じたキーワード。また改めて綴りたいと思います。






会期末に、翠さんがInstagramに綴ってくださったメッセージも、
ことのほかうれしかったこと。

作業などはとってもスマートで速いけれど、話すのは考えながらゆっくり、
おっとりとした印象の翠さん。


話す以上に見つめる、そのまっすぐで、やさしくも冷静な眼差しを通して、
センセイを、、、 たびのそら屋での2人展を、、 
こんなふうに、 ”3人展” のようなキモチで、思っていてくださったなんて、、、


オトナ二人(衣織さん&そら屋)胸いっぱい、感涙。


インスタアカウントが無いと読めないので、こちらに転載させていただきます。



素敵なたびのそら屋に伺ったのは2年前。

高校美術、美術部顧問だった恩師の野坂衣織先生(@iorinosaka )が「たびのそら屋さんで展示を一緒にしよう」と私に相談してくれた。

先生はいつも突拍子がなく(先生の中では考えていたのかもしれない)そしてその願いを叶えられる。

先生とたびのそら屋の久保田さ和さんのところに突然伺った時も今より絵描きとして経験の浅い私は当日とてもドキドキしていた。


先生はいつも全力疾走、猪突猛進、とにかく全力。いつも本当に変わらない。

そして変わらないといえば私の先生に対する遠慮の無さも変わらない思う…(笑)

思い返せば高校生の頃からズケズケと部活や学校で俯瞰的に見えることを伝えていたと思う。先生はそれを「大人ぶって」なんて言わず、真っ直ぐに受け止めてくれた。


私たちは15年で学校や勤め先、住む場所や生活環境が変わっても変わらない関係でずっと縁が切れないでいる。


2人展のテーマはいつもどんな雰囲気にしたいか考えてから、先生に相談する。

たびのそら屋での展示をどんなのにしたいか。今まで「深海」「海潮音」と展示を重ねて、どうしたいか考えた。


私のたびのそら屋の印象は、白を基調とした無機質な外観から、室内に入ると赤を基調とした華やかな喫茶室、それからホワイトキューブな展示室にある陽の光を取り込める大きな窓。そしてそこから見える木々がとても素敵だも思っていた。喫茶室はいつ伺っても賑わっていている。

どんな先生の展示を見たいか。先生の作品は、毎年ポートフォリオを作成しているので大体分かる。今回は「クレマチス」を筆頭にそれに関連した作品が見たいと思った。クレマチスは「翠さんが抽象画を描いているから描きたくなった」と言っていただいた作品。それから展示の構成は、なるべくシンプルにしたかった。


テーマは、漢字の角角とした印象よりは、もっと華やかな静かな秋の訪れや調和を意識した言葉にしたいなと思った。

そこから思いついたのは「Cantabile」だった。歌うような、流れるような、そんな展示にしたいと思った。


2人展とうたっているものの、私的には野坂衣織・川村翠feat.たびのそら屋である。とっても僭越ながら、3人展のような、今回展示前さ和さんに相談させてもらいながら、そして喫茶室で談笑しながらそう感じた。

たびのそら屋だから見たい作品を先生にお願いしたし、私もそう思って描いた新作が10点。ありがたいことに行き先が決まり、ここでしか見れない作品たちもある。


この2週間素敵な出会いもたくさんあった。

何度も足を運んでいただいている方もいらっしゃって本当に嬉しい。





最終日にお客様からいただいた心づくしのダリア



旧知のファンの皆様も、初めての皆様も、
遠方からもたくさんのご来訪を、どうもありがとうございました。


SNSでの発信やDM設置にご協力くださいました皆様にも、
こころより感謝御礼申し上げます。


作家ふたりの勢いは、ますますにとどまらない様子です。
個々の活動と併せて、来年も県内外での2人展を予定しておられるとのこと。


それぞれの年代ならではの変化が、これからもあると思うのですが(もちろん私も)
全てを受け入れながら、なるように、 精一杯。


これからの展開と、再会の日を楽しみに思いながら、
有り余る余韻を、見事なダリアと分かち合う展覧会アフター、、






見ている間にも 開いていく

いとおしき つぼみたち


先達の 大輪の 懐で

おもいおもいに 咲き誇らん








次回展覧会は11/11(火)より

▶山田貴広  個展 
《 焼き絵と木版画で観る-我が島の世界展- 》

▶喫茶室特別展示
藪沙織アクリル画と、藪×山田 コラボ版画作品






色調ががらりと変わった会場になることまでは想像できますが、
細部は届いてからのおたのしみ。いつも想像を超えていくのです✨
詳細は後日アップいたします。

イベント目白押しの秋。急激に肌寒くなりましたが、
皆様ご自愛のほど、よき日々でありますように🍁✨



2025年10月18日土曜日

野坂衣織/喫茶室はたのし

野坂衣織 × 川村翠  2人展「Cantabile」

2025.10.8(水)-19(日)
OPEN    11:00-17:00 ※最終日は16時まで
休廊日  10(金)、15(水)
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赤い壁の喫茶室に展示していただくのは、2020年以来、二度目となる野坂衣織さん。

この空間とのハーモニーを最大限にイメージした作品を、ご用意くださいました。





《山羊座》 


ボード、墨、水干絵具、岩絵具、金泥
F4(333×242㎜)/2024





2年前から習っているという日本画の、今回唯一の作品






《スーホの白い馬》

キャンバス、アクリル、セラミックスタッコ、胡粉ジェッソ
F10(455×530㎜)/2025




子どもの頃から好きで、よく描いていたという馬

留守にすることの無い暮らしなら飼いたいくらい、と仰います





《射手座》  《獅子座》

キャンバス、アクリル、砂
SM(227×158㎜)/2023







《 うららかな日 ~桜~ 》

キャンバス、アクリル、セラミックスタッコ、胡粉ジェッソ
F0(180×140㎜)/2025








窓辺の棚には水彩画の小さな作品とオルゴール







木箱を開けるとあふれだす色彩


ぎりり、ぎりり、と巻く感触のなつかしさ


たどたどしく、つま弾かれる、はかなき音色


ねじ止まれども、奏でるものあり







《無限未来》

sold out

アクリル、セラミックスタッコ、胡粉ジェッソ、
シナ材、オルゴール機器
220×120×80㎜/2020










《 Gemstone plants  ~Sapphire~ 》


アクリル、セラミックスタッコ、胡粉ジェッソ、
シナ材、オルゴール機器
182×97×72㎜/2020





タイトルにある【Gemstone】は【宝石の原石】

描かれているのは ”サファイアの実”✨


ラメがとってもきれいです。覗き込んでご覧ください。






オルゴール機器は接着されていないので
自由なたのしみ方を






《ハッピーエンド》

アクリル、セラミックスタッコ、胡粉ジェッソ、
シナ材、オルゴール機器
220×120×80㎜/2020






開けても閉じてもうつくしい








オルゴールと共通モチーフのミニアチュール3作品





《無限未来》 《奏》 《ハッピーエンド》

全てsold out






キャンバス、アクリル、砂
125×125㎜/2025





小さな画面から溢れ出す躍動の世界






喫茶室、ケモノ率高し、うれし




名残惜しき会期末。
作家在廊で最終日は16時にて閉幕です。


川村 翠/日々

野坂衣織 × 川村翠  2人展「Cantabile」

2025.10.8(水)-19(日)
OPEN    11:00-17:00 ※最終日は16時まで
休廊日  10(金)、15(水)
_________________________________


三角のグリッドをベースに描かれた青の世界が、川村翠さんのイメージですが、
喫茶室に展示された、日々を描いた具象画も印象的です。





《日々/海2》

sold out









潮騒が、 祭囃子が、


聞えてくるような







《日々/祇園祭》

いずれも227×158㎜/2025











《日々/鉢植え》







スマホで撮るだけでなく、

筆で描いて残したい、かけがえのない日々





《明け方》

《夕方》


アクリル、ジェッソ、ベニヤパネル
F0(140×180㎜)/2025





川村 翠/光のグリッド

野坂衣織 × 川村翠  2人展「Cantabile」

2025.10.8(水)-19(日)
OPEN    11:00-17:00 ※最終日は16時まで
休廊日  10(金)、15(水)
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「波は三角の連続」という発想から水と光をテーマに作品制作している川村翠さん。

三角のグリッドを構成する直線のうつくしさと、
世界を満たす青の心地よさ。



▶画材はいずれもアクリル、ジェッソ、ベニヤパネル使用。






《 swim in 》 

sold out


606×727㎜/2024






《遊泳》1. 2. 3.

各 900×400㎜/2023







《静けし夜》

148×226㎜/2025

sold out








水中であったり、水面であったり、
思い思いに、青の世界をたのしんでいただいておりますが、


夜空の雲間から見える月みたい、、 

そんなふうに感じていただいた作品も。







《鏡と時》

sold out

210×150㎜






《ひだまり》

sold out

300×300㎜




こちら、ひとつの詩をもとに翠さんのインスピレーションで描いてほしいと依頼され、
1年越しで完成された作品《ひだまり》。


今回の作品構成は、翠さんの青の世界にやさしく投げかけられたこのひと粒から、
波紋が広がるように色彩の広がりがうまれた面もある様子。










《かおり》

148×196㎜/2025



キャンバスを用いず、ベニヤ板に下地を施して描くスタイルの翠さん。
パネルは木材を用意し寸法指定で知人に制作していただくとのこと。


側面を塗らず木肌のままを見せる作品は珍しく、
湖面に周囲の木々が映る様子を描いた作品ならではの意匠。








雪の白のかがやき

雨の降らない夏の祈り

歌うように、流れるように、、


たくさんのひととのつながりを育みながらの日々が、
在廊時のお客様との語らいから伝わってきます。








西日が映す木陰のきらめきと、たくさんの語らいを吸い込んで


素晴らしき二人展のフィナーレは

新たな物語のはじまり







《Cantabile》作品部分







▶会期末の10/18(土)19(日)はお二人揃って終日在廊。
最終日は16時にて閉幕です。