立教大学で准教授として勤務しながら、長岡造形大学大学院博士課程に在籍中の南雲まきさん。
従来より油絵で描いてきた「みずのかたち」の多くは、ふるさと南魚沼の八海山より流れる川の風景。
7/14の在廊日には、その 山 からの 水 に惹かれる方々との出会いが繰り広がりました。
◆複数枚数刷られている作品は、展示品以外はシートのまま保管されていますので、
平らな状態での額装も承ります。
《 Blink of sky 》
リノカット・リダクション
sold out
晴れた日の空を写す水面は
水であり 山であり 空
《 Eternal 》
リノカット・リダクション・小国和紙
雨の日に見えたままのモノトーンの水面

《 Fons 》
リノカット・リダクション
sold out
とりわけこちらの作品についての語らいは、
まきさんにとって、ひとつの転機となったご様子です。
「Fons」
ラテン語で「 泉」
まきさん語としては「 水、かなぁ… みたいな 」 意味だとか
ポートフォリオのファイルに収められた油画の作品写真をご覧いただいてわかる通り、
写真と見まごう写実表現を得意とするまきさん。
版画で写実を目指した作品たちに比べると、この「Fons」だけが、
異なるタッチで彫り進められていています。
まきさん曰く、これだけは(ちまちまと丁寧に彫らずに)彫刻刀の勢いに任せて彫ってみたとのこと。
これが描きたいものとして正解なのかわからないまま、おそるおそる展示したという作品。
なるほど
「水、、、かなあ・・・?」(疑問)
だったのですね。
それこそが面白い、という語らいの中に、
新たな展開へと大きく開けた瞬間があったご様子です。
刷る際のインクや紙も他の作品とは変えてあり、光沢のあるコピー用のインク(その名もPerfect)の
かすかな凸ラインは、見る角度によって反射の煌めきをもたらしていることなども、
改めて注意深く拝見しながら、
絵画、版画、ART、、、それを描くひと、観るひと、こころに持つひと、、、
その豊かさや奥行きを、改めて愉しませていただきましたこと、
したためておきたいと思います。
《 Rhythm Ⅱ 》
リノカット・リダクション・小国和紙
◆「リダクション」とは「彫り進み」のこと。
版を刷っては彫り、刷っては彫る、、、 ので最初の版には戻れません。
なるべく最小の版数(=色数)で仕上げることを目指しておられるとのこと。
薄い色から刷っていき、色の重なったところにも色彩が生まれることを考えながら彫り進めます。
計算して描く作品もあれば、「出たとこ勝負で」版を見ながら進めていくこともあるようです。
いずれにしても、私などは頭が混乱します(*ノωノ)
◆まきさんは7/14と最終日7/24の在廊予定でしたが、7/21の午後も
在廊していただけることになりました。
◆アクリルボックスに収めた作品の展示替えもしてくださるようです。
そちらもどうぞおたのしみに。