日頃の企画展では、出展作家の世界が織り交ざらないよう、各々独立した部分があることを心掛けて、
壁面や空間のスペースを配分することが多いです。
それでも展覧会全体として、その顔ぶれならではのハーモニーが生じているのを感じられるのが
愉しいところ。
一方、今回の二人展は作家のおふたりによる構成で、その世界、がっつり交差。
絵画:猪爪彦一/油彩・銅版画
立体:蓑輪朋和/銅(主に鍛金)
視線の先に重なる光景は、まるでひとつの世界が、平面と立体で表現されたかのような、
同じ方の作品のよう、と幾人もの方がおっしゃっていただくほどの
不思議な一体感が醸し出されています。
右《風景》 F10
猪爪彦一さんの黄金色は、蓑輪朋和さんの銅の色に、
差し色として好んで用いられる青は、蓑輪さんが銅に施した緑青の青に重なっていたことの発見。
打ち合わせ無しに生じた、いくつものシンクロニシティの驚き。
《行方》
《ミナレット》 F6
《心を観る》
《異郷》 F50×2
上《異族》 展示作はsold out
下《アンテナ》 sold out
《夜に》 F3
いつもは壁面を余すところなく作品を展示されることの多い猪爪さん。
今回は蓑輪さんの未だ見ぬ作品を思い描き、ゆとりをもった構成に。
個々の世界を、作品の狭間を
点在するもののひとつとなって、漂う心地よさ
《窓》 F30
何者も浮遊しない世界
我が道をゆく
自由
左《異族》 右《夜》
個々の展示では感じられなかったこと。
他の組み合わせでは出会えなかった物語。
それぞれの作品世界の味わいが深まる
かつてない二人展です。
猪爪彦一×蓑輪朋和《この道の先には》
会期末は
12/14(土)蓑輪朋和さんのみ在廊。
12/15(日)はお二人そろって、16時にて閉幕です。
窓の外は雪化粧になるでしょうか ***
道中お気をつけてお越しください。