2024年3月25日月曜日

出展者紹介⑤小山紀子

2024 SPRING EXHIBITION - Restart

4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)
__________________________________

5名の作家にご出展いただく、maison de たびのそら屋 7度目の
春の展覧会。
会期が近づき、ギャラリーでは搬入がはじまりました。
今回は全員の予定が揃わず数日に分かれての搬入作業。
晴れた日には外回りの手入れをしながら、内も外も、徐々に春に近づいていくのを味わっています。


出展者紹介、最後のおひとりです。






小山紀子 / KOYAMA Motoko(写真・インスタレーション)


【略歴】

2000年 神奈川県横浜市生まれ
2023年度 長岡造形大学視覚デザイン学科卒業
20244月より 長岡造形大学大学院修士課程(美術・工芸領域)に進学

写真そのものだけでなく、オブジェクト等も交えながら 
なぜ人は写真を撮るのか” 
という純粋な問いに向かって制作・発表。
自費出版による
zine制作も精力的に行なっている。
Flotsam zine tour 2023参加。


Instagram @_800190
在廊日 4/1・14







【メッセージ】


本展示では、私が今年度卒業研究にて制作いたしました “Things for the lost / 失ったものたちへの献花” と未発表作品である “In my grandfather’s arm” 2点を展示致します

これまで制作を通して、常に「なぜ人は写真を撮るのか」という疑問に向かって制作をしてまいりましたが、この両制作はどちらもその問いの中で改めて「なぜ私は写真と共にあるのか」という起点に立ち返った作品となります

私は、写真が記憶を想起させる「装置」である、と考えています

私の展開する無数の写真群が、また鑑賞頂いた皆様の持つ写真の束が、いつか私たちを愛おしい記憶と共に救ってくれますように

 





小山紀子さんとの出会いは、昨年下期に続いた若者たちとの印象的な出会いの中のひとつです。

プロフィールにあるように、
この度、長岡造形大学を卒業し、同大学修士(前期)過程に進学予定で、
今しばらく身近なところで活動を垣間見させていただけることがとてもうれしいです。

2月の「卒研」で作品をご覧になった方には改めてのご紹介になります。
今回初めての皆様にも、彼女の探求の一端に触れていただき、これから
修士課程修了までの2年間の道程と、向かう先をたのしみにしていただけたらと思います。






最後の1枚のみ、卒研会場にてたびのそら屋撮影、他画像は作家提供です。

写真として切り取られ、こんなにも物質的でありながら、その集合体は鑑賞者が行き交う静かな気流の中で常に変容し、万華鏡のように全く同じ状態が再現されることはない…

瞬間を見せるインスタレーション展示でしたが、
流れる映像のようでもありました。


一年の中でも特別な光景を見せるたびのそら屋の春の窓辺。

紀子さんの作品と相まって繰り広げられる景色もまた、スペシャルであろうことを
確信しています。


皆様に、この春の日のひとときを重ねていただけますように。


Coming soon 🌸






【 2024年は、写真作品の出展が続きます 】

1月には鷲尾顕一さんによる神々しい山岳写真で、時空を超えた旅にいざなわれました。
4月の小山紀子さんは日常の風景を記録した写真を用いたインスタレーションがメインです。
7月の三人展では、高畑杏子さんが鷲尾さんとはまた異なるアプローチの山での写真とともに、作品に合わせて誂える額も「うつくしき瞬間を暮らしの中に」という作家の思いが込められた、たのしみな要素。
そして11月は川田淳さんが二度目の二人展に向けて、従来とは異なる手法の現像による作品に挑んでおられるご様子です。


写真にもカメラにも詳しくない私は、作家が選ぶテーマや被写体に着目しがちでしたが、撮るまでの行程とその後のことを聞くにつけ、それはそのひとの人生の在りよう、生き方が映し出されていると感じるようになりました。

デジタルカメラや高機能のスマホカメラの出現で、ある意味、誰もが気軽にきれいな写真を撮ることが可能になった世の中で、被写体の構図や技術についての評価軸とはまた別のたのしみや探究のあることが興味深いです。


共通するのは、撮る人がその場に居なければ成立しない、ということ。

写真はカメラという「道具」を頼るものでありながら、
とても能動的な「Go」と「Do」の要素を感じます。



また、紀子さんもですが、昨年9月にご出展いただいた小川愛咲子さんや、10月の坂井優斗さんなど、フィルムを使って、紙に自らプリントすることにこだわり、展示することを通して他者と交流することを願う若者たちが少なくないことが、私には意外で、新鮮な感動があります。

自らの手足を動かし、アナログであることを手放さない若者たちの生業に、
大切なものを教わり、勇気づけられる気持ちになります。


紀子さんは、なぜ「写真」撮るのか、それを用いて何を表現したいのかという極めて個人的なことを、他者と共有できる普遍的なことへと昇華し言語化する作業を、これからの修士課程の中でしていかれるのだと思います。


「写真」を用いた表現を通して投げかけられるものとの出会いを、たのしみたいと思います。



2024年3月22日金曜日

出展者紹介④不破妙子

2024 SPRING EXHIBITION - Restart
4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)




不破妙子/ FUWA Taeko(漆)

【略歴】

1988年 新潟県上越市生まれ

2011年 長岡造形大学オブジェクティブアートコース卒業

2013年 長岡造形大学 造形研究科  彫刻 修了

            塗師  赤木明登氏に師事  

2017 年季明け

2018 長岡市在住

 

【グループ展】

2011年「ウラニワストーリィ」SAKuRA GALLERY(東京)

2011年「ONE Mart  EXPRESS   10人の表現」新潟市美術館市民ギャラリー(新潟市)

2012年  西方彩子/不破妙子 二人展「サングリア」ギャラリーmu-an(長岡市)

201811月 ヤングアート長岡 芸術工事中オープンアトリエ参加(長岡市)

20194  「はな・みず・き」GalleryCafe VUCA(新潟市)

20196月    西方彩子/不破妙子 二人展「-日々-」長岡市栃尾美術館1Fギャラリー(長岡市)

201911月  芸術工事中2019 オープンアトリエ参加(長岡市)

20203月  「izumimaison de たびのそら屋(長岡市)

202011月  芸術工事中2020 オープンアトリエ参加(長岡市

202212月 「トキノツモリテ」maison de たびのそら屋(長岡市)



 【メッセージ】

発表は一昨年の冬の以来となり、今回も木地と乾漆
(古い麻布と漆を貼り重ねてできたかたち)の漆器が並びます。

新しいアイテムと、ぱっと見はわかりづらいですが木材の種類、かたちやなど
細々と変更や改良をした器等を展示します。

漆がお好きなかた、初めてのかたもぜひお手に取って
触感や軽さを感じてもらえたら幸いです。





5名の出展者の中では唯一、開廊当初からのつきあいとなる不破妙子さん。

長岡造形大学を卒業後、石川県は能登輪島の塗師・赤木明登さんの元で5年間修行したのち、
古巣の長岡市に工房を構えて独立したのが、たびのそら屋の開業と同じ2018年。

しかも「お隣さん」という本当に近しい距離に住まわれていることもあって、
冬の雪や、夏の暑さ、地震が来れば同じように不安を感じながら言葉を交わしたり、

若き作家の6年の模索と蓄積の日々に、どこか思いを重ねながら手元を垣間見てきました。





漆作家として生業を確立するのは容易なことではないと、覚悟しての道だと思います。

暮らしを支える引き受け仕事と、作家として作りたい作品を追求すること、
昨今はその狭間の葛藤もあったご様子でした。


【Restart】

DMにも書きましたが、それはただスイッチを押せば始まるものではなく、
独立します、と宣言すれば始まるものでもなく、

ひたすら手を動かし、カタチにしたものを発信し、
お客様に手に取っていただいて、地道につながっていく、その積み重ね。


気の遠くなることのように思いますが、漆という素材のことを教わるうちに、
彼女の歩みにも、漆塗りと通ずる時間の流れを感じるようになりました。




妙子さんが作る漆器は、杉板のトレーや塗り箸など一部を除き、
ほとんどが「脱乾漆」(だつかんしつ)という技法によるものです。

古来より仏像をつくる伝統技法で、軽くて丈夫で独自の形状を創ることができます。


粘土で型を作り、漆を塗った麻布を貼り、固まったら粘土を掻き出して、更に塗り重ねます。

その間に、乾かすための時間も必要です。磨く工程もあります。
漆の特性として「湿度がないと乾かない」ため、季節や天候によっても影響を受けます。

手間のかかる人生の縮図のようではありませんか。





修行した能登輪島やお師匠さん、仲間の職人さんたちのことも案じながら、
その地で学んだ伝統工芸を、長岡の地で、新たな形でつないでいく道を模索する、
不破妙子さんの手仕事に出会っていただきたいと思います。

展示数は限られると思いますが、オーダーをお受けできます。
実物の軽やかさなど、ぜひお手に取ってお確かめいただけたらと思います。


2024年3月20日水曜日

出展者紹介③筒井早良

2024 SPRING EXHIBITION - Restart
4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)






筒井早良 / TSUTSUI Sawara


【略歴】

1980年生まれ / イラストレーター  

23歳で新潟を離れて大阪、その後フランスへ1年留学、帰国後東京へ
イラストレーション青山塾、MJイラストレーションズを卒業
4年前に地元新発田へ戻り夫と「ぱろぱとBAKERY」を開業

販売、アートワークを担当しつつフリーのイラストレーターとして
書籍、広告等へ絵を描く日々。



◆受賞歴

illustration誌『ザ・チョイス』 第179回 水野学審査 入選
第一回 東京装画賞 
2012 入選
 

Instagram @ sawara_tsutsui 
在廊日 4/14



【メッセージ】

日々の生活に寄り添うような四季折々の美しい自然
素晴らしい山々が私は好きなんだと思います

よく晴れた日の山の雄大さ
夏の青く高い空 耳に残る蝉の声

色鮮やかな山景色や
目の前の白い世界 

毎日毎日心の深呼吸をしながら描きました







新発田市でご主人と営んでおられる「ぱろぱとベーカリー」さん⇒  に初めて伺った折、
パンも魅力的でしたが、カウンターに素敵なポストカードが販売されているのが目に留まり、
どなたの絵ですか?という問いに「わたしです」と答えてくださったのが早良さんでした。

今は描く時間が無いのですが、とおっしゃるのも無理からぬお忙しさとは思いましたが、
また描けるようになる日をたのしみにしています、とお伝えしたのは何年前だったでしょうか。


昨秋、念願のお知らせが届き、拝見してきました。



 


2023.9.23~10.2に新発田市「seats」さんで開催された
陶芸家・うすだなおみさんとの二人展の案内状



イラストレーターとしての仕事も継続されているとのことですが、依頼に応じて描くのとはまた異なる、作家としての活動も再開という嬉しいお知らせに、パワーと熱を感じました。


彼女が描く空や、山々がどこまでも続いていくように、
その道も、色とりどりの景色の中を、続いていくことを思い浮かべます。


今回は喫茶室に展示していただきます。

赤い壁面と、窓の景色とのハーモニーの中で、
あらたに繰り広がる世界がとてもたのしみです。


________________________

2024 SPRING EXHIBITION - Restart

4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)

【出展者】(敬称略) / 出展内容(居住地)@Instagram

◆LICACO / 版画(東京都)@licaco_painting

◆今井リエコ / 絵画(長岡市)@irassyaidesu

◆筒井早良 / 絵画(新発田市) @sawara_tsutsui

◆不破妙子 / 漆(長岡市)

小山紀子 / 写真・インスタレーション(長岡市)@_800190



出展者紹介、つづきます。




2024年3月18日月曜日

出展者紹介②今井リエコ

2024 SPRING EXHIBITION - Restart

4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)






今井リエコ / IMAI Rieko(絵画)

【プロフィール】

1992年 長岡市栃尾生まれ
2009年 高校2年時に絵を描きたいと思い、美術部に入部
2015年 明星大学造形芸術学部 絵画コース卒業
2016年 3人展 (GALLERY IRO 東京・吉祥寺)
2017年 2人展 (散ポタカフェのんびりや 東京・台東区)
2020年 個展「どろどろハッピー」(ギャラリーみつけ 新潟・見附市)


Instagram @ irassyaidesu



【メッセージ】


初めて、「自分が見たい絵」に素直に向かうことができました。

1年前の自分のノートには「もう絵を描かなくていいよと人に言われたとしたら、ホッとする」
なんて書いてありました。

今はその時の自分に、それで安心するわけないだろと言えます。

描いていて、自分でも思ってなかったことが起きるのがおもしろい。

なぜだか分からないけど、私がここにいる。

光ったり消えたり、また光ったりする奇跡にありがとう。






何度目かのご来訪時、ここで展示をするにはどうしたらいいですか、と切り出してくださいました。

聞けばこれまでも展覧会活動をしていて、「ギャラリーみつけ」でも開催したことがあるとのこと。

その折に、私が芳名帳にメッセージを残していたと教えてくれて、思い出しました。
とても気になる展覧会があったこと。

手元にその時のDMを残していました。





当時のリエコさんの作品は抽象的で、どんな気持ちで描かれたのかはわからないけれど、
きれいな色彩と「どろどろハッピー」というタイトルにつられてか、
なんだかうれしい気持ちになって、


展覧会場でメッセージを書いてくることはめったにないのですが、
(即時、気持ちをまとめられなくて、です)
その時は珍しく、帰り際にひとこと書いてきたのでした。


そんなことを思い返しながら、出産・子育てで中断していた制作と発表をまた再開したい
という気持ちなどを伺いました。


彼女の続きを、観たいと思いました。



  (たびのそら屋の芳名帳にもメッセージ欄があります。
  (書いてくださる方は多くはありませんが、ありがとうございます。
  (出展作家とシェアさせていただき、私も励まされています。



今回、寄せてくださったメッセージから、彼女の中の変化の大きさと、よろこびが伝わってきます。


「どろどろ、ハッピー」のDM作品は、原石のようであり、形を変えようと動いているようでもあり、


あそこから生まれてきたのだなあ、、、と思いを巡らすにつけ、
ただただ、作品の到着がたのしみです。


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🏠会場
maison de たびのそら屋
長岡市呉服町2丁目1-5
0258(77)2981

🚗斜め向かいに専用駐車場がございます。ご不明の際はお尋ねください。

🎁作品は一部を除き販売いたします。(小物以外の作品のお渡しは会期後です)
お支払いは現金もしくは会期中のお振込みのみです。

☕会期中は喫茶室を営業しています。ゆっくりとお過ごしください。




2024年3月17日日曜日

出展者紹介①LICACO

2024 SPRING EXHIBITION - Restart

4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)

春が、会期が、近づいてまいりました。
出展者の略歴とメッセージを、順次ご紹介します。






LICACO / 版画 


【略歴】

2000年生まれ。新潟県長岡市栃尾出身。
新潟県立長岡高等学校卒業ののち、東京藝術大学美術学部油画専攻に進学

2019年     東京藝術大学久米桂一郎賞受賞
2024年度  同大学の大学院美術研究科版画研究室に進学予定

現在は東京を拠点に「人間の奥底にある愛しさ」をテーマに
油彩・版画・立体作品など、媒体を問わずに制作をしている。


Instagram @licaco_painting

◆在廊予定はありません。




【メッセージ】

2023年秋、約2ヶ月間「工房このすく」にて滞在制作を行わせていただきました。
今回は、滞在制作の期間中、地元でしか得ることのできなかった経験や感性をもとに制作した銅版画作品、そして、2022年に一年間かけて制作した銅版画作品を展示させていただきます。

イメージから湧き立つ人間特有の感情を感じていただけると幸いです。






DM紙面で異彩を放ったLICACOさんの作品画像。
何が一体どうなっているの? と、頬がゆるみながら細部に引き込まれます。

いずれもデフォルメされているものの、リアルな日常の中で愛おしさを感じるもの、記憶にとどめたい、かけがえのない瞬間が描かれています。


メッセージに書かれているように、昨年10月中旬から11月にかけて、長岡市栃尾のご実家に滞在しながら「工房このすく」に通い制作活動をされました。

その折に、幼少期から絵描きになりたいと志していたこと、その道を応援してくれたご家族のことや、大学進学までの努力、学ぶ中で油画から版画へと制作が変化したことなど、今日までの遍歴を伺いました。


そのたゆまざる努力は想像も及びませんが、加えて感心したのは、大学を卒業した昨春からの1年間を、自分の仕切り直しのための時間として確保したということ。


そのまま進学したり、就職したり、あるいはフリーで作家活動に入ったりと、様々な選択肢があると思うのですが、

LICACOさんは一年をフリーにし、上半期は美術系の専門学校で教える仕事に携わり、下半期の数か月は、ふるさとに滞在しながら存分に制作して過ごすことを選びました。


走り続けてきたであろう彼女にとって、
とても貴重な1年だったことと思います。


この春からは再び東京藝大に戻り、版画研究室に進学されるとのこと。
どんな探究が続くのでしょうか。


今回は、滞在制作の際に、このすく内に「半分」だけ展示されていた卒業制作をフルバージョンで展示していただきます。


大学4年時の1年間が注がれた大作です。

自分のために確保した2023年を経て、新たなステージへと向かう春に観るそれは、
ひとつの集大成であり、あらたなはじまりの詰まったものであると
改めて感じられるのではないかと思います。


在廊予定はありませんが、今後の展開にも期待しながら、ご覧いただきたいと思います。







たびのそら屋に隣接する「工房このすく」が、様々なご要望にフレキシブルに対応しておられることで、いただくことのできた新たな出会いです。

滞在制作の際にご覧になれなかった皆様にも、改めてご紹介できることがとてもうれしいです。




 

2024年3月5日火曜日

【次回】Restart

2024 SPRING EXHIBITION - Restart

4.1(月)~ 14(日)
Open   11:00-17:00 ※最終日は16時まで
Closed  4.4(木)、10(水)



 

【出展者】(敬称略) / 出展内容(居住地)@Instagram

◆LICACO / 版画(東京都)@licaco_painting

◆今井リエコ / 絵画(長岡市)@irassyaidesu

◆筒井早良 / 絵画(新発田市) @sawara_tsutsui

◆不破妙子 / 漆(長岡市)

小山紀子 / 写真・インスタレーション(長岡市)@_800190





毎年4
月の展覧会は、たびのそら屋にとって周年祭の位置づけで、
新しい一年に臨む気持ちも込めて企画展を開催しています。


7度目となる春のテーマは
【 Restart/再起動 】。


この1年ほどは、活動を再開できた歓びや、ステージを変えながら更に切り拓いていこうとする意志、
探求を継続する力を感じる方々との出会いや語らいが続いたのが印象的でした。


社会的、あるいは個人的諸事情によって自らの核心となるものごとが停滞してしまうことは、
誰しもあると思います。


それを不本意ながら終わらせてしまうのか、再開・継続の道を探るのか。


いずれを選んでも、新たな未来と新たな困難があると思います。



復興、復旧、再起、、、
人生の転機が喪失を伴なうものであった場合には、更に容易なことではないと思います。



そうしたことにも思いを重ねながら、
それぞれの立場で、自らの道を模索し邁進するひとの営みに触れたい春。


【Restart】はコンピューターの関連用語でもあるようですが、ヒト
のそれは機械のスイッチを押せば始まるようなものではなく、自らの意志で選び、具体的な行動によって切り拓かれていくものだと思います。


その「道」の続きを見たい若き5名の作家の展覧会。
どうぞおたのしみに。






2024/3/5



2024年2月1日木曜日

【御礼】ふゆはつとめて

2024.1.17~28に開催されました新年の展覧会《ふゆはつとめて》は、無事に閉幕いたしました。

例年、1月の展覧会は、降雪と除雪とお客様の足元を気にしながらの開催です。
大雪に見舞われた昨冬のイメージから、冬を思うだけでネガティブになりそうなところを、
そうではなくて、たのしむ気持ちに転じたい、と思って企画した今回の展覧会でした。

ハラハラは、しました。

でもたのしかった! たのしんでいるひととたくさん出会えました!
このことは、あたたかい”雪”の記憶として、私の中にやさしく降り積もりました。

来冬、うれしい気持ちでこの日々のことを思い出すと思います⛄✨





長岡在住の5名の作家、クリエイターとともに開催した《ふゆはつとめて》。

長岡育ちの方もいれば、生まれ育ちは長岡市内より豪雪だったり、ほどんど雪の降らない関東だったり、
バックボーンはそれぞれ違いますが、

今、おなじ空模様の下で、同じ空気感の中で、雪が降れば同じように雪を眺めて暮らしている、、、

その作家たちが感じていること、生み出すものを、堪能させていただいた展覧会でした。






1/14 搬入の頃に白くなった景色

開幕日はとびきりの快晴でした



窓辺には、8BLANKSの引馬英人さんが持ってきてくれたチェアとテーブル。
会場全体がひとつになるように、お客様がゆっくり眺めてもらえるようにと
雪板オンシーズンにつき在廊できないながらも、共に開催する気持ちを寄せてくださいました。







雨やみぞれの日が続いて、
1/23にはすっかり消えてしまったのですが





1/24 の朝にはまた白い世界に戻り




駐車場の除雪は、なかなか疲れましたが…

この日の夕暮れ空は、見惚れるうつくしさでした


ふゆはゆふぐれ

by.Tabinosoraya






降雪の翌日は小川沙織さんのワークショップ2日目。
遠方からのお客様にはご無理ないようにとお伝えしていましたが、
皆様、無事にお越しくださり、とりわけ長岡在住の皆様の元気なことといったら!!

「雪、大丈夫でしたか?」と聞くと、「これくらいは… ねえ?😊😄」

と顔を見合わせて、笑顔🌸😄😄✨😄😄🌸


このワークショップを、ふゆのひに出かけるたのしみごとにしていただきたかった、
その気持ちが届いたのもうれしかったですが、
それよりなにより、”長岡のひと” の煌めくパワーに✨感服✨⛄


館内があたたかい笑い声で充ちたこの日は、
吹雪いたかと思えば薄日が差したりと、目まぐるしい空模様でしたが、
この会期を象徴するようなうれしい一日として、こころに残っています。






いつにも増して活気に満ちた会期でした。

鷲尾顕一さんと引馬英人さんのつながりでは、雪をものともしない、むしろ雪を積極的にたのしんでいる方々が多数お越し下さり、SNSでつながらせてもらいながら、新たな世界が広がっていくのをリアルに感じたのもうれしかったこと。


旧知の皆様とは新年の挨拶を交わすとともに、地震の時の状況なども交流することができ、
元気に再会できることの尊さを改めて感じました。


作品を通して、出会い、語らい、続いていくつながりの、
かけがえのないあたたかさを感じたふゆの日々。









更なる地震警戒の呼びかけが続く中の会期でしたが、
お陰様で、無事に閉幕できたことに、心底安堵しています。


たびのそら屋は、これにて今年度の予定を終了し、2月・3月は冬季休廊いたします。

一年の幕開けであり、ギャラリーとしては6年目の締めくくりでもあった新年の展覧会。


寒い中、元気にご来訪くださいました皆様、どうもありがとうございました。

SNSで発信してくださった皆様、新潟日報紙様、
DMを設置してくださいました事業所の皆様にも、こころより感謝申し上げます。


そして、この素晴らしき展覧会は、ひとえに出展者の皆様のお陰です。

素晴らしい作品を寄せてくださり、一緒にふゆのひをたのしんでくださいました作家の皆様に、
こころより厚く感謝御礼申し上げます。

ありがとうございました。








さて、このあとは、まずは一年を締めくくる実務がたっぷりとあるのですが、
私にとって、それはこの1年を春から振り返る、大切な時間でもあります。

長岡造形大学の卒研等、観たい展覧会も続きます。
若者たちの修了の成果と旅立ちのエネルギーからも刺激をもらいながら、
私も7年目に向けての準備をしてまいります。


次回展覧会は4/1開幕。多彩な5名の展覧会を予定しています。
ご案内はまた改めて。






桜の咲くころ、また元気にお目にかかれますように。






photo by. WASHIO Kenichi




ガラスの”先輩”から”後輩”に贈られた花束は、
どこを撮っても主役級のうつくしさ、可愛らしさでした。

最後の1枚は鷲尾顕一さんに撮っていただいたもの。

さすが、です💐✨




2024年1月28日日曜日

8BLANKS:引馬英人/雪板動画

ご紹介が会期末になりましたが、ギャラリーでは多くの方が、初めての出会いに関心を寄せてくださいました。

展示しているのは越後杉や上越産の桐材を用いた、フリーフットの、長靴でも乗れる、手製のボード。

「スノーボード」ではなく「雪板」です。











ビンディングもエッジも無くて、これで乗れるの?滑れるの??と驚きますよね。

説明するより見ていただくのが一番。
YouTubeの「越後雪板 8BLANKS 」のチャンネルから2本、シェアさせていただきます。

アップする前に見入ってしまいました。たのしそう!✨⛄



2023「雪しか祭」&「火ぼたる祭」雪板体験会


YUKIITA PARK  「share2023」



「雪板」は、15年ほど前にこれを始めた長野の五明淳さんにルーツがあるという
新しいウィンタースポーツ。

◆五明淳さんの「芽育雪板」公式サイトはこちら⇒


積雪量の多い小千谷市で育った引馬さんは、意外にも、子どものころから雪が大嫌いだったとのこと。
それが五明さんの「雪板」に出会って、雪が降るのが待ち遠しくなるくらい、好きになったといいます。


この雪国、中越界隈に暮らす子どもたちにも、そんなふうに雪をたのしんでほしくて、
地元にあるさまざまな”宝物”を伝えたくて、、、


自身の「8BLANKS」のブランドを核として、仲間たちと「雪板推進委員会」を立ち上げ、
昨年の春からは悠久山に拠点を構えてワークショップや体験会を開催。
地域の様々ひととつながりながら、普及活動に取り組んでおられます。


県内産の木材を用いたり、滑走面に小千谷市片貝の「紺仁」さんの染めの手ぬぐいや小国和紙を貼ってあるのは、子どもや若者たちと地元の伝統的なものをつなげたいという思いも込められていて、、、(ニスで何重にも塗り重ね、磨きあげてあります)

”かっこいい” は、ふるさとの大切なものを受け継ぎ育てる、行動力の塊でした。


Instagram@ 8blanks WEB http://8blanks.com/






引馬さんを通して雪板を知った当初は、板のデザインにアート性を感じて、今回の出展をご依頼したのですが、お話を伺ってみると、引馬さんの志にはおしゃれなウィンタースポーツというだけにとどまらない様々なことが含まれていて、興味が更に増しました。






何はともあれ、只今、雪板オンシーズン。

このあとも試乗体験ができる機会がいくつかあります。
昨年の様子はYouTubeの「越後雪板 8BLANKS 」のチャンネルで。

子どもさんや初心者向けのコースだけでなく、
丘陵公園では上級者向けのコースも用意されています。

【雪板体験イベント】

1月27、28 国営越後丘陵公園 2月3、4 国営越後丘陵公園 2月10 アオーレ長岡「アートなHENTAI万博」⇒ 2月17、18 「長岡雪しか祭り」⇒ 2月24、25 「えちごかわぐち雪洞火ぼたる祭」 3月20   スノーモービル雪板ツアー@巻機山(塩沢)


※積雪量によって開催が厳しい場合もありますので
事前にご確認ください。

私もいずれかの会場に(まずは見に)行きたいと思います☆