たびのそら屋の喫茶室では、展覧会ごとに異なるお店から取り寄せたお豆を
「旅コーヒー」と称してご紹介しています。
旅先で出会ったまた訪ねたいお店をはじめ、
県内・地元、作家の方々から好きなお店をご紹介いただくこともあります。
今回は、出展者の崎元美日さんから教えていただいた、
金沢市内の自家焙煎珈琲のお店の中から、いずこも気になりながら、
タイミングのあった3店のお豆をご用意しました。
館内には6名の作家による多種多様な版画の表現世界が豊かに繰り広げられていますが、
喫茶メニュー「旅コーヒー」もまた、
店主の方がお豆に込めたイメージの味わいに、それぞれの個性と奥行きが感じられて、
コーヒーの展覧会さながら、いつにも増して贅沢な喫茶室です。
以下、お店とお豆のご紹介です。
お豆の解説は各店のサイトより引用しています。
▶自家焙煎珈琲 Reinheit(ラインハイト)⇒ ★ 金沢市田上さくら2丁目87
・ラインハイトブレンド(中深煎り)
コクと甘み、バランスの整った、お店の顔的なブレンド
・ニカラグア サンタ アナ農園(中煎り)
柑橘系のさわやかな香り、さっぱりとしていながらほのかな甘みも合わせ持つ
・マラウイAA(深煎り)
香ばしさと軽やかな苦みが秀逸な一級品
オンラインショップから注文せさせていただいたのですが、
お豆と一緒にお店の写真を同封してくださり、
丁寧なメールには長岡に旅させるお豆たちへのエールも☕✨
展覧会に寄せてくださるお気持ちと併せて、なんともうれしい交流をいただきました。
お店では手作りケーキもご提供されているとのこと。
そこにはきっと特別な、うれしい時間が流れているにちがいないと、
いつかの旅に思いを巡らせます。
写っているミニアチュールは
うさぎのモチーフが人気の崎元美日さんの作品
《 flower crown 》Etching
▶自家焙煎珈琲 blanket cafe (ブランケットカフェ) ⇒ ★ 金沢市尾山町12−2
・オリジナルブレンド(中深煎り)
モカが香る飽きのこない、こだわりのブレンド
(ブレンド内容:エチオピア、グァテマラ、エルサルバドル)
・グアテマラ カフェインレス(深煎り)
グァテマラの生豆を使ったカフェインレスコーヒー(デカフェ)。
加工場所のメキシコの天然水を使ってデカフェ処理をしています。
ウォータープロセス処理でカフェインレスにしています。
オンラインショップもおありですが、私の注文のタイミングが遅くなり、
崎元さんのお言葉に甘えて、直々に買ってきていただきました。
観光地のど真ん中にある尾山神社の真下にありながら、
落ち着いた雰囲気でコーヒーも焼き菓子も美味しい、と崎元さん。
確かに、やわらかいお味のブレンドもさることながら、
差し入れてくださったビスコッティの美味しかったこと✨
お店の様子がわかるようにと、写真をFacebookにアップしてくださっています。
素敵なスマイルのマスター✨ 会わずともファン☕✨
崎元さんのFacebook(6月6日をご参照ください)
https://www.facebook.com/mika.sakimoto10
いつかお訪ねできた暁には、ショップカードに描かれた店名の由来とおぼしき
異国情緒のある「ブランケット」のこともお聞きしてみたいです。
版(スタンプ)が押された豆袋
「版画展」の中で出会うと味わいもひとしおです
▶ハッピーコーヒー ブラジル屋 ⇒ ★ 石川県金沢市寺町1-6-40
・セラード スペシャルブレンド
ほどよい風味と上品な味わい、くせのないまろやかさを持っています。
・お店のおすすめ/ ニカラグア ブエノスアイレス・マラカトゥーラ
バニラのような甘味とコク、クリーミーな飲み心地、
地区独特の気候がコーヒーチェリーの発育を遅らせ糖度の熟成を助けています。
・崎元さんのお気に入り/ イタリアン・ロースト
ハッピーコーヒー・ブラジル屋さんは、金沢市内で一番古い自家焙煎珈琲のお店さんとのこと。
オンラインショップは、現在は稼働されていないようでしたので、
崎元さんにイメージのリクエストを託して、買って来ていただきました。
「お店のメインとなるブレンド」のリクエストには、セラードスペシャルブレンドを、
「季節のおすすめか、崎元さんのおすすめを」のリクエストには、
店主さんが選んでくださった、(暑くなってきたので)すっきりさもあるニカラグア※
その他に、崎元さんがずっと愛飲していたという照りっ照りに焙煎されたイタリアンローストも差し入れてくださいました。
※奇しくもラインハイトさんのニカラグア(農園違い)と飲み比べができる贅沢✨
私には馴染みのないニカラグアでしたがどちらも好印象。うれしい出会いとなりました✨
以下は崎元さんがFacebook(6月6日)に書いてくださった
ブラジル屋さん紹介のコメントからの引用です。
https://www.facebook.com/mika.sakimoto10
私にとってコーヒーは、音楽や絵画と同じようにいつも傍らにあって、芳醇な香りで元気が出たり、手の中のカップの温もりに慰められたりする存在です。
旅というワードから、ただ美味しいだけではなく、道行となってくれるコーヒー店を紹介したいと思いました。
その一つ、ブラジル屋さんは特に思い入れのある店です。お付き合いは40年以上、最近は伺う頻度が減ってしまいましたが、変わりない店構えと味にホッとします。初代の店主は102歳、奥様共々お元気でいらっしゃるとのこと。まさにコーヒーパワー。
このご依頼のお陰で久しぶりにお店に伺うことができて、美味しいコーヒーをいただけます。
実はこの他にも、追加で別のお店さんのお豆もいただきまして、、、
メニューに載せきれないほど、ぜいたくに金沢コーヒーの味比べをさせていただいている会期です。
崎元さんが名前を挙げてくださった自家焙煎珈琲のお店さんは他にもあり、
今後のたのしみを、たくさんいただきました。
以下、長い余談混じりになります。
今回は、ほとんど初対面の崎元さんのご厚意に甘えて、あれこれと買ってきていただきましたが、
実は、こうしたことこそが、たびのそら屋の「旅コーヒー」のはじまりでした。
高田でカフェを営んでいた頃(2005~2012)、かつてのように旅に出る時間は無くなり、
休日は疲れ切って、近隣市町村でさえ足を延ばすことが無くなった、、、
そんな店主に、出掛けてきたからとコーヒー豆をお土産にくださるお客様がしばしばいらして、
居合わせた親しいお客様方と一緒に味わわせていただいていたのですが、
あるとき、それをちゃんとメニューにして、もっと多くの方に飲んでいただけたらいいなと思い立ち、
お客様が自宅用の豆を買いに行くときに声を掛けてもらって、
たびのそら屋の分も一緒にお願いするようになりました。
今ではオンラインショップも増えましたが、当時はまだまだ。
もともと、はるか遠く、海の向こうから旅してくるコーヒー豆を、
こだわりをもって丁寧に自家焙煎するお店が全国各地にあって、
旅したひとが、手から手へと、運び、もたらす、、
そこには道中の語らいや、様々な思い出も刻まれているに違いなく、、
それが、たびのそら屋の「旅コーヒー」。
カフェを一旦、閉じてからの数年間は、連れ合いと共にたくさん旅する時間を持てました。
何処に行くにも、自家焙煎珈琲のお店と地酒屋さんはチェックしてから出かけました。
また訪ねたい、心に残るお店がいくつかできたころ、喫茶併設ギャラリーを営むことになった折、
定番のコーヒーは定めずに、いろんなお店のお豆を用意して「旅コーヒー」としてご紹介することは、
何の準備よりも早くに決めてわくわくしていたことでした。
こうした多くをお伝えしたわけではなかったのですが、
崎元さんが「美味しいだけでなく、道行となってくれるコーヒー店を紹介したい」
と思ってくださったお気持ちが、とてもうれしいです。
《peekaboo》崎元美日/Etching
旅コーヒーを取り寄せるときは、いつも、ショップカードを少し、
同封してくださるようにお願いしています。
多くの情報をオンラインで得ることのできる時代ですが、手元の紙片をきっかけに、
あるときふと思い出すことが、旅のはじまりになるかもしれません。
お客様にとって、私にとって、いつかの旅の手がかりに。
(ブラジル屋さんは該当する媒体が無いとのことでしたので、
乱筆で恥ずかしながら、HPの情報を書き写したものを添えさせていただきました)
金沢の旅気分満載の《Kanazawa Printmakers / 版画展Ⅵ 》
いつもとは少し違う寂しさもこみあげてくる会期末。
6/18(水)岩瀬さん、崎元さん午後来廊で、16時にて閉幕です。
平日ですが、ご都合のつきます方はどうぞ、お出かけください🌈