2020年4月8日水曜日

中村紗央里さん/写真

千葉県で生まれ育ち、10代の頃からカメラを手に撮影し続けてきた中村紗央里さん

技術・技巧の追求は私には計り知れないのですが、
その感性の瑞々しさあっての作品であることは、彼女を知るほどに感じます





一年前の冬、展覧会へのご来訪ののち、
ハイハイし始めたばかりの子どもさんと一緒に作品を見せに来てくださって、

まだ目も手も離せない子育て中であることは見て取れたのですが、
そろそろまた発表したいのです、とおっしゃった


その作品の気になる感じと、彼女への気になる感じは
その時から重なっていて

それならば是非と、彼女と彼女の作品をイメージしながら、思いを巡らせ、
生まれたのが今年の春の展覧会「 izumi 」展です





展示作品全てに明確な意味と細部への配慮が込められています

額装された写真作品はペイントを施したガラス板を重ねて撮ったシリーズ

瞬間性への追求と「記憶の層」のようなものが表現されているとのことですが、
その作品と一連のものとして、薄いガラス板も展示されています


上の画像は開幕目前、そのガラスにペイントを施す紗央里さん

乾きながらこの展示会場の空気を取り込んでいってほしくて、と

自宅ではなく会場で、他の展示作品たちも集う中で、制作をされました





私が惹かれるのはこちらの作品

「 The point where time drafted 」 
シリーズ


仏様と向き合っているときのような心持ちになる
静かな作品です

時を経て磨かれた石や朽ち木の陰影が
物理的な奥行きとともに時の経過と蓄積を感じさせます





こちらにも紗央里さん作品
ポートフォリオもどうぞご覧ください




作品と共に「ZINE」(リトルプレスの作品集)や
写真を加工した「しおり」も販売しています





4月8日は今シーズン初のテラス席設置
紗央里さんが窓越しに撮ってくださいました



まだちょっと川風が冷たくて、シフォンのストールを頭にかぶったお客様と
手作りマスク着用の店主
窓に貼られた さいとうようこさんの「ガラスステッカー」のたのしい絵柄

満開の桜と、新緑の芽吹きと・・・
なんだか混沌としたファンタジーみたいなワンショットですが

いつも元気をくださるお客様と
屋外で気兼ねなく、笑って、語らって

「このご時世に夢みたいね」と言いながらまた笑って・・・


ご来訪くださった方々のことや、いただいたお心遣い、
うれしい一日の記憶が、幾重にも重なり蓄積しているワンショット


嗚呼、これぞ中村紗央里さんの写真です