2019年3月29日金曜日

flow展③村山陽さん

◆村山陽さん

新潟大学教育学部高田分校芸能学科絵画科卒業
卒業制作の日展初入選以来、教職に就きながら制作と発表を続け
退職後は更に精力的に活躍の場を広げてこられました

◆3/31(日)11時頃、ご来訪くださる予定です


今回はこれまでの作品の中から、
雪融けから春の季節に描かれたパステルと水彩による作品をお選びいただき、
上越・妙高の景色と併せて、長岡の景色
(摂田屋のしょうゆ工場・長岡高校から見たポプラ並木)もご出展いただいています




喫茶室ではモノトーンで仕上げたペン画も、存在感を放っています

筍、ふきのとう、うど、さくらんぼ…
季節の恵みをいただいた感動を、その瞬間に、香りごと描きとめる…

勢いのある筆致は、一刻も早く食べたいと願うのとは
異なる情熱のカタチ

描き手の感動がそのままに伝わってくる作品たち

香りまで伝わってくるような山のウド


「春の息吹」


「はんの木の芽吹き」

こちらの作品の傍らには、当時消えゆく予定であった(そして今は無き)
この景色への思いを綴った一文を添えていただいています



様々なことを見つめ、描きとめてきた「陽せんせい」は
美術団体「一水会」や日展の洋画家としても名高い洋画家でいらっしゃいますが、
僭越ながら、私はその側面以上に高校美術教師としてのお顔に
心底魅力を感じています

今回、作品と併せてご紹介したいのは、喫茶室にお借りしている
高田工業高校在職時の学級通信「見るみる通信」をまとめた冊子



「美術」を通してこころを、人生を、耕し豊かにする、
そのことを教え子(高校生だけでなく、絵画教室の多くの生徒さんたちにも)
伝えながら、自身のよろこび、感謝、感動を込めて描いてこられたであろうことを
垣間見せていただける貴重な冊子です



美術科の生徒にあてて、
当初はせんせいの文章と挿絵のみがしたためられた
「見るみる通信」


授業を経るにつれて生徒が描いたものも掲載するようになると
彼らはがぜん奮起し、スケッチも授業態度も変化していったと、
生徒たちの持てるちからを引き出す苦心と成果が、最後にまとめられています

厳しくもあたたかいまなざしで、若人たちと向き合っておられた日々の
いきいきとした記録


十分大人になったはずの今を生きる上でも、灯になるような
言葉に出会います


椅子にお掛けいただき
どうぞゆっくりとご覧ください